本日の日経新聞にも記事が掲載されていますが、任天堂創業家の資産運用会社が東洋建設に買収提案をしたようですね。東洋建設が次のプレスリリースを公表しています。
https://www.toyo-const.co.jp/wp/wp-content/uploads/2022/04/20220422.pdf
東洋建設に対しては、インフロニアが友好的TOBをしている最中ですが、そのTOB価格である1株770円よりかなり高い価格の1,000円でのTOB提案のようですね。いわゆる対抗TOBです。任天堂創業家は事業会社ではないと思うので、最近の対抗TOBの事例とは少し異なりますが、最近ではニトリによる島忠の買収、オーケーによる関西スーパーへの買収提案などがあったかと思います。面白くなってきましたね。
基本的に東洋建設の株主は、より高い値段をつけたTOBに応募するのだと思いますし、770円よりはるかに高い価格の1000円であればこちらに応募するのが通常の株主の合理的な判断と言えるように思います。ここで1つ疑問があります。
もし、インフロニアがTOB価格の大幅引き上げ、例えば1,000円を超えるような価格まで今後引き上げた場合には、そもそもインフロニアの770円という安い価格でのTOB価格が妥当と判断した東洋建設の当初の判断は、株主利益保護の観点から適切だったのだろうか?という素朴な疑問があります。インフロニアのTOBのプレスリリース、東洋建設のTOB賛同のプレスリリースを読めていないので、正確なところは読んだ上でないと何とも言えないところはありますし、それを法的にどう考えるかは法律専門家の判断に委ねるところになるのだと思いますが。
最近、対抗TOBや敵対的TOBの件数がかなり増えていますね。事前警告型の買収防衛策の導入、有事の際に導入する有事導入型買収防衛策シミュレーションを上場企業各社はしておく必要があるかと思います。