コーポレートガバナンス、株式投資、企業価値、IRなどに関する投資家目線での実務ニュース ー 強い意志のある投資を目指して

コーポレートガバナンス、中長期での株式投資、企業分析、企業価値評価、IR等について、新聞記事を中心に投資銀行・東証1部事業会社での実務経験を通じて気づいた観点を踏まえて分かりやすく解説していきます

コーポレートガバナンス

政策保有削減の状況の総会招集通知への記載 ー 「記載効果のある企業」のみが記載すればよいです

6月25日の日本経済新聞に次の記事が掲載されていました。 〈株主総会2022〉政策保有株削減の状況、総会前開示が3割に拡大: 日本経済新聞 企業が政策保有株式の縮減の状況や方針を株主総会の招集通知に記載する動きが広がっているということです。この狙い…

人材版伊藤レポート2.0(案)が公表

本日は1週間に1回の在宅での仕事の日です。色々と資料をプリントアウトして自宅に持ち帰りました。IR部門と一緒に統合報告書の骨格作りをしているので、本日は、社外取締役インタビュー(最近、これを記載する企業が多いです)などの骨子を考える作業に…

取締役会議長が社外取で機能するのか?

本日は1週間に1回の在宅勤務日です。本日は株価の動きを見ながら、インプット中心の仕事に励む予定です。株式の買い増しをしたいのですが、ウクライナ情勢が読めない中、なかなか踏み込めない状況が続きます。 3月9日の日経新聞によれば、東証プライム企…

社外取締役の多い企業では社外取の意見や果たした役割の具体的な開示が重要

統合報告書を作成する企業も多いかと思いますが、それに関して最近思うところが1つあります。東証のプライム市場の企業には、社外取3分の1以上が求められていることもあり、社外取を増やす企業がだいぶ増えているところですが、ひとまず増員することで安…

人権デューデリの指針策定 ー 欧米企業との取引の大きい企業は人権リスクに要注意

2月15日の日経新聞に「人権侵害防止 企業に指針」というタイトルで次の記事が掲載されています。 人権侵害防止、企業に指針: 日本経済新聞 内容は、政府は人権デューデリジェンス(人権DD)の指針を策定する予定とのことです。人権はESGの中のS(社…

「経営者の去り際に説明責任」ー 辞任だけでなく、短期間での任期満了退任の場合にも説明責任があると思います

2月8日の日経新聞に「経営者の去り際に説明責任」というタイトルで次の記事がありました。 経営者の去り際に説明責任: 日本経済新聞 国内外で経営陣が辞任する場合に、「合意に基づき退社」「一身上の都合により辞任」といった理由が簡単に書いてあるケー…

プライム市場で社外取締役3分の1以上は本当に必要か? ー GMOインターネットの2018年株主総会での社長意見が参考になります

今回の東証上場区分でスタンダート市場を選択した企業も多いかと思いますが、個人的には、とても賢明な選択をされた会社もその中にはあるのだと思います。プライドのためにプライム市場を選択した企業も多く(プライドとプライムは日本語が似てますね)、そ…

【分かりやすいコーポレートガバナンス】政策保有株式の完全なる縮減は現実的でない。ではどうするか?

最近機関投資家と会話をすると、依然として政策保有株式の縮減の継続を求める声が強いと感じますが、その一方で、なかなか難しいという理解もしてきている印象を一部受けます。 2018年にコーポレートガバナンス・コードが改訂され、政策保有株式の縮減が…

ブラックロックのラリーフィンクCEOの手紙 ー ステークホルダー資本主義

昨日の日経新聞にも掲載されていましたが、大手運用会社のブラックロックのラリーフィンクCEOの2022年の手紙が次のとおり公表されました。 ステークホルダー資本主義ということで、人材獲得に向けての従業員との関係構築の重要性を求める点を重視する…

