中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

最近のコーポレートガバナンスと資本市場の動向を踏まえ、上場企業実務の視点から中長期での企業価値向上に役立つ情報分析・発信をしていきます。個人投資家のコーポレートガバナンス力の向上による「意思のある投資」に役立つ情報発信もしています。また長期での割安株投資の情報も

2023-01-01から1年間の記事一覧

シダックスが昨年のTOBを巡る調査委員会の調査報告書を公表

明日は久しぶりに国内出張で長野県です。長野は家族旅行で軽井沢に2~3回行ったことしかありませんが、空気の綺麗なところであり楽しみです。話は変わりますが、本日はある海外の機関投資家の日本株担当の方とエンゲージメントをしたのですが、人的資本等…

是川流投資の三原則 ー 是川銀蔵「相場師一代」より

最後の相場師と言われた是川銀蔵氏の「相場師一代」を読み終わりましたが、とても面白いですね。ファンダメンタル分析を軸にした割安株投資かと思いますが、海外の投資家の書籍は出てくる企業が海外企業であったり、また和訳がイマイチの場合が多く、とても…

(5/28に補足を最後に追加しました)グラスルイスがトヨタ自動車の会長選任議案に反対推奨 ー この情報の見方は?

本日は、四季報オンラインでPBR1倍割れ、株主資本比率70%以上などの複数の条件で銘柄を検索して、今後の投資候補先を探索する作業を開始しました。しかし、ヒットした銘柄が140銘柄以上あり、さすがに1つずつ確認すると疲れます。他にやりたいこ…

平時導入型の買収防衛策の廃止が相次いでいますね ー 王子ホールディングスも廃止

物言う株主からの株主提案が今年はかなり多い印象を受けます。株主提案の土台にあるのは、コーポレートガバナンス・コードを始めとしたコーポレートガバナンス改革です。20年以上前に村上ファンドが登場した際には、世間から非難を受け、オールジャパンで…

「株主との対話、開示の損得」ー そのとおりかと思います。企業の投資家に対する姿勢を知りたいところです

先日、アマゾンで注文をした中古本で「相場師一代」が本日届きました。著者は是川銀蔵です。1992年に死去されましたが、仕手戦で名を馳せた有名な方ですね。株式投資は、じっくりと銘柄研究をして、富士山の登山でいうと2合目、3合目で他社に先んじて…

東証要請の株主と企業との対話で開示すべき事項は? ー 決算説明会などのQAでは不十分です

東証が「株主との対話の推進と対話」を少し前に次のとおり公表しており、3月31日のブログでも触れましたが(最後に再掲します)、これについて何社か開示をしている企業が出てきましたね。 https://www.jpx.co.jp/news/1020/cg27su000000427f-att/cg27su0…

【書籍紹介】敵対的買収とアクティビズム(岩波新書)

この週末は銘柄研究、読書、ウオーキングをして過ごすとともに、投資先銘柄のうち、ある企業の決算説明会資料を過去数年分読み込み、中長期投資の観点から分からない点があったので、IR部門に質問のメールをしました。この企業に半年前にメール質問した際…

フクダ電子が株主提案に対する取締役会意見を公表 ー 安定株主の判断をつつくという戦術も有りかなと思います

明日は朝早くから、東京の近郊地域の事務所に外出、その後帰宅し、午後は在宅勤務する予定です。約4週間ぶりの在宅勤務です。来週金曜日は終日、国内出張ですが、コロナも終わり人の異動もだいぶ活発化してきていますね。 本日はプレスリリースを1つ紹介し…

【前回の補足になります】個人株主のための株主総会での企業価値向上の質問事項②ー 取締役会での討議内容の詳細、社外取締役からの具体的な意見等は?

