中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

最近のコーポレートガバナンスと資本市場の動向を踏まえ、上場企業実務の視点から中長期での企業価値向上に役立つ情報分析・発信をしていきます。個人投資家のコーポレートガバナンス力の向上による「意思のある投資」に役立つ情報発信もしています。また長期での割安株投資の情報も

脱炭素と海洋エネルギー・鉱物資源関係の基礎的な情報整理

本日はある銘柄の株式投資の分析関係で、新聞記事及び経済産業省の資料を中心に海洋資源開発に関する情報収集、整理をしました。

2月16日の日経新聞で「国内資源 開発前倒し」との記事がありました。2月15日に経産省の会議で国内の資源開発の時期を前倒しするということで、メタンハイドレードについて、2027年度までに民間企業が主導する商業化に向けたプロジェクトの開始を目指すことになったようです。経産省総合資源エネルギー調査会というのがあり、その中の資源・燃料分科会の下に石油・天然ガス小委員会、鉱業小委員会があり、この小委員会の会議で議論されたようです。

メタンハイドレードは、次世代のエネルギー資源とされており、天然ガスの主成分でエネルギー資源である「メタンガス」が水分子と結びつくことでできた、氷状の物質です。火を近づけると燃えるため、「燃える氷」とも呼ばれています。石油や石炭に比べ燃焼時のCO2排出量がおよそ半分といわれています。2019年2月15日に経産省が「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画」を改定していますが、その中でメタンハイドレードについて次のように記載されています。

メタンハイドレートとは、低温高圧の条件下で、水分子にメタン分子(天然ガス)が取り込まれ、氷状になっている物質である。メタンハイドレートは、よく「燃える氷」と称されているが、温度を上げる、ないしは圧力を下げるなどの変化を与えると、水分子と気体のメタン分子に分離する。分離されたメタン分子は天然ガスの主成分と同じものであり、メタンハイドレートは、近年北米で生産が拡大しているシェールガスと様に非在来型資源として位置付けられる。また、メタンハイドレートは、世界でも、水深の深い海底面下や極地の凍土地帯の地層に広く分布している。我が国周辺海域に賦存するメタンハイドレートは、主に 2 つの賦存形態が確認され
ている。砂層型メタンハイドレートは、水深 500メートル 以深の海底面下数百メートル の砂質層内に砂と混じり合った状態で存在し、主に東部南海トラフ海域を中心に賦存が確認されている。表層型メタンハイドレートは、水深 500メートル以深の海底面及び比較的浅い深度の泥層内に塊状で存在し、主に日本海側を中心に賦存が確認されている。これらメタンハイドレートは、我が国周辺海域に相当量の賦存が期待されており、我が国のエネルギー安定供給に資する重要なエネルギー資源として、商業化に向けた技術開発に取り組んでいる。

政府は、本年2月末に新国際資源戦略を提言し、3月に新国際資源戦略を公表する予定です。 陸域のエネルギー・鉱物資源に乏しい日本は需要量のほぼ全てを海外からの輸入に頼っており、資源国の政策情勢変化等を背景とした供給不安に直面するリスクを抱えており、エネルギー・鉱物資源の安定供給確保は、我が国が抱える大きな課題となっています。

レアアースは、日本の排他的経済水域にある南鳥島周辺の海底に大量のレアアース泥があると言われておりレアアース泥開発コンソーシアムが2014年11月に設立されており、現状、39の企業・機関(鹿島建設、IHI、三井住友建設など)が参画しています。私の場合は、レアアース、メタルハイドレードの海底資源でのボーリング掘削関連での株式投資で情報収集をしています。簡単にいうと、「海底資源開発=ボーリング掘削が必要」ですので、これに関連する銘柄に期待が出来るということです。

脱炭素化の再生可能エネルギーで洋上風力発電についても本日調べましたが、日本の場合、遠浅の海が乏しいため、浮体式に期待するところが大きいですが、欧州の風力発電のほとんどが着床式で、浮体式は技術的に確立されていないようですね。となると再生可能エネルギーで2050年に洋上風力発電が主力になるというのも不確実がかなり高い気がします。とすると、CO2を排出しない原子力に頼るところが大きくなるような気もします。原子力関連の周辺銘柄も今後期待が出来るのではないでしょうか。

ここしばらく脱炭素化で株式投資の方針をどうすべきか迷っていましたが、整理すべき情報がある程度明確になりましたので、今後は動きをウォッチしていく予定です。