中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

最近のコーポレートガバナンスと資本市場の動向を踏まえ、上場企業実務の視点から中長期での企業価値向上に役立つ情報分析・発信をしていきます。個人投資家のコーポレートガバナンス力の向上による「意思のある投資」に役立つ情報発信もしています。また長期での割安株投資の情報も

資本コストや株価を意識した経営の計画策定・開示を考えるに当たって ー 議事録は貴重な情報源です

先週は多忙な1週間でしたが、今週・来週も非常に慌しい日が続くため、この休みはゆっくりと過ごしました。仕事で特定の単純作業が正確に出来る人はいるのですが、深い知識と経験をベースに考えることが出来る人はなかなかおらず、結局、単純作業や情報収集作業は人に任せられるが、考えることから派生する重要な作業は自分でやらざるを得ない(人に任せると倍以上の時間がかかるため)のが悩ましいところであり、これが多忙な要因です。さすがに忙しい状態が3週間以上続くと年齢のせいか疲れます。

東証の市場区分の見直しに関するフォローアップ会議の第9回会議が開催され、上場企業各社に「資本コスト・株価を意識した経営実現に向けた対応等に関するお願い」が通知されたことは3月31日のブログで記事で書いておりますが(念のため最後に再掲しております)、この第9回会議の議事録が公表されています。

https://www.jpx.co.jp/equities/improvements/follow-up/nlsgeu000006gevo-att/cg27su0000004kgq.pdf

議事録を読む方はあまり多くないと思いますが、議事録は重要です。というのも各委員の発言などから結論に至る経緯や各委員の思いなどが分かるからです。委員によっても温度感に差があります。

今回の東証の通知の肝は、企業が資本コストや株価を意識した経営について、どういう計画を策定して開示するかです。つまり、①現状評価(資本収益性と市場評価)②改善に向けた方針・具体的な目標③具体的な取り組み・施策の実施時期という3点を投資家に分かりやすく開示するのがポイントです。

他社の例をまずは見て、それに倣った開示で済まそうという安易な考えの企業はかなり多いと思います。けど、それは危険です。

物言う株主がこれだけ跋扈する時代であり、個人投資家コーポレートガバナンスを勉強しています。各社、真剣に独自に自社の考えを策定する必要があります。その拠り所になるのがこの議事録です。ということで、読まれていない方は一読をすることをお薦めします。という私もまだ途中までしか読めていないので、明日読み込む予定です。