今週は仕事が忙しく、ブログを更新したり、じっくりと新聞を読んで情報収集する時間がなかなかとれません。金融庁のフォローアップ会議の議事録も公表され、じっくり読みたいのですが、先週から仕事でひたすらアウトプットに取り組んでおり、週末に色々と纏…

【決算説明会資料の読み方】PBR向上に向けた施策の開示 ー 長期の株価向上のためには自社株買いだけでは効果が小です

上場企業各社の通期決算が本格化してきました。東証からの要請である株価向上に向けた施策についても今回の通期決算のタイミングで開示する企業が多いのかなと思っており、自分の仕事とも大いに関係があるので、本日から日経新聞に掲載された主要企業、特に…

安田倉庫が買収防衛策を継続 ー けど色々と考えると平時型はお薦めできないかな

安田倉庫が平時型の買収防衛策の継続を公表していますね。本年の株主総会で議案を上程するようです。 https://www.yasuda-soko.co.jp/Portals/0/images/info/pdf/info_230508-3.pdf 現行スキームとの大きな変化点としては、次のくだりですね。 本継続に伴い…

個人株主のための株主総会での企業価値向上の質問事項②ー 取締役会での討議内容の詳細、社外取締役からの具体的な意見等は?

今回は第2回目になります(第1回目の記事は最後に再掲しております)。コーポレートガバナンス・コードが2015年に制定されてから、多くの上場企業における社外取締役の員数はかなり増えたかと思います。取締役会に占める社外取締役の比率が3分の1以…

公正な買収の在り方に関する指針案 ー 経産省の公正な買収の在り方に関する研究会の第8回会議

昨日、本を1冊購入しました。日本の著名な経済学者であり東大名誉教授の岩井克人氏が2003年に書いた「会社はこれからどうなるのか」(平凡社)です。20年前の本ですが、バルブの発生背景、日本型資本主義などについて書かれています。本日は、家族は…

戸田建設が株主提案の受領を公表 ー そして買収防衛策を継続するようですが・・・

昨日からゴールデンウィークに入り、私の場合は、5月7日まで9連休となります。今年は海外・国内とも旅行に出る人が大きく増加するようですね。という私も家族でこの連休中に車で国内旅行を予定しています。 さて、先週の日経新聞にも記事がありましたが、…

個人株主のための株主総会での企業価値向上の質問事項①ー株価を意識した経営は取締役会で分析できているか?

3月期決算企業の株主総会シーズンが終わるまでの間、最近のコーポレートガバナンスの動向等を踏まえて、投資先企業の中長期での企業価値向上に資すると思われるコーポレートガバナンスに関する質問をブログで不定期に掲載していきます。投資先企業の株主総…

日本企業のガバナンスの課題 ー アクティビストに狙われる理由(オアシス・マネジメントのインタビュー記事より)

本日は約3週間ぶりの在宅勤務でした。オフィスから持ち帰った資料のインプット作業に時間を費やしたのですが、一日中、家にいると体を動かすこともなく、夕方になるとかえって疲れたりします。午後の半日だけ在宅というのが自分には合っている気がするとと…

敵対的買収に対する最大の防衛策は普段からの開示と株主との対話の充実につきます ー 敵対的買収への備え

ゴールデンウィークの連休まで残すところ約1週間程度になりました。連休中は、保有銘柄の本決算後に各銘柄のIR部門へ質問するための準備作業をする予定です。東証の株価を意識した経営への計画策定・開示など企業への質問事項は盛り沢山です。今年は、コ…

コーポレートガバナンス改革の実質化に向けたアクション・プログラムー金融庁フォローアップ会議

4月19日開催の金融庁フォローアップ会議が開催され、資料が公表されています。 https://www.fsa.go.jp/singi/follow-up/siryou/20230419.html 結構なボリュームの資料ですね。けど、重要で有益な情報がかなり盛り込まれているので、平日は時間がないので…

金融庁のフォローアップ会議が約1年ぶりに開催されます

金融庁の「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス ・コードのフォローアップ会議」が4月19日に、約1年ぶりに開催されるようです。まだ資料は公表されていませんが、久しぶりの開催ですね。 ご存じの方も多いと思いますが、このフォロー…

中小型株銘柄の探索ツール ー ニッポン中小型株ファンドの運用報告書

2022年度の通期決算が5月上旬から本格化します。私も投資先銘柄の過去決算の整理を今週末あたりからそろそろ開始する予定ですが(とは言え、集中投資をしているので銘柄数は多くないのですが)、今回の通期決算の大きなポイントは、PBR1倍割れ企業…

