中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

最近のコーポレートガバナンスと資本市場の動向を踏まえ、上場企業実務の視点から中長期での企業価値向上に役立つ情報分析・発信をしていきます。個人投資家のコーポレートガバナンス力の向上による「意思のある投資」に役立つ情報発信もしています。また長期での割安株投資の情報も

株式投資

日本製鉄による東京製綱へのTOB - 敵対的買収に発展。これを契機に今後は確実に事業会社による敵対的買収は増えるでしょう

本日、東京製綱が日本製鉄によるTOBに反対する旨を公表しました。反対の意見の理由について、プレスリリリース(全部で16ページ)に6つほどあげられています。 今週も仕事が多忙で、じっくり読む余裕はないので、週末にでも詳細を読んでみたいと思いま…

書籍紹介「兜町の風雲児 - 中江滋樹 最後の告白」

久しぶりに本日は1冊書籍を紹介します。先週購入した本ですが、中江滋樹氏と親交のあった雑誌記者が同氏について書いた本です。新潮社から出ています。中江滋樹という名前を知らない方もいるかと思いますが、1954年生まれの相場師です。 小学生で始めた…

中長期投資としての銘柄分析:フィットネス関連のFY20.Q3決算

コロナ禍でフィットネス関連銘柄の四半期決算の推移を注視しているのですが、1月下旬にホリデイスポーツクラブを運営する東祥(8920)が10-12月期の決算を発表しました。同社はスポーツクラブ、ホテル、不動産の事業セグメントになりますが、主力…

中長期投資としての銘柄分析:ベントナイト大手のクニミネ工業(5388)- FY20.Q3決算

クニミネ工業が1月29日にQ3決算を公表をしました。既に上方修正を公表していたので29日の発表による市場へのインパクトはあまりなかったかと思います。直近でのブログ記事は次のとおりです。 Q1~Q3の3ヵ月毎の数値を分析すると次のとおりです(単…

「『バブル警戒論』花盛り」 - たしかに東証1部のPERはこの半年を見ても高くないです

3月期決算企業の第3四半期の決算発表が始まりました。私は40社程度の決算短信を日中の昼休みと週末に読むのですが、読むべきポイントはQ3(10月~12月)の3ヵ月の業績がQ1、Q2と比べてどのように推移しているか、また、2020年度の業績予想の…

銘柄分析:ベントナイト大手のクニミネ工業(5388)が業績予想の上方修正

本日土曜日は、毎週のルーティンである今週1週間の保有銘柄の株価分析及び銘柄の関連情報の収集・分析、来週の株式投資の方針確認をしています。 東京五輪は開催の是非が揺れているようですが、開催してももはやインバウンドが期待できないことを考えると経…

個人投資家が企業トップの声を聞くツールの紹介

本日は株式投資において企業トップの声を聞くツールを1つ紹介いたします。 企業のファンダメンタルズ分析(財務状況、事業内容、事業の見通し等の分析)をして投資をする個人投資家は、投資先を決めたり、保有の継続の是非を決める上で対象企業の経営トップ…

東証市場区分見直し - 時価総額100億円前後の銘柄は投資対象としてウォッチ

昨年末に東証が市場区分の見直しを公表しました。日経新聞でも大きく掲載されていたのでご存じの方も多いと思いますが、2022年4月から東証市場区分が、プライム市場、スタンダート市場、グロース企業の3つに分かれます。 プライム市場が現在の東証1部…

株式投資先としてのファミリー企業(オーナー系企業)

本日、1都3県に非常事態宣言が出ました。私の場合、勤務地及び自宅とも東京都内ですので、明日から都内は夜は閑散とした状況になるのだと思います。一方で、本日の日経平均株価の終値は前日比+434円の27,490円でした。 昨日ブログで紹介したエム…

