中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

最近のコーポレートガバナンスと資本市場の動向を踏まえ、上場企業実務の視点から中長期での企業価値向上に役立つ情報分析・発信をしていきます。個人投資家のコーポレートガバナンス力の向上による「意思のある投資」に役立つ情報発信もしています。また長期での割安株投資の情報も

2018-01-01から1年間の記事一覧

改訂コーポレートガバナンス・コードを踏まえた個人株主のアクティビズムの可能性(3)-1

前回、改訂CGコードの観点から個人株主によるアクティビズムについて、取締役会の多様性の側面から記載しましたが、4月25日に株式会社フェイス(4295)に対してアールエムビー・ジャパン・オポチュニティー・ファンドから株主提案があり、それについてフェイ…

改訂コーポレートガバナンス・コードを踏まえた個人株主のアクティビズムの可能性(2)

今回より、個人株主の株主アクティビズムに関して、改訂コーポレートガバナンス・コード(改訂CGコード)との関係について検討をはじめたいと思います。 まずは、今回の改訂CGコードにおいては、14の原則及び補充原則の修正・新設がされていますが、該当する…

改訂コーポレートガバナンス・コードを踏まえた個人株主のアクティビズムの可能性(1)

4月17日に改訂コーポレートガバナンス・コード案(改訂CGコード)に対する経済団体連合会(経団連)の意見が経団連のホームページで公表されました。 改訂CGコードは、4月下旬締め切りでパブリックコメントを募集していますので、これに基づく意見になります…

日立製作所が800社を超えるグループ会社の約4割を今後削減する方向

4月14日の日本経済新聞に「日立製作所が2021年度を目途にグループ会社を約4割を削減する方針」との記事がありました。 800社程度ある傘下のグループ会社を統廃合して、500社程度にまで削減するということです。日立製作所は800社もグループ会社があるという…

オーナー企業は一般企業(サラリーマン社長の会社)より収益性などが高い

4月14日号の週刊ダイヤモンドに「外国人投資家が熱視線 オーナー社長」とのタイトルの記事がありました。 さらっと読んだところ、海外機関投資家は日本株投資では、オーナー社長を高く評価しているということです。 オーナー社長の反対語がサラリーマン社長…

物言う株主の投資先企業であるGMOインターネットの定時株主総会での熊谷社長のコメントからの気付き

物言う株主であるオアシス・インベストメンツがGMOインターネット株式会社(以下「GMO」)の定時株主総会で株主提案を行い、結果としてGMOでの株主総会では否決されたことは以前にブログで書いていますが、4月6日にGMOのホームページで熊谷社長が総会当日…

ダイバーシティ2.0行動ガイドラインが改訂の方向で検討開始

2週間ほど前にある新聞で、経産省が「ダイバーシティ2.0行動ガイドライン」を改訂する方向で本年4月中を目途に検討会を立ち上げるとの記事がありました。 このガイドラインは、2017年3月に経産省が公表しており、同ガイドラインによれば、「ダイバーシティ2…

ESG投資家が企業の株価に及ぼす影響

先日の日本経済新聞に「物言うESG投資家」のタイトルの記事が掲載されていました。 記事の内容は、フェイスブックが利用者の個人情報が不正に第三者に渡っていた疑惑を受けて、海外のある運用会社が、運用するESG上場投資信託で3.9%と上位組入銘柄のフェイ…

金融庁がコーポレートガバナンス・コード改訂案及び投資家と企業の対話ガイドラインを公表

3月26日に金融庁がコーポレートガバナンス・コード改定案、投資家と企業の対話ガイドライン案を公表しました。 金融庁のホームページを見ますと、対話ガイドラインについては、本年4月29日までにパブリックコメントを受け付けるということのようです。 コー…

オアシス・マネジメントによるGMOインターネツトに対する株主提案が否決

物言う株主のオアシス・マネジメントが総合IT企業のGMOインターネットに対して3月21日に開催された定時株主総会において株主提案をしていましたが、株主総会では、株主提案は否決されました。 株主提案は、買収防衛策の廃止、買収防衛策の導入方法の株主総…

グループ会社間でも企業統治の透明性が求められるか

3月23日の日本経済新聞のスクランブルに「身内」提案も真剣勝負とのタイトルで同じグループ企業からの株主提案の動きについて記載されていました。 株式会社UACJの筆頭株主である古川電工(24.9%出資)がUACJの役員人事案に対して見直しを提案しており、同…

対決型株主総会の増加を踏まえた上場企業の本年の株主総会での準備の視点

3月21日の日本経済新聞の19面に「3月総会 増える対決型」との記事がありました。物言う株主の活動の活発化により、株主提案が3月総会で過去最高になっており、企業と株主が対峙するケースが増加しているということです。 ブログでも何度も書いています…

各国の上場企業の女性取締役比率

前回、コーポレートガバナンス・コードの改定案が公表されたことを書きましたが、改定案では、取締役会の構成としてジェンダーや国際性も明記されています。 金融庁のホームページから、第14回フォローアップ会議の議事録を見ますと、女性の委員から、ジェン…

コーポレートガバナンス・コードの改定案が公表

先日の日本経済新聞に金融庁が企業指針改定案公表との記事が出ましたが、これは3月13日開催の第15回の「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」において、コーポレートガバナンス・コードの改訂案が提示された…

