コーポレートガバナンス、M&A、企業価値、IRなどに関する実務ニュース

コーポレートガバナンス、M&A、企業価値、IR等の新聞記事について、投資銀行・東証1部事業会社での実務経験を通じて気づいた観点を踏まえて分かりやすく解説していきます

日本製鉄による東京製綱への敵対的TOB ー 明日3月8日はTOB期限。今回のTOBでの日本製鉄の指摘は上場企業各社が留意すべき視点です

日本製鉄が1株当たり1,500円で東京製綱に敵対的TOBを実施しており、直近ではブログで次の記事を書いております。

このTOBですが、期間は1月22日からの30営業日ということで明日3月8日が最終日となっています。TOBでの取得予定株式数は約10%で、取得後の日本製鉄の保有比率は約19%ですので、このTOBは容易に成立するのだと思いますが、明日が期限ということもあり、日本製鉄が1月21日のTOB公表日に開示した資料「東京製綱株式会社に対する公開買付け開始に関するご説明資料」を眺めてみました。この中で、日本製鉄が東京製綱の課題として指摘している事項の中で、一般の事業会社も留意すべきと思われる視点を2つほど紹介します。

まず、日本製鉄は東京製綱の株価水準が低いことを資料の中で指摘しています。具体的な指標は次のとおりで、このいずれも同業他社と比較して低迷していることが問題と日本製鉄は指摘しているわけです。

  • TSR(株式総利回り):1年、3年、5年、10年の4つ
  • PER(株価収益率)
  • PBR(株価純資産倍率)
  • PSR(株価売上倍率)
  • 営業利益率

東京製綱は当期純損失のためPERの算出が適当でない期間もあるため、PSRを指標として日本製鉄はあげているのだとと思います。上記の視点は、いずれもアクティビストが会社を攻撃する際の視点と全く同じです。事業会社は、自社の上記指標が同業他社と比較してどうか、低いのであればその改善をどうすべきかの留意が必要と思います。

また、日本製鉄は、東京製綱の代表取締役の選任理由の問題もあげています。つまり、東京製綱は、代表取締役の選任理由について2017年~2020年の4年間の株主総会の招集通知で次の記載をしています。

当社取締役副社長、取締役社長、取締役会長を歴任し、その間に当社の抜本的な構造改革を断行するなど、当社グループの企業価値の向上に貢献しています。豊富な経験と実績に基づいた、当社の経営管理及び事業運営を公正・的確に遂行する資質と見識を備えており、今後の当社グループの成長戦略を牽引することが期待できることから選任しました

この太字にある「企業価値の向上に貢献している」という理由が、東京製綱の業績に鑑みると問題ということを指摘しています。

この日本製鉄の鋭い指摘(日本製鉄が都内にある中小クラスの法律事務所の弁護士を起用するとはまず考えにくく、四大法律事務所のいずれかがリーガルアドバイスをしているのだと想像しますが)は、多くの事業会社にとっても考えるべき視点です。

社長はじめ取締役の選任理由については、「経営者としての高い知識、業務経験、海外経験があるため取締役に選任した」といったようなことを招集通知に記載している企業がかなり多いのが現状です。過去からの前例踏襲、また役員の選任理由などあまり深く考えるべき事項でもないというのがその理由かと思います。しかし、今回の日本製鉄の指摘を考えると、役員の選任理由には今後気を付ける必要があります。あまりに抽象的な記載、漫然とした記載の選任理由にすると足元をすくわれる材料にもなりかねないと思います。

ところで、結局、東京製綱はTOBに反対と公表しながらも何らの措置も公表しませんでした。日本製鉄の保有株比率が20%以下ということで法的にはたいした意味を持たないことなども1つの理由かと思います。

今後の日本製鉄の動きとしては、東京製綱の会長をクビにしたい訳ですので、東京製綱の今年の6月の定時株主総会で株主提案をする可能性も十分考えられます。いずれにせよ20%未満の株式取得では法的にはたいした意味は持たないので、日本製鉄が他の機関投資家の賛同を得ながら、どういう方策を講じるか引き続き注視したいと思います。ブログでも今後も記事を書いていきたいと思います。

株式投資指標であるPERの読み方

本日は保有銘柄のこの1週間の株価の動き、ニュース等の確認をしていますが、この他に最近購入したものの読めていない本が沢山あるので、少しずつ読み進めています。人の奨めもあり日本史、美術など自分の業務に全く関係のない本も最近購入したのですが、意外に面白いなと感じています。これらの書籍もタイミグを見てブログで紹介したいと思います。

さて、前回の記事でストラテジストの広木隆さんの書籍を紹介したこともあり、個人投資家向けにPERの実務上の読み方について簡単に説明したいと思います。

PER(株価収益率)は株価をEPS(1株当たり純利益)で割ることで算出されますが、EPSを算出するのは面倒なこともありますので、株式時価総額当期純利益で割ることでも一緒です。

株式時価総額600億円の上場会社の純利益が60億円であればPERは10倍です。つまり、この会社を100%買収するとした場合、10年間の純利益で投資額を回収できるということになります。仮にPERが50倍ということは、買収に費やした金額を回収するのに50年かかるということを意味します。つまり、何年分の純利益で投資額を回収できるかという指標です。

