再来週から企業の3Q決算が本格化しますね。1月10日に安川電機が決算を公表しましたが、4Q想定為替レートを1ドル=140円から130円と円高方向に修正したようです。輸出型企業を中心に今後の業績へのマイナス影響が出るかなど投資家の方は気になるところかと思います。
先日のブログ記事で東証の市場区分見直しのフォローアップ会議の第6回で東証案が議論されたことを紹介いたしました(念のため最後に記事を再掲します)。この第6回で低PBR企業に対して今後の改善等の開示を求めるとありますが、その前の第5回の会議の議事録を見ると各委員からPBR1倍未満に対して、かなり厳し意見が出ています。資本効率や株価に対する意識改革に関して、いくつか紹介すると次のような内容です(私が特に強調したい箇所はハイライトしています)。
- PBR1倍割れという状態は投資家として憂うべき状態であり、早期に解消してほしい
- PBRやROE等が一定以下の会社に対し、企業価値向上に向けた経営方針・取組予定等の開示を促すことは是非やるべき
- やはり市場が注目しているのはPBR。当然、PBRは変化するため具体的な基準については議論する必要があるが、開示を求めることで投資家との対話の促進につながりますし、投資家が日本企業を見直す大きなきっかけになると期待
- 残念ながら、上場会社の取締役の上場責任の自覚が足りない、また資本市場を活用しているわりには関心が薄いという印象を持っている。一番驚くのは、こんなに頑張っているのに市場が評価してくれない、あるいは市場が見てくれていないと言う企業。大抵のケースでは市場はきちんと見ており、見たうえで評価ができないのだとダメ出しされていることに気づいていない状況を解消しなければならない
- PBR1倍割れは、いわば市場から落第点をもらっているということなので、改善にコミットメントをしてくれないと困るし、5年などでは長すぎて、2年くらいでできる
- PBRやROEなどに着目して、資本効率・収益性の改善について企業に取組を促し、それを東証が点検する手法が望ましいのではないか。PBRやROEの数値自体を公表することには、私も意味がないと思っているが、それを意識した経営の改善計画を開示させ、かつ、その後、どの程度確認するのかはさておき、東証が点検していくことが必要
- 企業の取締役会で、資本コストの考え方や、ROE・ROIC・ROAなど資本の生産性についての自社の考え方を議論していただいて、PBRが1倍を割れていたり、これらの資本効率の指標が極めて低かったりする会社には、経営者がその改善のためにどういう方向性で経営を改革していくのかという点について、開示によりコミットしてもらうことが重要
詳しく知りたい方は、少し長いですが、次の議事録を是非ご覧頂ければと思います。
https://www.jpx.co.jp/equities/improvements/follow-up/nlsgeu000006gevo-att/co3pgt0000005awm.pdf
公表された東証案だけを見ると分かりませんが、実は上記のような厳しい意見があったことを低PBR企業はしっかり認識する必要があります。厳しい意見は、アクティビストではなく、いわゆる一般の機関投資家から出ています。これらの意見は、多くの機関投資家に共通かと思います。PBR1倍未満の企業、特にプライム上場企業は今後の株価対策を真剣に考える必要があります。
さて、話は変わりますが、昨日、「