中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

最近のコーポレートガバナンスと資本市場の動向を踏まえ、上場企業実務の視点から中長期での企業価値向上に役立つ情報分析・発信をしていきます。個人投資家のコーポレートガバナンス力の向上による「意思のある投資」に役立つ情報発信もしています。また長期での割安株投資の情報も

銘柄分析:ベントナイト大手のクニミネ工業(5388)が業績予想の上方修正

本日土曜日は、毎週のルーティンである今週1週間の保有銘柄の株価分析及び銘柄の関連情報の収集・分析、来週の株式投資の方針確認をしています。

東京五輪は開催の是非が揺れているようですが、開催してももはやインバウンドが期待できないことを考えると経済効果も小さく、今更中止決定となっても日経平均へのマイナス影響は限定的と思います。反対に大人数を集めての開催となるとコロナリスクが高まるため、株価は逆に下がるような気もします。

先週ですが、ベントナイト国内最大手のクニミネ工業(5388)が1月21日に2020年度業績の上方修正を発表しました。2020年度の業績予想は売上高144億円(前回予想:135億円)、営業利益 22億円(前回予想:15億円)、経常利益23億円(前回予想:16億円)です。修正の理由は次のとおりです。

2021年3月期の通期連結業績予想につきまして、第2四半期終了時点において新型コロナウイルスの感染拡大により縮小した市場が回復基調にあったため、2020年10月22日に上方修正いたしましたが、さらにベントナイト事業の鋳物関係において国内自動車用途向け需要の回復ペースが想定より速かったこと、土木建築関係において復興関連の需要が想定より高まったこと等により、売上高・利益ともに前回公表した予想を上回る見込みとなったため、再び修正することといたしました。

この業績予想修正発表を受け株価は22日終値が前日終値から+114円の1,248円となりました。クニミネ工業は長期投資銘柄として投資しています。

クニミネ工業の投資のポイントとしては、1つ目は、国土強靭化での土木建築関係、2つ目は再生可能エネルギー原子力関係での高レベル廃棄物、3つ目は、新用途であるガスバリア材料です。ガスバリア材料とは、水蒸気・酸素等のガスの侵入を遮断するための材料です。食品包装での使用、太陽電池・電子デバイス等の用途への拡大が期待されています。ベントナイトは環境にも優しいので、環境投資という観点からもプラスかと思います。

一方、リスクとしては、自動車のEV化での部品点数の減少です。クニミネ工業はタイ、インドネシアの経済成長に伴う自動車生産増による鋳物需要拡大を見込んでいるようですが、タイ、インドネシアでのEV化進展などEV化の業績への影響が気になるとことです。クニミネ工業の長期リスクとしては、このEV化が気になりますので、ここは後日、クニミネのIR部に問い合わせをして確認をしたいと思っています。1月29日がクニミネ工業のQ3の決算発表日です。

なお、ご参考までに過去のクニミネ工業のブログ記事を再掲いたします。