中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

最近のコーポレートガバナンスと資本市場の動向を踏まえ、上場企業実務の視点から中長期での企業価値向上に役立つ情報分析・発信をしていきます。個人投資家のコーポレートガバナンス力の向上による「意思のある投資」に役立つ情報発信もしています。また長期での割安株投資の情報も

2021-01-01から1年間の記事一覧

上場企業が物言う株主から自社を守るための武器(第1回) ー 対話ガイドラインにおける政策保有株式の記載

今回から「上場企業が自社を物言う株主から守る武器」として、いくつか重要と思われる論点を掲載したいと思います。企業が物言う株主から自社を守るには、経営トップはじめ経営陣が物言う株主の立場になり、先んじて検討・対策をすることが何より重要です。…

ゼネコン各社の政策保有株式の縮減状況(2020年度アップデート)ー大林、大成は縮減があまり進まず。一方、西松は大きく縮減

ゼネコン各社の2021年3月期の有価証券報告書が開示されました。以前にもブログで主要各社の政策保有株式の増減数を書きましたが、2020年度の数値をアップデートします。 有価証券報告書の「保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式」の中の「…

上場企業の経営トップが物言う株主から自社を守る武器としてのコーポレート・ガバナンス

最近の新聞報道を見ると物言う株主の記事を頻繁に目にします。しかも、物言う株主を批判するのではなく、擁護する立場の記事です。東芝問題についての日経新聞の報道なども完全に物言う株主である投資ファンドを擁護し、一方で、東芝と経産省を批判する内容…

エーザイは今年も買収防衛策を取締役会決議で継続更新 ー 「患者と生活者を含む主要なステークホルダーズの安心と安全を守るため」

先日、エーザイはアルツハイマー新薬の承認で大きく話題になりましたが、そのエーザイは本年も買収防衛策を継続更新したようです。 https://www.eisai.co.jp/news/2021/pdf/news202147pdf.pdf エーザイの買収防衛策は、他社の買収防衛策と承認プロセスが大き…

自動車部品サプライヤーとEV化 ー リケン(6462)の2020年度決算説明資料での開示

ピストンリングで日経向け首位のリケンの2020年度通期決算説明資料(2021年6月15日公表)で内燃機関搭載車のピークアウト等が記載されています。 https://www.riken.co.jp/ir/plan/pdf/setumei_21.pdf リケンでは、内燃機関搭載車のピークアウト…

自動車部品サプライヤーとEV化 ー 日本ピストンリング(6461)の有報(2021年3月期)での開示内容

以前に自動車部品サプライヤーについて次の記事を掲載しました。私の投資先銘柄の中でEV化により影響を受ける可能性のある銘柄があり、中長期での動向を探るべく、まずはEV化でエンジンが不要になったと仮定した場合、大きな影響があると言われている自…

ゼネコン各社の定時株主総会日 ー 総会後、2020年度の有価証券報告書で政策保有株式数を確認します

来週は上場企業各社(3月期決算企業)の定時株主総会が一斉に開催されます。 ゼネコンの定時株主総会日は、前田建設工業:23日、大林組」24日、東洋建設・鹿島・大成建設・若築建設:25日、安藤ハザマ・東亜建設・戸田建設:29日、清水建設・西松建…

西松建設の幻の6号議案 ー 特定株主グループによる株式買増しの中止等要請に関する株主意思確認の件

本日は5,000株ほど保有しているある小型銘柄の企業の中期経営計画の機関投資家向けの説明会動画を見て、不明な点があったので、その企業のホームページにあるIR質問の箇所からメールでIR部に何点か質問をしました。過去にもこの会社には複数回、決算…

東証がコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)を6月11日に公表 ー 上場企業・投資家は東証のパブコメの結果を読みましょう

金融庁のフォローアップ会議でこれまで議論されてきたコーポレートガバナンス・コードの改訂作業ですが、6月11日に東証が改訂コーポレートガバナンス・コード(CGコード)を次のとおり正式に公表しました。 https://www.jpx.co.jp/news/1020/nlsgeu0000…

