中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

最近のコーポレートガバナンスと資本市場の動向を踏まえ、上場企業実務の視点から中長期での企業価値向上に役立つ情報分析・発信をしていきます。個人投資家のコーポレートガバナンス力の向上による「意思のある投資」に役立つ情報発信もしています。また長期での割安株投資の情報も

【書籍紹介】敵対的買収とアクティビズム(岩波新書)

この週末は銘柄研究、読書、ウオーキングをして過ごすとともに、投資先銘柄のうち、ある企業の決算説明会資料を過去数年分読み込み、中長期投資の観点から分からない点があったので、IR部門に質問のメールをしました。この企業に半年前にメール質問した際は、IR部門から返信があるまでなんと3週間かかりましたが(他の銘柄のIR部門に質問をすると3日以内には返信を頂くのですが)、今回は今週水曜日までの回答期限を指定したので、回答ない場合にはIR部門に今週金曜日に電話して「どうなっているのか?」と質問するつもりです。この企業(株式時価総額500億円の小型銘柄)は、株主総会の動画はホームページに掲載しているのですが(株主からの質問は掲載されず)、投資家が関心のある決算説明会は動画掲載しておらず、IRの意味が良く分かっていない会社の印象を受けます。

つまらない前置きが長くなりましたが、本日は久しぶりに書籍の紹介を簡単にしたいと思います。5月19日に岩波新書から発売された「敵対的買とアクティビスト」です。著者は西村あさひ法律事務所に所属する弁護士です。岩波新書の赤い本です。著者は良く旬刊商事法務でも記事を書いている方ですね。

過去から現在までの敵対的買収の歴史、最近の事例、買収防衛策の考え方、海外の外資規制などが簡潔に纏まっています。これらのテーマについて十分な知識を得るには、旬刊商事法務等の記事をじっくり読むことが本来大事ですが、その前段階として短時間で幅広く理解するにはとても良く整理された、良書かなと思います。

また、法務、経営企画、財務等で買収防衛策やアクティビスト投資家対応を業務とされている方にとっても自身の知識を整理する上でこの本を読まれると良いかと思います。個人的にはこの手の本が前から欲しかったので、何度か読み直して、頭にしっかりと入れたいと思います。