資本コストや株価を意識した経営の計画策定・開示を考えるに当たって ー 議事録は貴重な情報源です

先週は多忙な1週間でしたが、今週・来週も非常に慌しい日が続くため、この休みはゆっくりと過ごしました。仕事で特定の単純作業が正確に出来る人はいるのですが、深い知識と経験をベースに考えることが出来る人はなかなかおらず、結局、単純作業や情報収集…

伊藤忠商事のファミマへのTOB価格の東京地裁判断 ー 投資ファンドの存在は強いですね

今週は非常に慌しくブログの更新がなかなか出来ていませんが、本日は簡単な記事を1つ紹介させて頂きます。 4月4日の日経新聞でも報道されていますが、2020年に伊藤忠商事が子会社のファミリーマートに実施したTOB価格について、投資ファンドのRM…

東証が資本コスト・株価を意識した経営実現に向けた対応を公表 ー アクティビストに追い風となることは必至

本日、東証の市場区分の見直しに関するフォローアップ会議の第9回会議が開催され、上場企業各社に「資本コスト・株価を意識した経営実現に向けた対応等に関するお願い」が通知されました。 資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応等に関するお願…

平時型の買収防衛策への指摘が結構厳しいですね。今後、上場企業にとって重要なことは・・ ー 買収に関する経産省の指針原案より

本日は「公正な買収の在り方の研究会」の指針案に目を通しました。今後も複数回の議論がなされるようなので、今後、細かい箇所は修正が入るのかも知れませんが、平時導入型の買収防衛策についても厳しい指摘が目立ちますね。関連すると思われる箇所を指針か…

公正な買収の在り方の研究会のガイドライン原案が公表 ー 買収防衛策スキームに使えるか否かが肝になりますが、どうでしょうか

明日の夜は久しぶりの大人数の歓送迎会です。この手の義理で参加する社内行事は本当に減りましたね。この3年間、公式な歓送迎会はゼロでしたので、もはや感覚すら忘れましたが、1年に1回程度であればこういった飲み会行事も重要かなと思っています。もっ…

安定株主の投資先企業への議決権行使の透明性が今後求められるか? ー 議決権行使結果の個別開示

本日はアマゾンで本を注文しました。中長期投資をする方はご存じの方も多いかと思いますが、「投資で一番大切な20の教え 賢い投資家になるための隠れた常識」です。著者は、世界最大級の投資運用会社「オークツリー・キャピタル・マネジメント」の共同創業…

記述情報の充実を中長期投資家は重視します ー 「記述情報の開示の好事例集2022」が公表

「公正な買収の在り方の研究会」がそろそろガイドラインの原案を検討するタイミングですね。来週3月28日に第6回が開催され、ガイドライン案が検討される予定です。 さて、本日、金融庁が記述情報の開示の好事例集2022を次のとおり公表しました。 htt…

知財情報の開示の指針の改訂 ー 投資家向けの技術情報の開示は結構難しいです

仕事が忙しく時間がなかなかとれず、1週間ぶりのブログ更新となります。本日は四季報オンラインのデータが春号に更新されました。今日も慌しい一日になりそうな予定ですが、時間を見つけて各銘柄の最近データをチェックする予定です。 昨日の日経新聞に次の…

公正で透明な企業買収ルールの整備 ー ルールの下で買収者と企業の言い分を株主が判断するのが大事

本日は東日本大震災の日ですね。早いもので発生から12年です。当時は、東京都内は信号機も止まり、電車も動かず大変な一日でした。地震の揺れで勤務するビルが倒壊し、人生もここで終わるのかと一瞬焦りました。震災はいつ起こるか分かりませんので、万一…

東証市場区分フォローアップでの委員の意見 ー 株価向上の開示は「創意工夫」が大事です

2月15日に東証の市場区分のフォローアップ会議の第8回会議が開催され、今年の春にPBR1倍を意識した開示のあり方が公表される予定ですが(前回のブログを最後に再掲します)、本日は2月15日の議事録を業務上の必要もあるため、読んでみました。上…