中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

最近のコーポレートガバナンスと資本市場の動向を踏まえ、上場企業実務の視点から中長期での企業価値向上に役立つ情報分析・発信をしていきます。個人投資家のコーポレートガバナンス力の向上による「意思のある投資」に役立つ情報発信もしています。また長期での割安株投資の情報も

フクダ電子が株主提案に対する取締役会意見を公表 ー 安定株主の判断をつつくという戦術も有りかなと思います

明日は朝早くから、東京の近郊地域の事務所に外出、その後帰宅し、午後は在宅勤務する予定です。約4週間ぶりの在宅勤務です。来週金曜日は終日、国内出張ですが、コロナも終わり人の異動もだいぶ活発化してきていますね。

本日はプレスリリースを1つ紹介します。医用電子機器メーカーのフクダ電子ですが、5月15日に株主提案に対する取締役会意見を公表しています。

https://www.fukuda.co.jp/press/2023/pdf/230515_2.pdf

買収防衛策の廃止の株主提案があるようですね。フクダ電子の買収防衛策は見ていませんが、プレスを読む限り、取締役会の判断のみで発動や継続が出来るようになっているようですね。プレスリリースの2ページの最後の段落にそのような記載があります。

平時導入型の買収防衛策については、ほとんどの企業は株主総会の賛同を得て導入・継続更新しているかと思いますので、取締役会の決議で継続するスキームは珍しいかと思います。取締役会の決議での導入をする企業は、一般的に機関投資家は経営トップの選任に反対行使をするケースが多いと思いますが、フクダ電子の経営トップの賛成率は毎年どの程度なのでしょうか?もっとも国内機関投資家の比率が小さければ影響はないですが。

買収防衛策の導入(継続更新)と対抗措置の発動は株主総会で株主の賛同を得るということが今後のスタンダードになるはずです。フクダ電子に対する株主提案のうち、買収防衛策の廃止の提案は非常に合理的かなと私は思いますが、フクダ電子の安定株主はどう判断するのでしょうか?

四季報オンラインで見ると、大株主に日本生命があるようですね。私が投資ファンドの立場であれば、日本生命の株式を100株程度取得して、日本生命フクダ電子の買収防衛策についてどう考えるか、つまりコーポレートガバナンス上問題がないか、日本生命は合理的に議決権行使を実施するのかを攻めるという戦術をとります。