このPERを活用する際のポイントはいくつかあります。まず、このPERは何と比較するかですが、その企業の過去のPERとの比較になると思います。同業他社と比較することも良く言われますが、同業で比較する意味が本当にあるのか良く分かりません。それよりもその企業の過去のレベルと比較することで、今時点のPERが割高にあるのかどうか等を見ることが重要なのだと思います。比較する過去の年数は最低でも5年、できれば10年程度が良いと思います。

次に、先ほど株式時価総額当期純利益で割るといいましたが、正式にはそうですが、過去のPERと比較するという観点からは、PERの算式の分母は純利益ではなく、「経常利益×70%」が良いと思います。日本の会計基準の場合、会計年度に特別利益及び特別損失が生じた場合、当期純利益に変動が生じますが、この特別な事情を除いて平常値で算出するには、経常利益がベストということです。純利益に近づけるためなどの理由から法人税等実効税率の30%分を控除すべく経常利益×70%とします。

最後に、分母の経常利益は通期予想の経常利益を使用します。株価は半年~1年先を織り込むと言われていますので、予想の経常利益(×60%)の数値を使用して算出するのが適切です。以上の3つがPERの留意事項になります。

書籍紹介「ストラテジストにさよならを 21世紀の株式投資論」(ゲーテビジネス新書 / 広木隆)

昨日、ブログでクニミネ工業の記事を掲載しましたが、クニミネ工業の昨日の終値は前日比+54円の1,268円でした。日経平均株価は65円安でしたが、やはり四季報でサプライズ銘柄の紹介などがされると、個人投資家は企業の分析などすることなく「買いだ!」といって群がるのでしょうか。

さて、本日は、書籍を1つ紹介いたします。前にもブログで触れましたが、「ストラテジストにさよならを  21世紀の株式投資論」という本です。著者はテレビ東京のモーニングサテライトなどに出ているマネックス証券のストラテジストの広木隆さんです。ユニークなレポートを書かれる比較的有名な方だと思います。この本は2011年に書かれたものなので、約10年前の本になります。

本の内容ですが、ストラテジストの言うことを鵜呑みにせず、自分で社会経済、政治動向などの情報収集をして、銘柄を分析して株式投資をせよというものです。また、株式投資で短期で資産を倍増させるなどはほぼ困難で、株式投資の期待リターンは7%程度なので、10年ほど運用することで少しずつ資産を増やすべきなどといったことが書かれています。分量の少ない本のため1時間かからない程度で読みましたが、さらっと一般的なことが書かれているだけで、株式投資に精通した個人投資家が読む必要性はゼロですが、これから株式投資をはじめようとする方、PER、PBRなどが分からない方が手にするには良い本かと思います。

読んでいて面白かったのは、日経平均の予想をするストラテジストを批判しており、彼らの言うことは当てにするなということが書かれています。日本のストラテジストのほとんどは、大学を出て銀行、証券、生保で働いているサラリーマンに過ぎず、能力的には五十歩百歩で相場の先行きを占う能力などなく、そもそもとして自分で金を出して相場を張っている人間ではないので、この手の予想は話半分に聞くべきということです。昨年の11月の日経新聞でJPモルガン証券、三菱UFJ国際投信、野村証券、ニッセイアセットマネジメントのストラテジストが2021年3月末までの相場見通しを書いていますが、ほぼ全員が2万5000円~2万6000円と言っていますが、大きく外れています。広木さんが言うようにこの方かちは、自分の金で相場を張っていない単なるサラリーマンの株価評論家程度なので、話半分に聞いておけば良いということが良く分かるかと思います。

ということで、内容に深みのある本ではないですが、株式投資の初心者、企業の財務分析をすることなく株価予想屋の意見などに注目して株式投資をしている個人投資家の方向けの本と言えるかと思います。

中長期株式投資の銘柄分析:クニミネ工業(5388)ー四季報サプライズ銘柄

本日(今朝)は株式投資関係で簡単に1つ記事を書きます。昨日、四季報オンラインで3月期決算企業の中から、配当利回りの大きい5銘柄が紹介がされていますが、その中でクニミネ工業(5388)が入っていました。以下は四季報オンラインの記事になります。

【特色】ベントナイト(特殊粘土鉱物)の最大手。自動車、建機、建設が主な納入先。海外市場を開拓中  【最高益】好採算の復興案件が想定上回る伸び。鋳物も自動車生産復調で出直る。一転営業増益に増額。22年3月期は自動車回復本格化でベントナイトが鋳物向け需要活発。高付加価値の農薬堅調。最高純益更新  【脱炭素】21年度からの次期中計3カ年では脱炭素社会に向け地熱発電・掘削井の崩落防止のベントナイトなど拡販。新卒、中途採用増で若手の人材補強、研究部門強化。

クニミネ工業はこれまでもブログの株式投資関係で何度か紹介している銘柄ですが、現在、同社が公表している2020年度の通期予想からQ4(1-3月期)業績を算定するかなり低い数値となり、自動車生産台数はじめマクロ経済環境から考えると4月頃に通期予想の上方修正をする可能性が高いのではと私は考えています。前回のクニミネ工業についての記事は次のとおりです。