東証市場再編関連の過去ブログ記事です

昨日、東証の新市場区分のリストが公表されました(私のところにも東証からリストが送付されてきました)。本日の日経新聞の1面にも大きく掲載されていますが、プライム市場企業数が1841社、スタンダード1477社、グロース459社ということです。…

スタンダード市場を選択した理由 ー エバラ食品工業の開示文より

本日から1月4日まで仕事が休みのため、株式投資に絡む情報整理、過去の株式投資ノートの復習等を開始しました。また、この半年以内に購入した書籍(「サラ金の歴史」「労働組合とは何か」「ステークホルダー資本主義」「感染症の中国史」「金融庁戦記」)…

東証1部上場企業がスタンダード市場を選択する理由 ー クックパッドの開示文より

東証1部の2100社の8割近くがスタンダード市場を選択する予定ということで批判されていますが、そもそも簡単にプライムに上場できるなら、中小型銘柄はプライムを選択するのは当然かなと思います。非常に分かりやすい例でいうと「東大に簡単に入れるよ…

【分かりやすいコーポレートガバナンス】役員報酬の指標

昨日はある投資先企業の1H決算説明会の動画を視聴したのですが、社長が資料の文字を読むだけのあまりにレベルの低い説明にがっかりして、終わった後にIR部門にメールでいくつかポイントを絞った質問をしました。この企業のIR部門の方は毎回真摯な対応を…

【分かりやすいコーポレートガバナンス】卓球の福原愛氏の社外取締役選任理由 ー 「卓球の見識を企業価値向上に活かす」

本日からコーポレートガバナンスについて、時々、身近な例について記事を取り上げていく予定です。「分かりやすいコーポレートガバナンス」というタイトルを付けてみました。「コーポレートガバナンスって何?」という方向けに簡単な内容にして、ツイッター…

政策保有株式に対する事業会社(政策保有株主)の議決権行使結果の開示のすすめ

昨日の日経新聞に「「批判されない」持合い株」というタイトルの記事がありました。 「批判されない」持ち合い株: 日本経済新聞 内容としては、何故持合い株式が嫌われるかの理由と、最近の縮減の動きについてごく基本的なことが書かれています。その中で、…

取締役会の実効性評価の考えのポイントは理解しているでしょうか? ー 外部業者のカモにされないために①

少し前に社内外で取締役会の実効性評価(以下「実効性評価」)を担当している方々のある会議に呼ばれ、実効性評価について説明することになりました。その方々は外部の業者を起用して実効性評価をしているのですが、いずれの方も総務部、法務部、人事部とい…

取締役会のスキルマトリックス ー 時間をかけて真剣に考えるようなレベルの話ではないです②

前回、取締役のスキルマトリックスについて、真剣に悩み時間をかける必要は全くないことを紹介いたしましたが、今回、その理由について説明します。 スキルマトリックスは取締役会のメンバーのスキルを一覧化したものですが、これが使用される局面は、株主総…

取締役会のスキルマトリックス ー 時間をかけて真剣に考えるようなレベルの話ではないです①

日経新聞の1面で「企業統治の現実」という記事が連載されています。3年前のコーポレートガバナンス・コード改訂の時はここまで日経新聞で取り上げられた記憶があまりないのですが、企業統治に関して、従来よりも世間の関心が高くなっていることの現れかと…

東証がコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)を6月11日に公表 ー 上場企業・投資家は東証のパブコメの結果を読みましょう

金融庁のフォローアップ会議でこれまで議論されてきたコーポレートガバナンス・コードの改訂作業ですが、6月11日に東証が改訂コーポレートガバナンス・コード(CGコード)を次のとおり正式に公表しました。 https://www.jpx.co.jp/news/1020/nlsgeu0000…

アイ・アールジャパンの株主総会議案にISSが反対推奨 ー アイ・アールジャパンはびっくり?

