中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

最近のコーポレートガバナンスと資本市場の動向を踏まえ、上場企業実務の視点から中長期での企業価値向上に役立つ情報分析・発信をしていきます。個人投資家のコーポレートガバナンス力の向上による「意思のある投資」に役立つ情報発信もしています。また長期での割安株投資の情報も

ニデックとTAKISAWAの攻防を分かりやすく解説② - TAKISAWAの買収防衛策のスキーム

ニデックが買収しようとしているTAKISAWAですが、2021年に買収防衛策を継続しています。当時のプレスリリースは次のとおりです。

https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS03883/8a0b7507/59a6/4f5f/b18c/c1ba71efe453/140120210514418369.pdf

同社の買収防衛策は、大量買付ルールを遵守した時は、対抗措置は講じないが、一定の場合には取締役会の判断で対抗措置を講じる可能性がある旨を規定しています。一方、大量買付ルールを遵守しない場合には、取締役会の判断で対抗措置をとることがあると規定しています。そして、いずれの場合も取締役会は独立委員会に諮問をして、同委員会の勧告を尊重する旨を規定しています。

買収防衛策のスキームとしては一般的な内容かとは思います。ただし、スキーム上は株主総会の決議を経ることとはされていないようですね。最近の有事型の買収防衛策の事例では、導入の他に対抗措置の発動においても株主総会で株主の賛同を得ることが求められている印象を持ちます。有事型の場合には、突然の導入ですので、導入と対抗措置の発動がセットで株主総会の賛同を求めることが多いような気がしますが。

TAKISAWAは買収防衛策の発動をすることは決定していませんが、当然、対抗する場合には対抗措置の発動も手段の1つとして考えているところもあるかとは思います。対抗措置の発動という事態になった場合には、引き続き、注視していきたいと思います。