昨年末に東証が市場区分の見直しを公表しました。日経新聞でも大きく掲載されていたのでご存じの方も多いと思いますが、2022年4月から東証市場区分が、プライム市場、スタンダート市場、グロース企業の3つに分かれます。
プライム市場が現在の東証1部に相当しますが、プライム市場に入るための株式時価総額は100億円となっています。現在、東証1部には約2,200社ありますが、100億円以下は600社もあります。
では、この600社はプライム市場に入れないかというと、救済措置がもうけられており、当分の間はプライム市場に残留できますが、基準適合に向けた計画書を東証に出す必要があるということです。つまり、例えば時価総額が80億円でもプライム市場に入れるが、今後100億円をめざすための計画を策定せよということです。また、TOPIX も100億円以上を基準とするが、2022年4月にこの基準を直ちに適用するのではなく、2022年10月~2025年1月にかけて四半期毎にTOPIXに占める構成比率を下げ、2025年1月に除外するということのようです。
この市場区分見直しで一番不安に思っている企業は、株式時価総額100億円前後の企業だと思います。100億円以下の東証1部の企業は、将来、株式時価総額100億円に到達しないと、プライムから除外され、スタンダード市場(現在の東証2部相当)に格下げになる可能性があります。なお、この時価総額とは流通時価総額となっているので政策保有株式は除外されるので要注意です。
とすると時価総額100億円前後の東証1部の企業は、今後、株価上昇に向けて施策を講じてくる可能性があると思います。勝手な想像ですが、オーナー社長の企業より、サラリーマン社長の企業の方がプライム市場に残ることにこだわりがあるかも知れません(上場オーナー社長は、元々超富裕層ですので、プライムにそれほどこだわりはないかも知れません。もっとも資産の多くは自社株に依存することを考えると、逆かも知れませんが)。
また、現在東証2部ですが、時価総額が100億円超の会社は将来プライム市場に入れる可能性があり、TOPIXに組み込まれる可能性もあります。色々と見方はありますが、株式時価総額100億円前後の企業は、今後の中長期投資先としてウォッチすると面白いかも知れません。四季報オンラインで丹念に調べて行こうかと考えています。