中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

最近のコーポレートガバナンスと資本市場の動向を踏まえ、上場企業実務の視点から中長期での企業価値向上に役立つ情報分析・発信をしていきます。個人投資家のコーポレートガバナンス力の向上による「意思のある投資」に役立つ情報発信もしています。また長期での割安株投資の情報も

2022-01-01から1年間の記事一覧

金融庁フォローアップ会議が再開 ー 内部留保の有効活用などが焦点。物言う株主、アクティビストにとって好材料

昨年の6月にコーポレートガバナンス・コードが改訂されました。コードレートガバナンス・コードは、金融庁の「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」(以下、金融庁フォローアップ会議)で議論されて改訂さ…

電源開発への株主提案 ー 一般の機関投資家の株主提案が将来は増えるかも

今週はずっと忙しい1週間で週1回の在宅勤務も出来ず、アウトプットに追われていました。最近、勤務先でもかなり出社人数が増え活気があり、コミュニケーションを取るにはとても良いのですが、一方、資料や業務関連書籍を読んでインプットに時間をかけるに…

住友不動産が買収防衛策を継続更新

本日は仕事で夕方から10社ほどの決算短信と決算説明会資料を短時間で読み込みましたが疲れました。自動車メーカー、半導体メーカー、工作機械メーカーが主でしたが、原材料価格の高騰が今後のリスク要因と多くのの企業が記載していますね。当然と言えば当…

自社株買いが株価上昇となることの初歩的な考え方

今週は仕事が多忙でブログの更新に十分な時間をかけることができないのですが、先日、社内で自社株買いの知識の雑談をした時に意外に理解していない方が多いことに気付きました(私の勤務先は金融ではなく、一般事業会社ですので、IR部門以外の方は悲しく…

物言う株主(アクティビスト)の視点からのコーポレートガバナンス・コードの読み方(第5回)ー 政策保有株式に対する議決権行使は適切か?

前回(第4回)では、政策保有株式の保有の合理性について物言う株主(アクティビスト)として企業との攻防の際の考え方を説明しました。第4回の記事は最後に再掲しています。 今回は、政策保有株式について物言う株主が指摘する視点として、「①政策保有株…

インフロニアによる東洋建設へのTOB ー インフロアがTOB期間を延長

昨日から今週1週間は仕事が休みです。先週までに購入した「関西スーパー争奪 ー ドキュメント混迷の200日」「人新世の『資本論』」「転んでもただでは起きるな 定本・安藤百福」の3冊をまずは読む予定です。子供たちが部活で毎日外に出ているので残念な…

インフロニアによる東洋建設へのTOB ー 応募は株主の判断に委ねるようです。東洋建設の次の手は?

本日は半導体製造措置メーカー、工作機械メーカーなどの通期決算短信と決算説明会資料を20社ほど分析・整理していました(仕事です)。2021年度は過去最高の売上高・利益という企業も多く、2022年度予想も今のところ各社好調ですね。 さて、東洋建…

エーザイが買収防衛策を廃止 ー プレスリリースの内容に注目です

明日は週1回のテレワークの日です。この1~2ヵ月で東京都内の通勤者はかなり増えました。1、2年前は山手線で品川駅で降りても、元旦のようにガラガラだったのですが。山手線はじめ都内の電車が混雑するのは、経済活動が回復に向かうとても良いことなの…

ナガホリ(8139)が株式買い集め行為に対して買収防衛策を導入 ー 有事導入型の買収防衛策

宝飾品の製造卸大手のナガホリ(8139)がリ・ジェネレーションという会社による株式買い集めに対して、買収防衛策を導入することを決定したようです。 http://www.nagahori.co.jp/wp/wp-content/uploads/2022/04/62_taiouhoushin.pdf 有事導入型の買収防…

物言う株主(アクティビスト)の視点からのコーポレートガバナンス・コードの読み方(第4回)ー 政策保有株式の保有の合理性の検証はしているか?

