中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

最近のコーポレートガバナンスと資本市場の動向を踏まえ、上場企業実務の視点から中長期での企業価値向上に役立つ情報分析・発信をしていきます。個人投資家のコーポレートガバナンス力の向上による「意思のある投資」に役立つ情報発信もしています。また長期での割安株投資の情報も

ニデックとTAKISAWAの攻防を分かりやすく解説③ - ニデック、TAKASAWAへのTOBに関する参考資料を公表 ー 株主が判断する上で参考になりますね

本日は、家電量販店で自宅で使う個人用のパソコンを購入しました。この数年、レノバを使用していたのですが、故障をしてしまいNEC製を購入しました。レノボなどの海外メーカーは値段は安いのですが、個人使用の場合、アフターサービスでは国内メーカーに比べるとかなり落差があるような印象を私は持っており、日本メーカーの中でもアフターサービスはNECがダントツというような意見を量販店の店員の方に聞き、購入しました。

さて、本題ですが、ニデックによるTAKASAWAへのTOBについて、先日、ニデックは次の資料を公表しました。

https://www.nidec.com/-/media/www-nidec-com/corporate/news/2023/0720-04/230720-04.pdf?rev=76a7a4d26b5a4ddbacbf9258bcd174e4&sc_lang=ja-JP

3ページに対象会社の選定理由、市場の補完性が簡潔にわかりやすく書いてあります。文章でつらつら書かれると、一般の株主には読みにくいですが、このような内容だと個人株主にもわかりやすいですね。おそらく、個人株主の賛同も視野に入れて作成したのだと想像しますが、今後、同意なきTOBの場合には、買収企業はこの手の参考資料を作成することが増えるかもしれません。しかし、それ以上に驚きなのは、やはりTOB価格のプレミアムですね。

基準⽇終値1 ,447円の79.68%で、1ヶ⽉平均104.89%、3ヶ⽉平均104.40%、6ヶ⽉平均 112.94%と記載があります。このTOBにTAKISAWAの機関投資家が応じないという選択肢をとるのは難しいのではないでしょうか?応じないのであれば、アセットオーナーにその理由を説明する必要がありますし。機関投資家だけでなく、TAKISAWAの政策保有株主である上場企業も同様です。TOBに応じないという判断をするのであれば、自社の株主に説明する理由を持つことが必要になると思います。

もちろん、TAKISAWAがこのTOBを上回る企業価値の向上施策を機関投資家や自社の株主に説明できれば話は別ですが。本件、引き続き注視したいと思います。