クニミネ工業はアナリストのカバレッジがほぼされていない銘柄です。さて、明日から週末ですが、明日はこの1週間の銘柄の動きを分析するとともに、書籍紹介、東証市場区分、今年の株主総会テーマなどについてブログで紹介したいと思います。

東芝の臨時株主総会の投資ファンド提案に議決権行使助言会社のISSが賛成推奨

昨日、書籍をアマゾンで購入しました。マネックス証券のストラテジストの広木隆さんんが10年前に書いた本で「ストラテジストにさよならを  21世紀の株式投資論」というタイトルの本です。広木さんはテレビ東京のモーニングサテライトにも良く出ている方で株式投資をされている方はご存じの方が多いと思います。簡単な内容の本なので昨日30分程度で半分を読みましたが(その意味で内容の薄い本ではありますが)、後日、ブログでも紹介したいと思います。

さて、本日の日経新聞にも掲載されていましたが、3月18日に投資ファンドの要請に基づき開催予定の東芝の臨時株主総会での投資ファンドの株主提案に対して、議決権行使助言会社であるISSが賛成推奨をしたようです。

賛成した株主提案の内容は、昨年の東芝の定時株主総会の議決権行使の適正について調査するため検査役の選任を求める投資ファンドのエフィシモ・キャピタルの提案です。この株主提案に対しては、2月17日に東芝は取締役会の意見として次のURLのとおり公表しています。

https://www.toshiba.co.jp/about/ir/jp/news/20210217_1.pdf

つまり、東芝は、この提案に対しては「株主総会は適正であったので反対する」と主張していたわけですが、ISSはそうは判断しなかったということです。ISSの判断理由の詳細は英文で作成されるのですが、一般に公表されるものではないので、そのように判断した理由の詳細は不明ですが、東芝としては、このISSの賛成推奨に誤りがあると考える場合には反論を公表する可能性も一応あります。

海外の機関投資家は、日本株に対する投資についてはISSの賛否推奨をかなり重視しますので、株主提案に賛成すると思いますが、国内の機関投資家はどのような判断をするのでしょうか。各社とも議決権行使基準がありホームページで公表していますが、株主提案に対して具体的な行使基準を設けている会社で私がすぐに思いつくところでは、野村アセットマネジメントぐらいです。それ以外の多くの機関投資家は、株主提案については個別判断するといった抽象的な基準を設定しているところが多いです。従い、ISSの賛成推奨を受けてどう判断するかはなんとも言えないところですが、普通に考えると昨年の東芝の議決権行使の集計は大きな問題となったわけですから、検査役を選任して調査させろというエフィシモの株主提案は全うな内容であり、これに賛同する国内機関投資家も多いのではないでしょうか。

東芝の臨時株主総会の動向が面白くなってきましたので、臨時株主総会まで動きを注視したいと思います。まずは2月17日に東芝が公表した上記URLの意見書をきちんと読みたいと思います。

日邦産業(9913)に対するフリージア・マクロスによるTOB ー 株式会社バルカーとの業務提携を公表。この狙いは?

本日はテレワークで、東証が上場企業各社向けに開催中の上場区分見直しに関するプライム市場の選択の東証説明会をオンラインで視聴しました。オンラインでお互いに顔が見えないこともあり、匿名での質問が最後に沢山あり、時価総額の小さい小型銘柄企業と想像する企業担当者からプライム市場の条件の細かい質問が相次ぎ、小型銘柄企業のプライム市場に残れるか否かへの関心の高さがうかがえました。基本的には、今の東証1部上場企業は、時価総額が数十億円程度の企業であってもプライム市場に残れるのですが、担当者は、プライムから外れないよう情報収集にとても必死なんだなと思った次第です。プライム市場の条件などについては、次々回あたりにブログでポイントを簡潔に書きたいと思います。

さて、本題ですが、本日、日邦産業の独立委員会がフリージアに2月25 日に質問の書簡を送付していることの途中経過の報告を公表するともに、株式会社バルカーとの業務提携を公表しました。業務提携の内容は、①高周波関連市場(通信、自動車、電機・電子、医療及び半導体市場)の開拓に資する材料その他の新製品開発 ②バルカー社が開発した水素ガスシール材の日邦産業による顧客への販売の業務提携で、今後、詳細は決めるという抽象的な内容ですが、面白いのはプレスの最後にある「今後の見通し」の箇所です。

5. 今後の見通し
本件による 2021年3月期の連結業績予想に与える影響はございませんが、バルカー社における「New Frontier2022」、当社における「中期経営計画 2022」に掲げた基本方針の実現と各経営目標数値の達成に向けて、両社で協力して臨んでまいる所存でございます。なお、本基本合意書には、解除事由の 1 つとして、契約の相手方において会社の経営に係る支配権の異動を伴う株主構成の変動(議決権保有割合 20%以上を保有する株主の異動を含むがこれに限られない。)を生じたときが規定されており、当事者のいずれかに当該事由が生じた場合には、本基本合意書は解除される可能性があります。今後、適時開示の必要性が生じた場合には、速やかに開示いたします。

太字は私が強調した箇所ですが、この趣旨としては、「株主の皆さん、この提携は企業価値を高めるものです。しかしながら、フリージアTOBが成功するとこの提携は解消される可能性があります。従って株主の皆さん、TOBに応じないでください」ということをアピールしているのだと想像できます。

