コーポレートガバナンス、株式投資、企業価値、IRなどに関する投資家目線での実務ニュース ー 強い意志のある投資を目指して

コーポレートガバナンス、中長期での株式投資、企業分析、企業価値評価、IR等について、新聞記事を中心に投資銀行・東証1部事業会社での実務経験を通じて気づいた観点を踏まえて分かりやすく解説していきます

中長期投資としての銘柄分析:住宅着工件数の今後の見通し - ノザワ(5237)の今後の成長において積水ハウスの動向が肝

本日は株式投資関連の記事を書きます。私の保有銘柄に小型銘柄でノザワ(5237)があります。

この会社はビル外壁に使用される押出成形セメント板のメーカーで、同社の過去7年程度の財務を分析するとPERは10倍を下回っており、またキャッシュリッチであることから、割安銘柄として数年前に購入しました。同社の課題は、売上高の20%が積水ハウス向け、16%が伊藤忠建材向けとなっており、この大口顧客2社の影響を強く受ける事業環境にある点です。伊藤忠建材は非上場企業なので業績は不明ですので、積水ハウスの業績動向や中長期の見通しは定期的にウォッチしていますが、住宅メーカーの動向でやはり気になるのは今後の住宅着工件数です。

日本では少子化により住宅着工件数は減ると言われています。このような中、「攻めのIR」とかいう動画で、積水ハウスのIR部門のたしか部長クラスの方の話を見たのですが、この方が言うには「日本では高品質の住宅はまだまだ少ない」「大規模災害に対応できる住宅の開発が必要」「海外では日本のような品質の高い住宅がまだまだ少ない」ということです。要するに今後の成長の余地は十分にあるということを言っていました。積水ハウスの事業セグメントは、大きく請負型、ストック型、開発型、国際事業に分かれます。国際事業では、地域別売上高はオーストラリア、中国、米国、シンガポール、イギリスとなっており、中でも米国の売上高が大きいです。

一方で、野村総合研究所が本年6月9日に2020年~2040年度の住宅着工戸数を予測したレポートを公表しています。この資料の表現を抜粋すると次のとおりです。 

  • 新設住宅着工戸数は、2019年度の88万戸から2030年度には63万戸、2040年度には41万戸と減少していく見込み
  • 利用関係別に見ると2030年度には持家21万戸、分譲住宅16万戸、貸家(給与住宅を含む)26万戸となる見込み
  • コロナウイルスの影響により2020年度、2021年度の新設住宅着工数はそれぞれ73万戸、74万戸と推計され、いずれもリーマンショック時の水準(78万戸)を下回る見込み
  • 新設住宅着工戸数に与える新型コロナウイルスの影響は2020年度の第3四半期にピークを迎える。その後の新設住宅着工戸数は、経済の回復とともに非常に緩やかに回復する見込み

失礼ながら所詮はシンクタンクのレポートであり、しかもレポートは長期展望であればあるほど書いた本人は何ら責任を負わないので、このレポートを鵜呑みにすることは出来ないのですが、1つの参考にはなるかと思います。

積水ハウスは高品質の住宅がまだまだ少ないと言っていますが、高品質の住宅をどこまでユーザーが求めるかという問題もあります。国内の需要は今後あまり期待が出来ず、国際事業でどこまで積水ハウスは収益を上げられるかが肝になってくるように思います。となるとノザワの今後の収益も積水ハウスの海外住宅において、どこまでノザワ製品のニーズがあるかが鍵になります。ノザワが将来、オンライン株主総会を開催する時には、株主として色々と質問をしたいと思っています。

さて、話は変わりますが、昨日の日経新聞の1面でコーポレートガバナンス・コードの記事が出ていました。金融庁のフォローアップ会議で議論されており、金融庁は会議前に資料を公表するのですが、本日時点では公表されていません。明日のフォローアップ会議前には金融庁のHPで資料が公表されるので、明日以降にブログで紹介したいと思います。前回のフォローアップ会議の内容は前にブログでも紹介していますので、ご参考までに。