中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

最近のコーポレートガバナンスと資本市場の動向を踏まえ、上場企業実務の視点から中長期での企業価値向上に役立つ情報分析・発信をしていきます。個人投資家のコーポレートガバナンス力の向上による「意思のある投資」に役立つ情報発信もしています。また長期での割安株投資の情報も

インフロニアによる東洋建設へのTOB ー 応募は株主の判断に委ねるようです。東洋建設の次の手は?

本日は半導体製造措置メーカー、工作機械メーカーなどの通期決算短信と決算説明会資料を20社ほど分析・整理していました(仕事です)。2021年度は過去最高の売上高・利益という企業も多く、2022年度予想も今のところ各社好調ですね。

さて、東洋建設に対するインフロニアによるTOBに対して、任天堂創業家が対抗TOBをしているところですが(前回の記事は最後に再掲しております)、本日、東洋建設が次のとおりプレスリリースを公表しています。

https://www.toyo-const.co.jp/wp/wp-content/uploads/2022/04/20220428.pdf

1ページから2ページにかけて、「本公開買付けにおける買付価格(770円)が本公開買付け開始後の市場株価を下回っていることから、本公開買付けが成立すると公開買付者が見込める程度の価格に引き上げることの検討を公開買付者に要請したところ、公開買付者から買付価格(770円)の変更はできないとの回答があった」との記載があります。

こういったことを踏まえて、「当社の株主の皆様に対して本公開買付に応募することを推奨する旨の意見を撤回し、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募することを推奨することの是非については中立の立場をとった上で、最終的に株主の皆様のご判断に委ねるのが相当であると判断し、本公開買付けに賛同する旨の意見は維持するものの、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募するか否かについては、株主の皆様のご判断に委ねる」とのことです。

インフロニアは任天堂創業家TOB価格1,000円を超える価格を出してまで東洋建設を買う価値はないと判断したのでしょうか? 

もしそうだとすると、東洋建設の株主は高い価格を提示する方のTOBに応募するのだと思うので、東洋建設が自力で自社を守るには、有事導入型の買収防衛策をするか、何らかの方法で任天堂創業家に退場頂くか、またはホワイトナイトを探すかなどの方策が考えられますが、東洋建設は今後どうするでしょうか?