TOB価格は1株930円で、TOB後の取得割合は27.57%(現在フリージアは19.73%保有)ですので、日邦産業の株主構成の詳細は良く分かりませんが、TOBはおそらく成立するのだとは思いますが、日邦産業機関投資家TOBに応じないかも知れません。日邦産業の外国人株主比率は、四季報オンラインですと13.4%とありますが、議決権行使助言会社はこのTOBに対して賛否推奨のいずれの判断をするのでしょうか。

フリージアに喧嘩を売っている内容のプレスリリースですが、フリージアは何か方策をを講じるのでしょうか。ところでバルカーのホームページを見ても日邦産業との業務提携の公表が見当たらないのですが、日邦産業とバルカーとの間の意思疎通に何か問題があるのか、それともバルカーには自社の株主へのアピールにはならないプレスリリースと考えて公表しないという方針なのかも知れません。

買収防衛策の非継続の早期公表という手段もあります ー 資本市場へのアピールのため

本日の日経平均株価終値は前週末比+697円の2万9663円でした。日経平均株価が3万円を超えた頃から「現在の株価はバブルではないのか?」という意見が聞こえてきますが、全くバブルではないと思います。日経平均もまだまだ大きく上昇が続くように想像しています。次回以降のどこかのタイミングでPERについて書きたいと思いますが、バブルの頃のPERは約50倍(1989年12月末の日経新聞では「61倍」と記載)で、今時点はまだ20倍台です。日経平均の上昇は企業業績の裏付けがあるところ、コロナ禍収束を見越して企業が本決算、Q1、Q2で業績上方修正をするであろうことを考えると、これに伴い株価も大きく上げるのではないでしょうか。ということで、今の相場は買いと思います。

さて、昨日、買収防衛策について記事を書きましたが、これに関連する記事を本日は書きます。昨年の12月4日にフジテック(6406)が買収防衛策の非継続を公表しました。フジテックは2019年6月の定時株主総会で買収防衛策を継続更新しており、次回の更新期限が3年後の2022年6月ですが、2020年12月時点で次回更新期限の到来をもって更新しないことを公表しています。つまりだいぶ早い段階で次回は非継続であることを公表しているということです。非常にめずらしいケースです。

現時点で廃止せずに次回までは継続することについては、プレスリリースに次のような記載があります。

本対応方針は2019年6月開催の定時株主総会にて3年間の継続をご承認いただいたものであることに加え、世界的にコロナ禍収束の目処が依然として未定なことによる経済への影響など、昨今の経済環境の不透明な中においては、混乱に乗じた敵対的買収による株主利益の毀損リスクに備える必要があると考えております。以上を鑑みて、本対応方針については、今年度または来年度ではなく、有効期間が満了する2022年6月開催の定時株主総会終結の時をもって継続しないことが、当社の企業価値・株主共同の利益に資するものと判断し、上記の決議をいたしました。

なるほどと思う文面です。昨年、一昨年と買収防衛策を継続更新したが、次回は難しいと判断する企業はこのような取り組みも1つの考え方としてあるかも知れません。もっとも、買収防衛策を有することのデメリットは、取締役選任議案への反対の可能性(買収防衛策を有することで選任議案に反対する機関投資家も一部存在)、ESGスコアの「G」の評価点が下がるということがありますが、総じて大きなデメリットではありません。従い、自発的にこのような公表をする必要性は高くないと私は思いますが、買収防衛策に対する機関投資家の批判は益々強まる傾向にありますので、次回の更新は確実に難しく、市場にガバナンスのアピールをしたい企業はフジテックのような開示を参考にするとよいかも知れません。

ちなみにフジテックは自発的に積極的にこのような公表をしたとは考えられず、恐らく機関投資家との何らかのやとりがあったか、将来、株主提案があった場合に会社提案への賛同を確保するため買収防衛策の非継続を早期に公表したような気がします。

買収防衛策導入企業数がピークから半減 ー 「投資家との対話重視=買収防衛策は不要」というのは間違っています

本日からは本年の定時株主総会に関連した記事を少しずつ書いていきます。2月22日の日経新聞の夕刊に「買収防衛策導入 ピークから半減」というタイトルの記事がありました。

買収防衛策は、ブログでも何度も記事にしていますが、日経新聞の記事によれば、2020年12月末時点での導入企業数は281社で2019年末から44社減と直近で最も減少した2019年の16%減に次ぐ水準であったということです。

減少の一途を辿っていることはブログでも何度も取り上げており、特に目新しいことではないのですが、新聞記事では上場企業の多くは投資家との対話を重視する姿勢に転換したことを廃止増加の理由としてあげています。企業は機関投資家との対話をするケースが増えており、大量買付者が出現しても投資家は合理的に判断できるので廃止が増えているということを記事は言っているのだと想像します。たしかに、機関投資家と対話をするとそう考える機関投資家もいます。しかし、これは企業サイドの現状を知らない発言・記事であると言えます。

