中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

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関西電力が「ゼロカーボンビジョン2050」を策定 - 原子力の最大限活用を目指す

最近、保有銘柄の買増し検討の関係でエネルギー関係、海洋鉱物資源関係の情報収集に少し力を入れているところですが、2月26日に関西電力が「ゼロカーボンビジョン2050」を公表しました。

このビジョンで2050年までに二酸化炭素の排出「実質ゼロ」を目指すため火力発電の燃料として燃やしても二酸化炭素を排出しないアンモニアや水素を活用する方針を盛り込んだほか、原子力を主力電源と位置付けるようです。

このビジョンでは3つの柱が掲げられていますが、その中の1つである「サプライサイドのゼロカーボン化」については、次のような記載がされています。

安全確保を前提に、全ての電気をゼロカーボン化し、エネルギー自給率向上による安定供給や経済性を同時に達成できる、電源の最適な組合せの実現を目指します。分散型エネルギーリソースの活用やレジリエンスの強化等、多様化する社会ニーズも踏まえて再エネを最大限導入・主力電源化し、それを可能にする送配電系統の高度化出力安定性に優れエネルギー密度が高い原子力エネルギーの安全最優先を前提とした最大限活用、再エネ大量導入に必要な調整力等に優れた火力のゼロカーボン化に取り組みます。さらに、国際的なゼロカーボン化に貢献します。

ビジョンの中では原子力については、①安全最優先を前提とした稼働率の改善に向けた運用の高度化 ②次世代軽水炉、高温ガス炉や小型モジュール炉(SMR)等を検討に入れた新増設、リプレースの実現などがあげられています。SMRとは小型原子炉で、日立製作所と米GEが開発を進めてきるようですが、実用化にはまだ至っていないようです。

関西電力の社長に対する2月25日の産経新聞のインタビューでも「2050年に向けて原子力発電を主力電源と位置づけ、小型モジュール炉開発等を検討する」といった発言があったようです(ヤフーでの産経新聞ニュースから)。本日の日経平均株価終値は前日から1,202円下げ、28,966円となりました。3万円を超えた段階で利益確定の売りが出ているように思えますが、調整局面も暫く続くかも知れません。週明けに日経平均株価が更に下げたところで、原子力関連銘柄の買増しをしたいなと思っています。

ところで最近は集中して株式投資をしていることもあり、株式投資関係の記事が続きましたが、明日以降は株主総会関係、コーポレートガバナンス関係の話題に変えたいと思います。