中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

最近のコーポレートガバナンスと資本市場の動向を踏まえ、上場企業実務の視点から中長期での企業価値向上に役立つ情報分析・発信をしていきます。個人投資家のコーポレートガバナンス力の向上による「意思のある投資」に役立つ情報発信もしています。また長期での割安株投資の情報も

東洋建設の総会議案について議決権行使助言会社のグラスルイス社も反対推奨

今週も忙しい1週間でした。本日は、久しぶりに株式雑誌の「株主手帳」でも購入して、銘柄検討をする予定です。四季報オンラインを数年前から使用しているのですが、一から検索すると結構面倒なので、中小型株などを探す手掛りとして「株主手帳」が便利かなと最近思っています。

さて、東洋建設の「買収防衛策」(なお、東洋建設は買収防衛策ではなく、「対等な交渉力確保目的スキーム」と言っています)に対して、議決権行使助言会社のISS社が反対推奨をしていますが(前回の記事を最後に再掲します)、グラスルイス社も反対推奨をしたようですね。次のとおり東洋建設がプレスリリースを出して反論しています。

https://www.toyo-const.co.jp/wp/wp-content/uploads/2022/06/20220616.pdf

助言会社は機関投資家に対してアドバイス(=推奨)するだけであり、それを採用するかどうかは機関投資家の判断ですが、議決権行使助言会社2社とも反対推奨をしたことにより東洋建設の株式を保有する海外機関投資家の多くは、東洋建設の買収防衛策の総会議案について反対するのだと想像します。

Yamauchi-No.10 Family Officeが6月15日に公表したプレスリリースを見ると、グラスルイス社は、一般的な買収防衛策の判断基準に従い、反対推奨をしているようですね。東洋建設の株主構成は見ていませんが、あとは国内機関投資家が賛否のいずれの立場に立つのか、安定株主は賛成をするのか(賛成した場合、自社の株主に対する説明責任も考える必要があります)、東洋建設は総会決議を普通決議でいくのか、それとも東京機械製作所で使用したMOM要件での決議とするのかどうか等がポイントですね。面白くなってきました。