企業は機関投資家の全てと対話が出来ているわけではなく、また、海外の機関投資家との対話となると不十分な企業もかなり多いのが現実です。そのような中、市場内外で株式の大量買付行為が開始された場合、企業が機関投資家の全てと短期間において対話の機会を持つことは不可能で、そうこうしているうちに株式の買占めがなされてしまいます。そういうリスクがあるが故、大量買付者が出現した際に投資家に十分な情報と検討の時間を与えるためにあるのが買収防衛策なのです。恐らく、買収防衛策の実務など分からない記者が書いた記事なのでしょうが、お粗末な内容の記事です。

なお、企業統治指針であるコーポレートガバナンス・コードでは、買収防衛策については次のとおり規定しています。

【原則1-5.いわゆる買収防衛策】
買収防衛の効果をもたらすことを企図してとられる方策は、経営陣・取締役会の保身を目的とするものであってはならない。その導入・運用については、取締役会・監査役は、株主に対する受託者責任を全うする観点から、その必要性・合理性をしっかりと検討し、適正な手続を確保するとともに、株主に十分な説明を行うべきである。

コードでは「廃止せよ」とは規定されておらず、「株主に十分な説明を行うべき」と規定されています。春に改訂されるコードでは、この原則1-5はどうなるのでしょうか。特に改訂の論点にはなっていないかとは思いますが、この原則が改訂されることを見越して日経新聞は記事に取り上げたのでしょうか。

関西電力が「ゼロカーボンビジョン2050」を策定 - 原子力の最大限活用を目指す

最近、保有銘柄の買増し検討の関係でエネルギー関係、海洋鉱物資源関係の情報収集に少し力を入れているところですが、2月26日に関西電力が「ゼロカーボンビジョン2050」を公表しました。

このビジョンで2050年までに二酸化炭素の排出「実質ゼロ」を目指すため火力発電の燃料として燃やしても二酸化炭素を排出しないアンモニアや水素を活用する方針を盛り込んだほか、原子力を主力電源と位置付けるようです。

このビジョンでは3つの柱が掲げられていますが、その中の1つである「サプライサイドのゼロカーボン化」については、次のような記載がされています。

安全確保を前提に、全ての電気をゼロカーボン化し、エネルギー自給率向上による安定供給や経済性を同時に達成できる、電源の最適な組合せの実現を目指します。分散型エネルギーリソースの活用やレジリエンスの強化等、多様化する社会ニーズも踏まえて再エネを最大限導入・主力電源化し、それを可能にする送配電系統の高度化出力安定性に優れエネルギー密度が高い原子力エネルギーの安全最優先を前提とした最大限活用、再エネ大量導入に必要な調整力等に優れた火力のゼロカーボン化に取り組みます。さらに、国際的なゼロカーボン化に貢献します。

ビジョンの中では原子力については、①安全最優先を前提とした稼働率の改善に向けた運用の高度化 ②次世代軽水炉、高温ガス炉や小型モジュール炉(SMR)等を検討に入れた新増設、リプレースの実現などがあげられています。SMRとは小型原子炉で、日立製作所と米GEが開発を進めてきるようですが、実用化にはまだ至っていないようです。

関西電力の社長に対する2月25日の産経新聞のインタビューでも「2050年に向けて原子力発電を主力電源と位置づけ、小型モジュール炉開発等を検討する」といった発言があったようです(ヤフーでの産経新聞ニュースから)。本日の日経平均株価終値は前日から1,202円下げ、28,966円となりました。3万円を超えた段階で利益確定の売りが出ているように思えますが、調整局面も暫く続くかも知れません。週明けに日経平均株価が更に下げたところで、原子力関連銘柄の買増しをしたいなと思っています。

ところで最近は集中して株式投資をしていることもあり、株式投資関係の記事が続きましたが、明日以降は株主総会関係、コーポレートガバナンス関係の話題に変えたいと思います。

日邦産業(9913)に対するフリージア・マクロスによるTOB - 日邦産業の独立委員会が追加質問

前回、下記記事にてフリージアからの回答を日邦産業が受領した旨を紹介しました。

昨日、日邦産業の独立委員会が追加質問をフリージアに行った旨を日邦産業は公表しました。東証開示文は次のURLになります。

20210225-1.pdf (nip.co.jp)

追加質問の詳細が読めていないので一連の経緯を後で整理したいと思っています。

日邦産業は、「公開買付者が 2021 年1月28 日に提出した公開買付届出書及び本対質問回答報告書の内容その他の関連情報と併せて慎重に評価・検討を行った上で、本公開買付けに対する当社の賛否の意見を最終決定の上、表明する予定」ということです。フリージアによるTOB期間はたしか3月12日までとなっています。

総合資源エネルギー調査会の分科会が開催 - 「エネルギー基本計画に対する経団連の考え方」

本日の日経新聞で「脱炭素へ原発『国が前面に』」という見出しの記事がありました。総合資源エネルギー調査会の分科会が2月24日に開催され、そこで経団連はじめ関係団体に対して原発や再生エネルギーに関する考えのヒアリングが行われたようです。

この分科会というのは、新聞では具体的な名称の記載がありませんでしたが、総合資源エネルギー調査会基本政策分科会の第37回会合になりますが、ここで経団連が「エネルギー基本計画に対する経団連の考え方」を公表しています。資料は次のとりです。

https://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_policy_subcommittee/037/037_005.pdf

