中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

最近のコーポレートガバナンスと資本市場の動向を踏まえ、上場企業実務の視点から中長期での企業価値向上に役立つ情報分析・発信をしていきます。個人投資家のコーポレートガバナンス力の向上による「意思のある投資」に役立つ情報発信もしています。また長期での割安株投資の情報も

2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

買収防衛策導入企業数がピークから半減 ー 「投資家との対話重視=買収防衛策は不要」というのは間違っています

本日からは本年の定時株主総会に関連した記事を少しずつ書いていきます。2月22日の日経新聞の夕刊に「買収防衛策導入 ピークから半減」というタイトルの記事がありました。 買収防衛策は、ブログでも何度も記事にしていますが、日経新聞の記事によれば、…

関西電力が「ゼロカーボンビジョン2050」を策定 - 原子力の最大限活用を目指す

最近、保有銘柄の買増し検討の関係でエネルギー関係、海洋鉱物資源関係の情報収集に少し力を入れているところですが、2月26日に関西電力が「ゼロカーボンビジョン2050」を公表しました。 このビジョンで2050年までに二酸化炭素の排出「実質ゼロ」…

総合資源エネルギー調査会の分科会が開催 - 「エネルギー基本計画に対する経団連の考え方」

本日の日経新聞で「脱炭素へ原発『国が前面に』」という見出しの記事がありました。総合資源エネルギー調査会の分科会が2月24日に開催され、そこで経団連はじめ関係団体に対して原発や再生エネルギーに関する考えのヒアリングが行われたようです。 この分…

サンケン電気(6707)がTOBに対して中立意見を公表

アクティビストのエフィシモ・キャピタルがサンケン電気(6707)にTOBを実施していることについて、2月9日に次のとおり記事を書きました。 エフィシモは10%のサンケン電気株を有しているところ、プラス20%の取得を目指してTOBを実施してい…

株式投資テーマとしての海洋鉱物資源 - 本年2月末に新・国際資源戦略策定に向けた提言のとりまとめが公表予定

2月27日号の週刊ダイヤモンドの特集は「株・不動産・節税で資産1億円」です。個人投資家で100万円の投資から初めて、数億円の資産を築いた方のコメントで「投資銘柄は数銘柄にすべき」ということが書かれていました。これは至極もっともなことで、個…

東京応化工業(4186)が買収防衛策の非継続を公表

事前警告型の買収防衛策の導入企業数が減る中にあって、株式時価総額の比較的大きい企業の廃止動向をウォッチしているのですが、本日、半導体製造工程で使用されるフォトレジストで世界首位級の東京応化工業(4186)が買収防衛策の非継続を公表しました…

脱炭素と海洋エネルギー・鉱物資源関係の基礎的な情報整理

本日はある銘柄の株式投資の分析関係で、新聞記事及び経済産業省の資料を中心に海洋資源開発に関する情報収集、整理をしました。 2月16日の日経新聞で「国内資源 開発前倒し」との記事がありました。2月15日に経産省の会議で国内の資源開発の時期を前…

脱株主第一主義と買収防衛策 - 「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」は見直しすべき時期では?

昨日、フリージアマクロスによる日邦産業に対するTOBについて記事を書いている時にふと気になりましたので、本日はこのタイトルで記事を書きます。ブログの記事を書いている時にそもそもの買収防衛策の導入の意義についてあらためて考えてみました。買収…

社外取締役と投資家との対話が必要ないと考える会社は29%

昨日、フォローアップ会議が開催されたことを記事に書きましたが、資料をあらためて読むと事務局資料の中に社外取締役と投資家との対話の記載がありました。これは今回の改訂コーポレートガバナンス・コードの論点の1つでもあります。 事務局資料を見ると、…

金融庁のフォローアップ会議が開催(2月15日) - 気候変動などの開示が今後注目

日経平均株価が昨日は3万円を超えました。3月期決算企業の通期決算の5月の発表内容如何によっては、3万2,000円もあるという報道もあります。大型株の株価上昇が日経平均株価の上昇を牽引しており、私の投資分野である中小型株は必ずしも大きな上昇を…

