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東都水産の株主総会は6月16日 ー マルハニチロの株主提案に反対しています

香港の投資ファンドのオアシスアセットマネジメントが東洋製罐グループホールディングに株主提案をしました。業績連動報酬制度の導入、相談役・顧問等の廃止、環境エンゲージメントの強化等の株主提案ですが、個人投資家にとっても参考になる内容ですので、今週末以降に整理してブログでも紹介したいと思います。

さて、東都水産ですが、大株主のマルハニチロから株主提案を受け反対しているところですが、定時株主総会の招集通知が開示されました。6月16日が株主総会日です。

https://www.tohsui.co.jp/ja2/wp-content/uploads/2021/05/tdshoshu2021.pdf

マルハニチロの取締役1名選任の株主提案について反対していますが、反対の理由の一部を抜粋すると次のとおり記載されています。

上場企業の経営は、特定大株主だけではなく一般株主も含めた株主共同の利益のために行うことを心掛けるべきところ、次のとおり、本提案は当社の経営方針と相容れないばかりか、当社の企業価値・株主価値にとって具体的なメリットがあるのかに疑問を有し、また、当社の企業秘密が競合他社に流出しかねないことなど、当社にとって大きな不利益が生じることが危惧されることから、賛成はできないとの結論に至りました。全国的に大手水産卸売業者が上場水産会社の資本参加や役員派遣を受けて色分けされる中、当社は創業以来、いわゆる独立系として自由度を保った独立した経営を進めてまいりました。当社取締役会は、このような自由度を保った独自の経営戦略に基づいて、安定した成長路線を歩むことが、企業価値向上にとって最善であると同時に、市場や卸の活気を失わないことにより、流通に携わる方達の創意工夫が生み出される契機の多様性、各家庭や外食業などの施設で水産物を楽しむ魚食文化の発展的育成に資するところがあると考えております。提案株主は本提案で、豊洲市場における水産物流通の変革を進める最も有力な方法として、近い将来の市場再編があり、その検討を加速させるためのものである旨を説明していますが、当社として現時点では主体的にこれに同業者と協働して着手することを考えておりません

提案株主が本提案で社外取締役候補者として推薦している粟山治氏は、マルハニチロ株式会社の取締役専務執行役員であります。マルハニチロ株式会社は、豊洲市場内において当社との競業企業である大都魚類株式会社を完全子会社化しております。本提案が承認され、当社における有形無形を問わないノウハウがマルハニチロ株式会社ないし同社を介して大都魚類株式会社に流出する可能性が生じ得ることは、弊社及び弊社の株主にとって極めて不可逆的な打撃となるため、本提案には受け入れ難いリスクがあると認識をいたします。以上から、当社取締役会は、本議案が当社の企業価値・株主価値の向上にとって有益なものとはいえず、同時に当社の企業価値・株主価値を毀損するおそれが否定できないものと考えております。

要するに独立独歩でやるので、マルハニチロは絡んでくれるなという主張のようです。マルハニチロの株主提案に対してISSがどう判断したのか不明ですが、株主提案はどの程度の賛同が得られるでしょうか。引き続き注視したいと思います。なお、東都水産について前回の記事は次のとおりです。