この資料の中で「2030年目標に対する考え方(各電源に対する考え方を含む)」として原子力の考え方が記載されています。一部抜粋すると次のとおりです。

原子力は、3Eのバランスに優れたエネルギー源。将来にわたり人類が必要なエネルギーを確保しカーボンニュートラルを実現するために不可欠な技術足元、地元の理解を得た上で、安全性が確認された既設発電所の着実かつ迅速な再稼働や設備利用率の向上を着実に進め、引き続き、重要なベースロード電源として活用する必要
・ さらに、2050年段階で然るべき水準を維持することを見据えれば、バックエンドの環境整備、安全性を前提とする運転期間に関する見直し・検討はもとより、前述の通り、政策方針へのリプレース・新増設盛り込みが求められる
・ メーカー等関係事業者の技術・人材を維持する観点から、対応は待ったなしの状況。今回のエネルギー基本計画が「ラストチャンス」になることを十分に認識し、政府として原子力に関する方針を明確化すべき

経団連は2050年カーボンニュートラルには原子力の活用が必要という考えのようですね。当然の主張の印象を受けます。風力発電では技術的課題がかなりあり、CO2削減には原子力の活用が不可欠なのでしょう。なお、エネルギーのことなどほとんど分かっていないであろう全国消費者団体連合会は「原子力=反対」の主張のようです。こういう素人集団の意見をヒアリングする意味がどこまであるのかなと疑問を感じるところではありますが、消費者である一般国民の意思を代表する機関ですので、形式的にせよヒアリングをせざるを得ないのでしょう。

原子力のメリットについては、関西電力のホームページに詳しく書かれておりますがいくつかあげます。1つ目は、燃料の安定的供給です。ウランは石油に比べて政情の安定した国に埋蔵されていると言われています。2つ目にCO2を排出しないということです。つまり発電の過程においてCO2を排出しません。3つ目に、年間を通じてフル出力で運転が可能ということです。日本の海では強い風が吹かないという課題があり、無風時には発電できないという欠点が風力発電にはあります。

素人ながらに最近色々と情報を収集した限りでは、やはり原子力の今以上の活用がどうもカーボンニュートラルには必須になるようですね。そして、原子力の活用となると放射性廃棄物の処理が伴います。従い、原子力の処理関連銘柄は長期での保有に期待できるということになるかと思います。

サンケン電気(6707)がTOBに対して中立意見を公表

アクティビストのエフィシモ・キャピタルがサンケン電気(6707)にTOBを実施していることについて、2月9日に次のとおり記事を書きました。

エフィシモは10%のサンケン電気株を有しているところ、プラス20%の取得を目指してTOBを実施していますが、本日、サンケン電気はこのTOBに対して、中立の意見を公表しました。

その理由として、「当社として賛同することは適切でないと考えているものの、反対することが当社従業員や取引先等のステークホルダーに与える影響と公開買付者グループによる経営への影響の急迫性の程度を比較衡量し総合的に検討した結果、本公開買付けに対して中立の立場をとること、及び、本公開買付けの公表後の当社株式の市場株価が本公開買付けの買付け等の価格を上回って推移していること」を理由にあげています。

エフィシモは2月8日に1株5,205円でのTOBを公表しましたが、その後、サンケン電気の株価は上昇し、本日の終値は5,550円とTOB価格を大きく上回っています。従い、このTOBに応じるものはいないであろうということで中立の意見表明となっているということです。野村證券が2月19日にサンケン電気株の大量保有報告書を提出しており、それまで保有株数はゼロでしたが、7.20%を保有するに至っています。取得株数は1,806,357株です。プレスリリースでは中立とした理由がいくつかあげられていますが、その中の1つに次のような記載があります。

第三に、当社は、上記各理由から本公開買付けに対して反対の意見を表明することも検討しましたが、それと同時に、本公開買付け後も大株主にとどまる公開買付者グループとの関係が非友好的になることによって、本業以外の理由で社会の注目を集め、当社の従業員のモチベーションが低下したり取引先との契約交渉等において当社の経営リスクが問題視され契約条件の変更を求められるおそれ等、反対することが当社のステークホルダーに与える影響も十分に考慮すべきであると考えるに至りました。他方で、後記のとおり、当社はエフィッシモに対して純投資目的に沿った活動を行うことに関する確約を要請し、エフィッシモが一定程度協議に応じる姿勢を示していることを踏まえ、公開買付者グループによる経営への影響の急迫性の程度も勘案し総合的に検討した結果、本公開買付けに反対の意見を表明することにより、いたずらに当社のステークホルダーの不安をあおるのは、当社の円滑な事業運営ひいては企業価値の向上及び株主共同の利益の確保の観点からみて避けるべきであり、本公開買付けに対して中立の立場をとるべきであると判断いたしました。

従業員等ステークホルダーに影響を考えると反対はできなかったということが書かれていますが、要するに市場株価が上がっているから反対までしなくても、TOBに応じるものはいないであろうということなのだと思います。TOB期間は、2月9日から3月24日までの30営業日ですが、素朴な疑問としてサンケン電気の株価がこの間にTOB価格を大きく下回ったらどうなるのでしょうか。その場合にはTOB価格の方が高いから賛成意見となるのでしょうか。