中長期投資としての銘柄分析:エムビーエス(1401)がストップ高 ー 特許取得を公表

最近起床時間が早く、だいたい午前5時前なのですが(20代、30代の頃は遅刻ギリギリに毎日起床していましたが、多分年齢のせいもあるかと思います)、早朝の時間は前日夜のニュースチェック、投資銘柄の株価確認、日経新聞の精読などがじっくり出来き、…

2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略

私は本日までが正月休みですが、金融・役所などの方をはじめ本日が仕事はじめという方も多いかと思います。昨年後半から環境に関する新聞報道が増えていますが、本日は昨年12月25日に経済産業省が策定・公表したグリーン成長戦略について、原子力を中心…

中長期投資でみるべき製造業の事業上のリスク - 企業の安全面の取組みを投資家は見るべき

前回、人権リスクを有価証券報告書で事業上のリスクとして開示する企業も増えていることを紹介しました。SGDSあたりを意識して開示しているのでしょうが、こんな意味の乏しいリスクを開示するより、投資家を意識して製造業が開示すべきと考える事項につ…

中長期での株式投資のポイント - 個人投資家は投資先企業の参入障壁をどう分析するか

今年は、コロナの影響から、年内の仕事は残すところ来週いっぱいで終わりという方も多いと思います。証券会社に勤務の方は12月30日まで仕事だと思いますが、それ以外の業種では年末は年休取得を奨励する企業も多く、最終日の納会もないのではないでしょ…

政府が国土強靭化の5ヵ年対策を決定 - 「政策に売りなし」(相場格言)

政府は12月11日に来年度からの5年間の国土強靭化対策を閣議決定したようです。重点的に取り組む対策数は123対策で、追加的に必要となる事業規模はおおむね15兆円程度を目途としており、この15兆円の内訳は次のとおりとなっています。 激甚化する…

中長期投資としての銘柄分析:住宅着工件数の今後の見通し - ノザワ(5237)の今後の成長において積水ハウスの動向が肝

本日は株式投資関連の記事を書きます。私の保有銘柄に小型銘柄でノザワ(5237)があります。 この会社はビル外壁に使用される押出成形セメント板のメーカーで、同社の過去7年程度の財務を分析するとPERは10倍を下回っており、またキャッシュリッチ…

ブラックエレファント(黒い象)とESG(環境・社会・企業統治)

11月30日の日経新聞の1面に「『黒い象』向き合う株主」というタイトルで大きく記事が出ていました。「黒い象」(ブラックエレファント)という言葉は私ははじめて聞いたのですが、記事によれば、いつかは起きるが明白な問題を放置し、結果、大きな被害…

東京ドームの臨時株主総会での投資ファンドの株主提案にISSが賛成推奨 - 株価が同業他社より大きく低迷している企業は今後要注意です

本日の日経新聞に東京ドームの臨時株主総会に香港の投資ファンドであるオアシス・マネジメントが取締役の解任提案をしたことに対して、議決権行使助言会社のISSが株主提案に賛成したとの記事がありました。 12月3日に東京ドームが「当社臨時株主総会の…

買収防衛策の導入・継続に向けて⑥ - 非継続とする場合の重要なポイント

本日は約20日ぶりにテレワークでしたので、定時で仕事を切り上げました。コロナワクチンの海外での承認を背景に日経平均株価が上昇し、本日の終値は26,809円で、来年半ばにかけ30,000円台に向かうという声も聞こえています。 過熱感もあるので、…

買収防衛策の導入・継続に向けて ⑤ - 国内機関投資家が賛成するためのポイント(続き)

前回は第4回目ということで国内機関投資家が総会の買収防衛策議案に賛成するための形式的要件について紹介するとともに、形式的要件以外に注意すべき事項があることを紹介しましたが、本日はこの注意すべき事項について説明したいと思います。 買収防衛策を…

買収防衛策の導入・継続に向けて④ - 国内機関投資家が賛成するためのポイント

前回は第3回目として買収防衛策について株主総会で国内機関投資家の賛成を得るための手続について、次のとおり紹介いたしました。 本日は第4回目として、買収防衛策議案が機関投資家の賛成を得るための買収防衛策スキームの留意点について大きな観点から説…

