3月期決算企業の株主総会シーズンが終わるまでの間、最近のコーポレートガバナンスの動向等を踏まえて、投資先企業の中長期での企業価値向上に資すると思われるコーポレートガバナンスに関する質問をブログで不定期に掲載していきます。投資先企業の株主総会に出席する予定の個人株主の方でご関心がある方は、是非ご参考にして頂き、投資先企業の株主総会で質問する際にご活用頂ければと思います。
さて、第1回目は最近のホットな話題として、株価を意識した経営に関する質問です。
ブログでは何度か紹介していますが、東証がプライム・スタンダード企業の双方に株価向上を求めています(詳細は以前にブログで書いた記事を最後に再掲していますので、ご覧下さい)。これに関して、具体的な質問事項を考えると以下のような内容になるかと思います。
これはいずれも東証が公表した「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」に記載の内容です。
PBR(株価純資産倍率)向上に関しての現状の認識、目標の設定、目標達成に向けた施策を取締役会で分析し、計画を策定し開示せよということです。ポイントは、社長等の執行サイドで勝手に決定するのではなく、必ず取締役会で決定せよという点です。
2015年のコーポレートガバナンス・コードの策定にはじまった一連の日本のコーポレートガバナンス改革は、企業の稼ぐ力について、社外取締役を活用して取締役会内部から変革していくというのがベースにあり、株価向上施策も執行サイドが適当に決めるのではなく、社外取締役のいる取締役会でしっかりと議論せよというのが趣旨です。
今回の計画策定・開示の様式は企業に任されています。できる限り速やかな開示をすることが東証から求められています。2023年3月期の通期決算後の決算説明会資料で開示する企業が多いのではと想像はしています。本決算は取締役会で議論する企業が多いと思いますので、このタイミングで上記の東証の要請をセットで議論することを多くの企業は考えるのかなと思います。
ということで、上場企業にとって最新のホットな話題であり、企業各社が一番頭を悩ませている株価意識の経営に関する質問を株主総会ですると面白いと思います。