株式投資テーマとしての海洋鉱物資源 - 本年2月末に新・国際資源戦略策定に向けた提言のとりまとめが公表予定

2月27日号の週刊ダイヤモンドの特集は「株・不動産・節税で資産1億円」です。個人投資家で100万円の投資から初めて、数億円の資産を築いた方のコメントで「投資銘柄は数銘柄にすべき」ということが書かれていました。これは至極もっともなことで、個人株主で1銘柄当たり100株~300株程度で20銘柄、30銘柄と保有している方もよくいますが、こんな少ない投資単位ですと銘柄の株価が大きく上昇してもたいした儲けになりません。そのため、投資資金にも限りがある中での投資となると、銘柄を5銘柄~10程度に限定して、最低でも1銘柄当たり数百万円の投資が必要になると私は考えます。勿論、株価が下がった時のリスクも大きくなりますが、それは銘柄選定にあたって、過去10年分の財務分析・株式指標分析(投資候補の同業も同様に分析します。PLは四半期レベルでの分析)、市場の将来性分析などの緻密な分析をして、選定の段階でリスクを低減すべきということになるのだと思います。

さて、本日は、最近情報収集を開始した鉱物資産政策について書きたいと思います。数日前にも次のとおり記事を書きました。

経産省の資源・燃料分化会の中の鉱業小委員会が2月15日に開催され、「2050年カーボンニュートラル社会実現に向けた鉱物資源政策」についての議論がされました。今後の大きな流れとしては、資源・燃料分科会において新・国際資源戦略の策定に向けた提言案について議論が実施されてきましたが、本年2月末に新・国際資源戦略策定に向けた提言をとりまとめ、この提言を受け、経産省として3月に新国際資源戦略を発表する予定となっています。

鉱業小委員会では、脱炭素化には、電化に伴う蓄電池やモーターが不可欠であるが、その製造に不可欠なレアメタル等の鉱物資源の必要性はますます高まる見通との指摘されています。私は知りませんでしたが、風力発発電においても「10GWの洋上風力発電機を製造するためには、銅は現在の国内需要の約10%分、レアアースは約20%分程度の資源量が必要」と記載されています。従い、日本が今後、脱炭素化を進める上ではレアアース等の鉱物資産の安定的な確保が課題であり、このサプライチェーンをどうすべきかが議論されているようです。

その中で、鉱物資源の安定供給確保に向けた検討として、「海洋鉱物資源開発に向けた取組」として資料には次のように記載されていいます。

我が国の領海・排他的経済水域EEZ)の広さは世界第6位を誇り、その海底には、海底熱水鉱床コバルトリッチクラストマンガン団塊レアアース泥等の海洋鉱物資源の存在が確認されている。 経済産業省は、「海洋基本計画」に基づき、資源量の把握、生産技術の開発等を推進。
 カーボンニュートラル社会の実現に向けて、鉱物資源の安定供給を強化する上では、国産の海洋鉱物資源開発に向けた取組も進めていくことが必要

また、レアアースの中にコバルトリッチクラフトというものがありますが、これはリチウムイオン電池製造のために不可欠は鉱物資源ですが、これについては次のような記載があります。

コバルトリッチクラスト掘削性能試験】
 令和2年7月、JOGMECは、南鳥島海域において、コバルトリッチクラストの掘削性能試験を実施し、コバルト・ニッケル等のレアメタルを含む鉱石片を試験的に掘削・回収することに成功。 本試験によって取得したドラムカッター性能や鉱石片の回収効率等のデータを元に、今後、掘削機の改良に向けた検討に着手する

鉱物資産の開発は長期的での取り組みが求められるのですが、脱炭素化を進める上でレアアース等の鉱物資産の自給率化を高めるというのは日本の課題ですが、今後は、これに向けて取り組みが急速に進むのだと思います。ということで、海洋鉱物資源の掘削等は今後の投資テーマとして有望と考えます。もっとも、海洋資源の掘削技術には解決すべき技術的ハードルもあるようですので、今後の行方は何とも言えないところですので、今後の政府の動きの情報収集は怠らないようにすることが重要です。

東京応化工業(4186)が買収防衛策の非継続を公表

事前警告型の買収防衛策の導入企業数が減る中にあって、株式時価総額の比較的大きい企業の廃止動向をウォッチしているのですが、本日、半導体製造工程で使用されるフォトレジストで世界首位級の東京応化工業(4186)が買収防衛策の非継続を公表しました。東京応化工業の株式時価総額は本日時点で約3,000億円です。本日公表のプレスリリースの一部を以下抜粋します。

 こうした状況の下、本対応方針の有効期間満了を迎えるにあたり、国内外の機関投資家をはじめとする株主の皆様のご意見、買収防衛策に関する近時の動向、当社を取り巻く経営環境の変化等を踏まえ、慎重に検討を重ねた結果、当社は、本日開催の取締役会において、本対応方針を継続しないことを決議いたしました。なお、当社は、本対応方針の有効期間満了後も引き続き当社の株主共同の利益および企業価値の確保・向上に取り組むとともに、当社株式等の大規模買付行為を行いまたは行おうとする者に対しては、株主の皆様が当該買付行為の是非を適切に判断するために必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて当社取締役会の意見等を開示し、株主の皆様が検討するために必要な時間および情報の確保に努めるなど、金融商品取引法会社法その他関連法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。 