ROEやROIC等の経営指標の目標値の有報での開示が一般的になりつつあります

本日は買収防衛策の導入・継続についての第4回目を書く予定にしていたのですが、新聞を整理する中で他に書きたい事項が出てきたので、買収防衛策は週明け前半に書きたいと思います。 11月26日の日経新聞に有価証券報告書(有報)でROEやROICの実…

味の素が指名委員会等設置会社に移行 ー 取締役会は今後何を議論する場になるのか投資家は関心を持ちます

昨日の日経新聞でも報道がありましたが、味の素が指名委員会等設置会社に移行します。定款変更が必要になるため、移行時間は来年の定時株主総会終結の時です。 11月26日の味の素のプレスリリースに「移行の背景・目的」として次の記載があります。 1)…

サンセイ(6307)と光通信の攻防(4)ーサンセイが取締役会評価期間一部訂正

サンセイが取締役会評価期間の開始をすることを公表していましたが、11月26日に評価期間の一部訂正を公表しました。評価期間60日としていたところを誤りがあり、90日に訂正したということで、プレスリリースからの該当箇所を一部抜粋すると次のとお…

サンセイ(6307)と光通信の攻防(3) - サンセイの取締役会評価期間の開始

サンセイと光通信の攻防について、次の記事のとおり光通信がサンセイより追加情報を受領したことを書きました。 本日11月26日にサンセイは取締役会評価期間の検討を開始したことを公表しました。前回のブログでも書いたように、取締役役会で対抗措置の発…

エムビーエス(1401)が建設コンサル大手のパシフィックコンサルタンツと5度目の業務提携を更新

国土強靭化関連銘柄の1つにエムビーエス(1401)があります。独自研磨法と特殊コーティングでの外装リフォーム会社で、直近のブログは次のとおりです。 同社はスケルトン工法という技術を用いて、トンネルや高速道路の強化を行う事業を行っている小型銘…

買収防衛策の導入・継続に向けて③ - 国内機関投資家の賛成確保に向けての進め方

本日は買収防衛策の導入・継続に向けての第3回目になります。前回は、買収防衛策の導入には株主総会の承認(普通決議)が必要になるところ、外国人株主の賛成は期待できないため、「国内機関投資家の賛成を得ることが肝」ということを書きました。前回の内…

ストラテジックキャピタルによるTOBに対して京阪神ビルは反対を表明

アクティビストのストラテジックキャピタルが京阪神ビルディングに対してTOBをしかけており、前にブログで、政策保有株主はこのTOBに応募しない場合には合理的な理由を準備しておく必要があることを次のとおり書いております、 本日の日経新聞によれば…

サンセイ(5307)と光通信の攻防(2)- 光通信が追加情報をサンセイに提供

サンセイと光通信の攻防について、先日次のとおりブログに掲載したように11月10日にサンセイは光通信に必要情報の追加提供を要請しています。 これに対して、11月17日にサンセイは光通信から追加情報リストに対する回答書を受け取ったことを公表しま…

コーポレートガバナンス・コードの改訂に向けた議論 - 金融庁のフォローアップ会議が11/18に開催されました

コーポレートガバナンス・コードの改訂に向けた金融庁のフォローアップ会議が昨日開催されました。その前は10月20日に開催され、その時の内容は前に次のとおりブログで紹介させていただきました。 昨日の会議では、前回の会議での各委員からの意見と今後…

9月の世界半導体売上高 - 8ヵ月連続で前年実績を上回る

先日、米半導体工業会(SIA)が9月の世界半導体売上高を公表しましたが、9月は前年同月比+5.8%増の379億円ドルでした。米州、中国、アジア太平洋地域がプラスで、米州が+20.1%、中国が+6.5%となっています。前年実績を上回るのは8ヵ月…