個人投資家のアクティビズム ー まずは投資先企業の株価が割安かどうかを判断するのが最初のステップ

本日の日経ヴェリタスで「みんなのアクティビズム」というタイトルの記事がありました。上手い表現だなと思います。日経ヴェリタスは勤務先で定期購読しているので、明日、記事をさっと読んで見たいと思います。 さて、前回、個人投資家の武器として次の記事…

エンジン搭載車の今後の割合は? ー 「パワートレイン別長期見通し」より(経産省 自動車新時代戦略会議資料)

自動車部品サプライヤーの自動車のEV化に伴うリスクについて整理をしていますが、昨日までにざっと何社か調べた結果を紹介します。手間をかけずに調べたので、各社の決算説明会資料や昨年度の有価証券報告書からの抜粋です。 リケンの2019年度の有価証…

自動車のEV化で不要になる自動車部品 ー 今後の各社の決算を注視するのが一番大事

投資先に自動車用の鋳物の材料関連銘柄があり、自動車のEV化に伴い鋳物がかなり減少するリスクがあり気になっていたので、昨日、あらためてEV化により不要になる自動車部品の情報収集をしました。 大きく分けるとエンジン部品、駆動部品、電装品があると…

西松建設が「特定株主グループによる株式買増しの中止等要請に関する株主意思確認の件」の議案を取り下げ ー この議案は何?

本日の日経新聞に西松建設が「買増し巡る議案撤回」という記事がありました。村上世彰氏の関わる投資会社であるシティインデックスイレブンスから西松建設株の買い増し中止の同意が得られたので、本年の株主総会で上程予定であった「特定株主グループによる…

地熱発電施設を2030年に倍増する考えのようです

本日は週1回の在宅で仕事をする日ですので、細かい資料作成作業ではなく、周辺情報の収集・整理に集中する予定です。昨日、アマゾンで「ずば抜けた結果の投資のプロだけが気づいていること」(幻冬舎新書)を中古で購入しました。著者は苦瓜達郎氏(199…

東都水産の株主総会は6月16日 ー マルハニチロの株主提案に反対しています

香港の投資ファンドのオアシスアセットマネジメントが東洋製罐グループホールディングに株主提案をしました。業績連動報酬制度の導入、相談役・顧問等の廃止、環境エンゲージメントの強化等の株主提案ですが、個人投資家にとっても参考になる内容ですので、…

4月の鉱工業生産指数 ー コロナ前の水準を上回る

株式投資をする上でマクロ経済指標は市場全体の傾向を知る上で重要ですが、5月31日に4月の鉱工業生産指数が公表されました。鉱工業生産指数とは、鉱業と工業の2つでどの程度、モノが作られたかを示う指数であり、鉱業と工業でGDPの約4割を占めると…

アイ・アールジャパンの株主総会議案にISSが反対推奨 ー アイ・アールジャパンはびっくり?

株主サービスを提供しているアイ・アールジャパンは今年の定時株主総会で次のとおり定款一部変更議案を上程することを予定しています。内容は、場所の定めのない株主総会の開催を可能とするための定款変更になります。 https://www.irjapan.jp/ir_info/relea…

投資先企業を物言う株主目線から分析する際の着眼点

物言う個人投資家の武器として、本日は投資先企業を分析する際の視点をごく簡単に紹介します。物言う株主であるストラテジックキャピタルが投資先企業の取締役とのエンゲージメンの際の視点を公表しており、これが非常に参考になります。 https://stracap.jp…

ゼネコン各社のFY20業績実績とFY21業績予想 ー FY21は増収予想ではあるも伸び率は低い

本日はゼネコン各社の業績一覧を紹介します。少し前にばらばらと各社のFY21業績予想を紹介しましたが、今回はFY20の実績値と併せて一覧で数値のみを書きます。まずは、対年度比較での売上高、営業利益の伸び率になります。 FY20売上高 / 営業利…

成長への事業選択を要求する株主提案の増加の可能性 ー 事業再編実務指針の精読の薦め

5月18日の日経新聞に「来るか、株主提案『第3弾』」とのタイトルの記事がありました。最近の株主提案は従来のものと質が変化し、企業がどう成長するかを追求する動きに変化してきているというものです。 株主提案は第1弾から第3弾の流れにあるというこ…