中長期株式投資:自動車のEVシフトによるインパクトはまだ当分先の話です

最近、自動車の電動化についてビジネス誌でも色々と報道されています。今の旬な話題であり、マスコミの金儲けのネタですので競って記事にしています(私などはビジネス誌のいかにも購買意欲をそそる見出しにつられて、電動化の記事の雑誌を購入してしまいま…

極めてシンプルな開示の戦略方針 - ジャパンディスプレイ(6740)の決算説明会資料より

テレビ東京のビジネスオンデマンドを有料視聴しており(月額500円)、昨夜のワールドビジネスサテライトでジャパンディスプレイ(5740)の第3四半期決算説明会資料の紹介がありました。ジャパンディスプレイとは有名な中小型液晶パネル大手企業です…

中長期株式投資の銘柄分析:ベントナイト大手のクニミネ工業(5388)の2020年度業績の上方修正の可能性

昨日、トヨタ自動車が10-12月期決算を公表しました。純利益が1.9兆円で業績予想を上方修正しました。日本車5社が上方修正するなど自動車の回復が見られます。 さて、これまで何度かクニミネ工業(5388)について紹介しましたが、10-12月期の…

バーチャル株主総会が可能になります - 産業競争力強化法の改正が閣議決定

2月に入り本年の定時株主総会の準備を開始する企業もそろそも増えてくる時期かと思います。私は20代の頃に某化学素材メーカーの法務部で商事法務を担当しており、商事法務が株主総会の事務局をしていたことから(20年前の話になりますが)、2月に入る…

アクティビストのエフィシモ・キャピタルがサンケン電気(6707)にTOBを実施

昨日は日経平均株価の終値が前日比+609円の29,388円となりました。1990年8月以来となる2,9000円を超え、企業業績の改善などが背景ということかと思います。 さて、昨日、アクティビストであるシンガポールの投資ファンドであるエフィシモ…

カゴメが買収防衛策の廃止を公表 - 有事導入型の買収防衛策の法的有効性は?

先日、ライオンが本年更新期限を迎える事前警告型の買収防衛策を廃止することを公表しましたが、今度は、2月3日にカゴメが事前警告型の買収防衛策を廃止することを公表しました(私の場合、M&Aニュースでプレスが自動配信されてきます)。カゴメの2月3日…

カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略 - 原子力産業の扱い

本日は、この1週間の保有銘柄の株価値動き、決算発表分析をしています。日経平均株価の昨日終値は前日比+437円の28,779円でしたが、各社の決算短信を見ていると2020年度通期決算の業績予想の上方修正をする会社が多いですね。なお、東証の発表…

日本製鉄による東京製綱へのTOB - 敵対的買収に発展。これを契機に今後は確実に事業会社による敵対的買収は増えるでしょう

本日、東京製綱が日本製鉄によるTOBに反対する旨を公表しました。反対の意見の理由について、プレスリリリース(全部で16ページ)に6つほどあげられています。 今週も仕事が多忙で、じっくり読む余裕はないので、週末にでも詳細を読んでみたいと思いま…

書籍紹介「兜町の風雲児 - 中江滋樹 最後の告白」

久しぶりに本日は1冊書籍を紹介します。先週購入した本ですが、中江滋樹氏と親交のあった雑誌記者が同氏について書いた本です。新潮社から出ています。中江滋樹という名前を知らない方もいるかと思いますが、1954年生まれの相場師です。 小学生で始めた…

中長期投資としての銘柄分析:フィットネス関連のFY20.Q3決算

コロナ禍でフィットネス関連銘柄の四半期決算の推移を注視しているのですが、1月下旬にホリデイスポーツクラブを運営する東祥(8920)が10-12月期の決算を発表しました。同社はスポーツクラブ、ホテル、不動産の事業セグメントになりますが、主力…