株主サービスを提供しているアイ・アールジャパンは今年の定時株主総会で次のとおり定款一部変更議案を上程することを予定しています。内容は、場所の定めのない株主総会の開催を可能とするための定款変更になります。 https://www.irjapan.jp/ir_info/relea…

コーポレートガバナンス・コードで「人権」が規定 ー 物言う株主による企業の攻撃材料が1つ増えることになります

GWも明け本日から仕事開始の方が多いと思いますが、私は本日までが休みで明日から仕事です。本日から株式市場が始まるので、株価ウォッチの他、明日からの業務の準備をしたり、読書をして本日は過ごす予定ですが、昨日、「絶対に挫折しない日本史」(新潮…

旧村上ファンド系のシティインデックスイレブンスが大豊建設株(1822)を買増し ー ゼネコンは2020年度は政策保有株式の縮減は進んだのでしょうか?

本日は1週間に1回のテレワークの日ですので、インプットに時間を使うために昨日気合を入れて大量の資料を自宅に持ち帰りましたが、結果、鞄が重すぎて、少し腰を痛めてしまいました。今後は資料はコピーして予め少しずつ自宅に置いておく必要があるなと感…

改訂コーポレートガバナンス・コード案のポイント ー アクティビスト(物言う株主)リスク回避のためには真摯に取り組む必要があります

本日の日経新聞の1面に「人権問題 投資家が圧力」という見出しでウイグルを巡る記事がありました。ESG投資において今後の重要テーマは人権になると言われています。日本企業は「人権」というと、同和問題、パワハラ等に目がいきがちですが、グローバルの…

コーポレートガバナンス・コード改訂案が公表されました

昨日の日経平均株価の終値は前日比+210円の29,388円でした。先日の日経新聞報道によれば、昨年12月末の日本の上場企業の手元資金は101兆円と過去最高になったようです。昨日公表の日銀短観によれば、2020年度の設備投資は前年比マイナスで…

社外取締役を選任しない理由 ー サイボウズ(4776)の説明がとても参考になります

先週末に海洋鉱物資源の掘削関連、地熱発電関連でのウォッチ銘柄の整理をしました。2050年の再生可能エネルギー5割に向けて今注目を浴びているのは風力発電ですが、日本は欧州との自然の違いもあり、また、風力発電(浮体式)の技術的課題も多く、どこ…

不二家(2211)の酒井美紀の社外取締役選任理由 ー 「主婦としての観点」というのはかなり違う気がします

本日はお遊びのような記事を1つ書きます。中堅クラスのお菓子メーカーの不二家(2211)がタレントの酒井美紀(1978年生)を社外取締役に選任する旨を公表していましたが、同社の3月3日付の定時株主総会の招集通知の取締役選任議案に酒井美紀の経…

社外取締役と投資家との対話が必要ないと考える会社は29%

昨日、フォローアップ会議が開催されたことを記事に書きましたが、資料をあらためて読むと事務局資料の中に社外取締役と投資家との対話の記載がありました。これは今回の改訂コーポレートガバナンス・コードの論点の1つでもあります。 事務局資料を見ると、…

金融庁のフォローアップ会議が開催(2月15日) - 気候変動などの開示が今後注目

日経平均株価が昨日は3万円を超えました。3月期決算企業の通期決算の5月の発表内容如何によっては、3万2,000円もあるという報道もあります。大型株の株価上昇が日経平均株価の上昇を牽引しており、私の投資分野である中小型株は必ずしも大きな上昇を…

グンゼが政策保有株式を23銘柄売却 - グンゼの有報の記載は開示の好事例

1月22日の日経新聞に「政策保有23名銘柄 グンゼが売却」との小さい見出しの記事がありました。グンゼのプレスリリースを見ると昨年6月10日から12月29日の期間に23銘柄の売却を実施したようです。売却の理由については、次のとおり記載されてい…

最近の機関投資家の関心事項 - 企業が留意すべき点(続き)

昨日、最近の機関投資家の関心が強い事項を紹介しましたが、1つ忘れておりました点があります。それは買収防衛策の廃止への機関投資家の関心度合いが1年前に比べて格段に強くなっているような印象を受けます。 理由は単純でアセットオーナーの買収防衛策に…