「物言う個人投資家」の武器としてのコーポレートガバナンス

5月14日の日経新聞にインベストメント・チェーン特集が組まれており、「物言う」機関投資家というタイトルの記事がありました。「物言う株主」は、いわゆるアクティビストであり、企業に対して会社法上の株主提案権を積極的に行使して、企業価値の向上を…

物言う株主が気候変動に照準 ー 浦島太郎はNGですが、過度に頑張り過ぎるのもNGです

本日は週1回のテレワークの日にしたのですが、予想に反して朝から作業に追われる1日でした。じっくり資料と本を読み(プラス、株式相場のウォッチ)、今後の業務の企画をする予定でテレワークにしたのですが、朝から細かい事務作業や人との頻繁なコミュ二…

ゼネコン業績:若築建設、大成建設、戸田建設、前田建設工業、鹿島建設、東亜建設工業の2021年度業績予想

今週は業務が多忙で、週1回を予定しているテレワークもできませんでした。じっくりと情報を収集する時間的余裕がゼロで、来週も1週間同じ状況が続くのですが、本日は、時間をかけて諸々の情報整理、ブログ記事掲載、読書をしたいと思います。 さて、本日の…

ゼネコン業績:大林組・安藤ハザマ・東洋建設の2021年度の業績予想

本日の日経平均株価は前日比699円安の27,448円です。この数日続落ですが、このまま更に下がったところで保有銘柄の買増しをしたいと思っており、忙しい中でも株価の動きだけは毎日ウォッチしています。 さて、本日も業務多忙のため、昼休みに株価を…

ゼネコン業績:西松建設・五洋建設の2021年度の業績予想

昨日の日経新聞でインベストメントチェーン特集が3ページにわたり記載されており、「物言う機関投資家」、「ESGの視点」など分かり易く簡潔に解説がありましたので、まだご覧になっていない方は、さっと目を通されるとよいかと思います。 5月11日に西…

アクティビスト保有銘柄はやはりかなりお薦め ー西松建設が年80円増配

本日の日経新聞で西松建設が年80円増配との記事がありました。昨日は西松建設の決算発表で、私は見る時間がなかったのですが、2019年度、2020年度ともに年間配当105円でしたが、2021年度は185円とするようです。利益配分に関する基本方…

買収防衛策の有効期間満了前の廃止 ー 稲畑産業が22年6月の前に廃止決定

本日の日経平均株価の終値は前日比909円安の28,608円と結構大きく下げ、私の保有銘柄も軒並み大きく下げました。本来であれば、この下げ局面で買い増しをすべきですが、本日は仕事が忙しく、昼休みに買い注文を出す余裕が全くありませんでした。先日…

ゼネコン業績:清水建設の2021年度の業績予想 ー 売上高+6.4%、営業利益△23.6%

3月期決算企業の通期決算発表が今週から相次ぎます。ゼネコンの業績については、ある理由から注視をしているところですが、昨日、清水建設が通期決算を公表しました。 https://pdf.irpocket.com/C1803/eq9A/G98U/o0xB.pdf 2020年度の業績は、前年比で売…

1980年代の米投資家ブーン・ピケンズと小糸製作所の攻防

先日のブログで「1980年代のブーン・ピケンズ による小糸製作所の買収の件も今の時代に起こっていたら、ブーン・ピケンズに賛同する株主も大勢いたかも知れません」と記載しましたが、本日はこのブーン・ピケンズ氏による小糸製作所株の買占めの攻防の件…

京阪ホールディングス(9045)が買収防衛策を非継続 ー 独立社外取締役が過半数いない企業は継続は厳しいのが現状

京阪ホールディング(株式時価総額約4,000億円)の買収防衛策が本年の定時株主総会の終結の時をもって更新期限を迎えますが、京阪ホールディングは5月7日に廃止することを公表しました。 https://www.keihan-holdings.co.jp/ir/upload/2021-05-07_boue…