前回、政策保有株式について物言う株主が指摘する視点として、「政策保有株式を縮減せよ」「保有する場合には保有の合理性あることを開示せよ」「保有に合理性ある場合でも、議決権行使基準を策定して、その基準に即した適切な議決権行使をせよ」の3つがあ…

任天堂創業家が東洋建設に買収提案 ー インフロニアのTOB価格と大きな開きがありますね

本日の日経新聞にも記事が掲載されていますが、任天堂創業家の資産運用会社が東洋建設に買収提案をしたようですね。東洋建設が次のプレスリリースを公表しています。 https://www.toyo-const.co.jp/wp/wp-content/uploads/2022/04/20220422.pdf 東洋建設に対…

東芝が「潜在的な投資家及びスポンサーとの協議開始のお知らせ」を公表

昨日、仕事帰りに「関西スーパー争奪 - ドキュメント混迷の200日」(日本経済新聞社)を書店で購入しました。オーケーによる敵対的TOBを巡る争いについて書かれているようで、ツイッターでの評判が良かったので購入しました。週末に読む予定です。 さ…

電気興業(6706)に対して投資ファンドのリム・アドバイザーズが株主提案 ー 取締役の解任請求、政策保有株式の売却の提案など

本日の日経新聞でツイッターに対する敵対的買収でのポイズンピルの記事が掲載されていました。米国の買収防衛策は、シャドー型がこれまで一般的でしたが、ここ最近は事前警告型も増えてきたという話を2年ほど前に外資系証券会社の担当者と雑談をしたことも…

アルファレオがクックパッド(2193)の株式を保有 ー クックパッドは事前警告型の買収防衛策を導入済

本日はツイッターでの諸々の情報収集・整理をしていました。私はフェイスブックはやっていないのですが(本名が出てしまうため)、ツイッターは、毎日の昼休み時間などでちょこちょこ見ているのですが、情報収集ツールとして便利だなとあらためて感じていま…

ストラテジックキャピタルの株式会社ワキタへの株主提案の特設サイト ー 「政策保有株式に関する対話内容」が面白い

アクティビストであるストラテジックキャピタルが株式会社ワキタに対する株主提案について特設サイトを次のとおり開設しています。 株式会社ワキタ〜ワキタの株主価値向上に向けて〜 株式会社ストラテジックキャピタル 株主提案は、取締役の選任、配当性向1…

松屋が事前警告型の買収防衛策を継続更新する方向

名門百貨店である松屋(8237)の事前警告型の買収防衛策が本年の定時株主総会終結の時をもって更新期限満了となりますが、本日、継続更新する予定であることを公表しました。次のプレスリリースになります。 https://contents.xj-storage.jp/xcontents/8…

物言う株主(アクティビスト)の視点からのコーポレートガバナンス・コードの読み方(第3回)ー 政策保有株式の縮減

本日は物言う株主視点のコーポレートガバナンス・コードの読み方の第3回目を書きます。第2回からしばらく日が空いてしまいましたが(第2回の記事は最後に再掲しております)、第2回ではコーポレートガバナンス・コードの5原則を紹介しましたが、この5…

CGS(コーポレートガバナンスシステム)研究会(第3期) ー 第4回会議の事務局資料が公表

フィデリティ投信のテンバガーハンターの2022年2月21日現在の組入資産の明細一覧が公表されました。昨年末から保有増となった銘柄などを本日は時間を見つけて四季報で眺める予定です。ヒノキヤグループ、ミライト・ホールディングス、新日本建設、ベ…

有事導入型の買収防衛策

週刊東洋経済の4月2日号に「経済超入門2022」という特集が掲載されています。ウクライナ危機をはじめ、インフレ、経済指標の読み方等が分かり易く書かれており、マクロ経済に関心のある方にはお薦めな記事です。 さて、今回は有事導入型の買収防衛策の…

