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西松建設が「特定株主グループによる株式買増しの中止等要請に関する株主意思確認の件」の議案を取り下げ ー この議案は何?

本日の日経新聞西松建設が「買増し巡る議案撤回」という記事がありました。村上世彰氏の関わる投資会社であるシティインデックスイレブンスから西松建設株の買い増し中止の同意が得られたので、本年の株主総会で上程予定であった「特定株主グループによる株式買増しの中止等要請に関する株主意思確認の件」の議案を取り下げることを決定したということで、次のプレスを西松建設が公表しています。

https://www.nishimatsu.co.jp/assets/upload/ir_meeting/1622588506_074042600.pdf

西松建設村上ファンドとの間でこんなことが起こっていたことは新聞を見るまで知りませんでしたので、西松建設のホームページで株主総会の招集通知を見ると次のとおり第6号議案にありました。

https://www.nishimatsu.co.jp/assets/upload/ir_meeting/1622588429_002077200.pdf

はじめえて見る議案の名称ですが、要するに投資ファンド側が西松建設株を25%を超えて取得する場合には、株式買増しに係る西松建設株について、市場における売却又は西松建設が別途合理的に指定する方法により速やかに処分することを、2021年5月20日付けで特定株主グループに対して要請したことにつき、株主の承認及び賛同をお願いするというもののようです。

招集通知の全文の詳細がまだ読めていないこともあり、少し良く分からないところもありますが、招集通知には「本議案は、本要請を行ったことについて株主の皆様のご意思を確認するものであって、いわゆる買収防衛策に当たるものではございません。当社としては、本議案について上記の出席株主の過半数の賛同によるご承認を得られた場合は、特定株主グループにおいて本要請を遵守していただけるものと確信しております。」とあり、買収防衛策とは違うことが記載されています。

西松建設は撤回をしたようですが、明日以降に西松建設の招集通知をじっくりと読んで見たいと思います。日本アジアグループとシティインデックスイレブンスの攻防で日本アジアが負けたこともあり、買収防衛策的な対抗措置をとる場合には、株主総会の決議を経ておくのが無難という企業サイドの意思が見えます。ここ最近、投資ファンドの出現に対して買収防衛策又はこれに類する対抗措置を講じることを想定した事案が増えている印象を受けます。

買収防衛策の在り方を巡る議論が法務省経済産業省あたりで開始する動きが近い将来、出てくるかも知れませんね(勝手な想像ですが)。