中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

最近のコーポレートガバナンスと資本市場の動向を踏まえ、上場企業実務の視点から中長期での企業価値向上に役立つ情報分析・発信をしていきます。個人投資家のコーポレートガバナンス力の向上による「意思のある投資」に役立つ情報発信もしています。また長期での割安株投資の情報も

キューピーが事前警告型の買収防衛策を非継続

銀行、証券会社は30日まで仕事の方も多いと思いますが、それ以外の業種の方は本日が仕事納めという方も多いのではないでしょうか。私の場合は本日が仕事納めです。年末の社内の忘年会もこの数年開催しておらず(会社の方針です)、社外の方も交えてのオフィシャルな会食を除けば、社内の方とは1年で2~3回程度しか飲んでおらず、社内の人間関係はこの数年でかなりドライになりましたね。代わりに、自己啓発や副業準備にかなりのリソースを割けた1年でした(飲み代も節約できるし)。最後に頼れるのは己の能力・技術ですので、来年も今年以上に頑張って行きたいと思っています。先日は「フェイスブックページ」(個人のフェイスブックとは別です)を作成しましたので、こちらでも年明けからは情報発信をしていく予定です。

さて、前置きが長くなりましたが、キュピーが買収防衛策の非継続を決めたようですね。12月28日のプレスリリースになります。

https://www.kewpie.com/ir/pdf/ir_221228.pdf

キューピーは2008年に導入して以来、更新を継続してきましたが、今回で廃止ですね。今時点の正確な数値は知りませんが、数年前に調べた時は食品業界は防衛策導入企業は結構多い印象でした。というのも、2000年はじめにスティールパートナーズに狙わたのはブルドックソースですが、その影響もあり、小型銘柄の多い食品業界は買収防衛策を導入する企業が多かったと記憶しています。プレスに次の記述があります。

現時点においても、当社の企業価値および株主共同の利益を毀損するおそれのある大量買付行為が行われるリスクは依然として存在しており、当該リスクに対して十分な備えを行うことは取締役会としての重大な責務であると認識しております。その一方で、買収防衛策をめぐる近時の動向も踏まえると、いわゆる事前警告型の買収防衛策を準備しておく必要性は相対的に低下していると思料されることから、来年2月の有効期限に向けては、取締役会でも本対応方針の存廃について議論を重ねてまいりました。 

キュピーの株主構成は見ていませんが、機関投資家の賛同を得ることが困難であるなどの理由もあったのだと想像します。定款の規定も廃止するのですね。細かいですが、買収防衛策を導入した際に定款変更をした企業もあると思いますが、防衛策の非継続に伴い定款規定は廃止するのが望ましいですね。