インフロニアによる東洋建設のTOB ー レノは株式保有比率が減少

本日は、最近のコーポレートガバナンス改革の経済産業省の複数の研究会の動きを整理しました。人材版伊藤レポート2.0のドラフトが公表されましたが、他にCGS研究会が継続開催されているほか、人権デューディリジェンスに関する研究会も開催されているよ…

物言う株主(アクティビスト)の視点からのコーポレートガバナンス・コードの読み方(第2回)ー まずは5原則です

本日から、物言う株主の視点からコーポレートガバナンス・コードをどう考えるべきかということについて、連載を進めます(時々、別の記事も書いていきます)。前回、第1回ということで次のとおり簡単に掲載しましたので、本日が第2回となります。 ブログで…

人材版伊藤レポート2.0(案)が公表

本日は1週間に1回の在宅での仕事の日です。色々と資料をプリントアウトして自宅に持ち帰りました。IR部門と一緒に統合報告書の骨格作りをしているので、本日は、社外取締役インタビュー(最近、これを記載する企業が多いです)などの骨子を考える作業に…

東芝の臨時株主総会の議案の賛成率が公表されました

3月24日の東芝の臨時株主総会で第1号議案である会社提案の「戦略的再編を進めることに関する株主の皆様のご意見確認の件」が否決されたことは報道のとおりですが、本日、議案の賛成率が開示されました。 EDINETに開示された臨時報告書によれば、賛成率が…

四半期決算開示書類の一本化の検討 ー 四半期報告書は無駄な開示資料でしょうね

本日の日経新聞に政府が決算開示書類の一本化の検討に入ったとの記事が掲載されていました。以下は3月26日の日経新聞電子版です。 決算書類の一本化を検討: 日本経済新聞 四半期毎に上場企業の財務部門が中心になり作成・開示している書類には、四半期決…

東芝の臨時株主総会が開催 ー 今後は戦略の見直しが必要になってきますね

既にマスコミで大きく報道のとおりですが、昨日の東芝の臨時株主総会で会社提案と株主提案のいずれも否決されたようです。昨日、東芝が次のプレスリリースを公表しました。 https://www.toshiba.co.jp/about/ir/jp/news/20220324_1.pdf?_ga=2.99925405.22346…

インフロニアが東洋建設にTOB ー 東洋建設には投資ファンドが株主にいますが今後の行方は?

将来の副業に向けた準備等でバタバタとしており、なかなかブログの更新に十分な時間が割けていないところですが、昨日の新聞記事から1つ。 インフロニアHDが東洋建設にTOBを行うことが3月22日に公表されました。東洋建設のプレスリリースは次のとお…

物言う株主の視点からのコーポレートガバナンス・コードの読み方(第1回) ー はじめに

3月18日に四季報が発売、四季報オンラインのデータが更新されたことを受け、明日からは、保有銘柄と関連銘柄の四季報データの読み込みをする予定です。中小型銘柄はアナリストレポートも発行されておらず、また、IRの情報開示に消極的(=時代遅れ)な…

株主提案に対する議決権行使助言会社の賛成推奨分析が今後大事

先日、東芝の分割案の株主総会議案に対して議決権行使助言会社のISSが反対推奨したことが新聞で大きく報道されました。ISSの賛否推奨に海外機関投資家はどうしても頼らざるを得ません。日本企業のコーポレートガバナンスはじめ法制の詳細を知ることに…

【コーポレートガバナンス報告書の読み方①】GPIFが「優れたCG報告書」を公表

昨日は、業務上の必要があり色々な企業の統合報告書を半日ほど時間をかけて読んでいましたが、日清食品の統合報告書が印象的でした。次のURLのとおりですが、なかなかユニークです。遊び心が満載であり、こういう統合報告書を作成すると社内でも幅広い人に統…

CGS研究会(第3期)ー 第3回会議が2月21日に開催

コーポレートガバナンスシステム研究会(CGS研究会)の第3回会議が2月21日に開催され、第3回の事務局資料が次のとおり公表されました。 https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/cgs_kenkyukai/pdf/3_003_03_00.pdf 第3回会議では「執行側の機能強化…