 太字は私がハイライトしましたが、例によって非継続とする企業が必ず入れている文言です。ブログでも何度か解説していますので、ここでは触れませんが、各社意味が分かって記載しているのか少し疑問の残るところではあります。「右へ倣え」で記載している企業も多いような気もしますが、東京応化工業は非継続とするに当たって、「ステルス型の買収防衛策」を社内できちんと整備しているのでしょうか。

同社の2020年6月30日時点の株主構成は、金融機関38.13%、外国法人24.39%となっています。取締役総数は9名で、うち独立社外取締役は3名となっているので社外取比率は33%ですね。外国法人のほとんどは反対すること、国内機関投家の多くが買収防衛策の賛成の前提条件として、社外取締役過半数としていることに鑑みると東京応化工業の定時株主総会過半数の賛成を得るのは難しいかと想像します。これが非継続の理由です。

今年の3月30日開催予定の定時株主総会社外取締役過半数とする取締役選任議案を上程すれば、買収防衛策の継続議案を上程しても過半数の賛成が得られる可能性も高いと思いますが、そこまでして継続する必要はないという経営判断をされたのだと想像します。

脱炭素と海洋エネルギー・鉱物資源関係の基礎的な情報整理

本日はある銘柄の株式投資の分析関係で、新聞記事及び経済産業省の資料を中心に海洋資源開発に関する情報収集、整理をしました。

2月16日の日経新聞で「国内資源 開発前倒し」との記事がありました。2月15日に経産省の会議で国内の資源開発の時期を前倒しするということで、メタンハイドレードについて、2027年度までに民間企業が主導する商業化に向けたプロジェクトの開始を目指すことになったようです。経産省総合資源エネルギー調査会というのがあり、その中の資源・燃料分科会の下に石油・天然ガス小委員会、鉱業小委員会があり、この小委員会の会議で議論されたようです。

メタンハイドレードは、次世代のエネルギー資源とされており、天然ガスの主成分でエネルギー資源である「メタンガス」が水分子と結びつくことでできた、氷状の物質です。火を近づけると燃えるため、「燃える氷」とも呼ばれています。石油や石炭に比べ燃焼時のCO2排出量がおよそ半分といわれています。2019年2月15日に経産省が「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画」を改定していますが、その中でメタンハイドレードについて次のように記載されています。

メタンハイドレートとは、低温高圧の条件下で、水分子にメタン分子(天然ガス)が取り込まれ、氷状になっている物質である。メタンハイドレートは、よく「燃える氷」と称されているが、温度を上げる、ないしは圧力を下げるなどの変化を与えると、水分子と気体のメタン分子に分離する。分離されたメタン分子は天然ガスの主成分と同じものであり、メタンハイドレートは、近年北米で生産が拡大しているシェールガスと様に非在来型資源として位置付けられる。また、メタンハイドレートは、世界でも、水深の深い海底面下や極地の凍土地帯の地層に広く分布している。我が国周辺海域に賦存するメタンハイドレートは、主に 2 つの賦存形態が確認され
ている。砂層型メタンハイドレートは、水深 500メートル 以深の海底面下数百メートル の砂質層内に砂と混じり合った状態で存在し、主に東部南海トラフ海域を中心に賦存が確認されている。表層型メタンハイドレートは、水深 500メートル以深の海底面及び比較的浅い深度の泥層内に塊状で存在し、主に日本海側を中心に賦存が確認されている。これらメタンハイドレートは、我が国周辺海域に相当量の賦存が期待されており、我が国のエネルギー安定供給に資する重要なエネルギー資源として、商業化に向けた技術開発に取り組んでいる。

政府は、本年2月末に新国際資源戦略を提言し、3月に新国際資源戦略を公表する予定です。 陸域のエネルギー・鉱物資源に乏しい日本は需要量のほぼ全てを海外からの輸入に頼っており、資源国の政策情勢変化等を背景とした供給不安に直面するリスクを抱えており、エネルギー・鉱物資源の安定供給確保は、我が国が抱える大きな課題となっています。

レアアースは、日本の排他的経済水域にある南鳥島周辺の海底に大量のレアアース泥があると言われておりレアアース泥開発コンソーシアムが2014年11月に設立されており、現状、39の企業・機関(鹿島建設、IHI、三井住友建設など)が参画しています。私の場合は、レアアース、メタルハイドレードの海底資源でのボーリング掘削関連での株式投資で情報収集をしています。簡単にいうと、「海底資源開発=ボーリング掘削が必要」ですので、これに関連する銘柄に期待が出来るということです。

脱炭素化の再生可能エネルギーで洋上風力発電についても本日調べましたが、日本の場合、遠浅の海が乏しいため、浮体式に期待するところが大きいですが、欧州の風力発電のほとんどが着床式で、浮体式は技術的に確立されていないようですね。となると再生可能エネルギーで2050年に洋上風力発電が主力になるというのも不確実がかなり高い気がします。とすると、CO2を排出しない原子力に頼るところが大きくなるような気もします。原子力関連の周辺銘柄も今後期待が出来るのではないでしょうか。

ここしばらく脱炭素化で株式投資の方針をどうすべきか迷っていましたが、整理すべき情報がある程度明確になりましたので、今後は動きをウォッチしていく予定です。