日本ペイントホールディングスが取締役選任に関する株主提案に賛成

2018年3月1日に日本ペイントホールディングス(以下「日本ペイント」)が、シンガポール大手塗料メーカーであり、日本ペイントの筆頭株主であるウットラムからの株主提案に対して、取締役会は賛成する旨のプレスリリースを出しました。 株主提案が出された…

香港投資ファンドのオアシスがGMOの株主に対して株主提案を推奨

先日、GMOインターネット(以下「GMO」)の株主提案に対してGMOの定時株主総会の招集通知において、取締役会の反対意見が掲載されていることを紹介しましたが、これに対して、3月9日付けで投資会社であるオアシスより、取締役会意見に対する反論が報道関係者…

日本生命、第一生命等の生保10社各社が集団的エンゲージメント(企業との対話)を開始

日本生命、第一生命が投資先企業に対して、集団的エンゲージメント(対話)を開始するとの報道が先日ありました。 集団的エンゲージメントは、2017年4月に改訂されたスチュワードシップコードにおいて「集団的エンゲージメントも有益である」として評価をさ…

GMOインターネットに対する香港投資ファンドのオアシスからの株主提案(3/21に株主総会開催)

GMOインターネツト㈱(以下「GMO」)の本年3月21日に開催される定時株主総会(12月決算期)において、香港の投資ファンドであるオアシス・マネジメント・カンパニーが株主提案を出していましたが、3月6日付でGMOは株主総会の招集通知を発送しており、その中…

政府が女性取締役の「1名以上起用」の企業統治の方針を公表

先日の日本経済新聞で、金融庁は上場企業に女性取取役の起用を促す方針との記事が掲載されました。 金融庁のコーポレートガバナンスのフォローアップ会議のこれまでの議事録を見てきましたが、女性取締役の起用の話は出ていませんでしたので、どこから出た方…

「コーポレートガバナンス改革」の言葉に安易に流されないための視点

先日の日本経済新聞によれば米国の上場企業数が3600社となり、一方、日本の上場企業数は、3700社で米国を上回ったとのことです。 米国では、ピーク時の1990年代には7000社ほどあり、その時に比べて半減したとのことのようです。半減の理由としては、次の2つ…

「 上場会社における不祥事予防のプリンシパル」と機関投資家と企業の対話

シンガポールの政府系投資会社であるGCIが投資先である日本企業との対話を進め、経営改善を働きかける方針であるとの記事がありました。 日本企業の相次ぐ不正に対して、コーポレートガバナンスに関する経営陣の考え方を更に変える必要があるということのよ…

アクティビスト(物言う株主)に狙われる中堅上場企業

昨日の日本経済新聞で、企業向けIRを支援するアイ・アールジャパン(東証1部)が、会社が物言う株主に狙われ易いかどうかをAIを使って分析するサービスを開始したとの記事がありました。 アイ・アールジャパンは、過去10年間に大量保有報告書に登場したアク…

「投資家と企業の対話ガイドライン(案)」における政策保有株式の扱い

「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」が開催されており、2月15日に第14回会議が開催されました。 ここ数回の議論では、本年の株主総会シーズンまでに投資家と企業との対話ガイドラインを策定すること、コ…

「人づくり改革」と学習塾・幼児教育・介護・学習補助・リカレント教育関係の銘柄

新しい経済政策パッケージが昨年12月8日に公表され、その中でコーポレート・ガバナンスについて記述があることは以前にブログでも書きましたが、本日は、同パッケージの中の目玉の1つであります「人づくり革命」について紹介します。 新しい経済政策パッケ…

ESGアクティビズムの動き

2月6日付の日本経済新聞で「ESGアクティビズム」の記事がありました。 ESGアクティビズムとは、特に正式な法律用語などではなく、ESG情報をベースに上場企業にアクティビズム活動、つまり物言う株主として提案をすることをいいます。 記事によれば、米アップ…

最後の岩盤である政策保有株式の解消のゆくえ

先日の日本経済新聞に「最後の岩盤を崩すのは投資家」との記事がありました。 要するに、政策保有株式の弊害は大きく、これを崩すことを投資家に期待するという記事です。 政策保有株式については、昨年12月20日にもブログで「新しい経済政策パッケージの下…

カゴメが個人株主向けに決算説明会を開催

1月27日付の日本経済新聞によれば、カゴメが本年2月中旬に、初めて個人株主向けの決算説明会を開催するとのことです。 通常、上場企業であれば4半期決算の開示後に、年に複数回はアナリストを集めて決算説明会を開催することが多いですが、同様の決算説明…

社外取締役を取締役会議長にする上場企業が増加する傾向

1月18日の日本経済新聞に社外取締役を取締役会議長にする上場企業が増えているとの記事がありました。 JPX日経インデックス400構成企業のうち、社外取締役を議長にしている企業は、14社となり、前年より3%増加したとあります。 まず、社外取締役を議長にす…

物言う株主であるオアシス・マネジメントによるGMOインターネットに対する株主提案

この1週間は業務が非常に多忙で、ブログの更新の時間が全くありませんでしたが、少し時間が出来ましたので、久しぶりに更新します。 1月18日付の新聞報道によれば、香港の投資ファンドで、物言う株主であるオアシス・マネジメントがGMOインターネットに対…

米国の議決権行使助言会社であるグラスルイスの取締役会の多様性に関する要求

1月8日付の日本経済新聞で米国の議決権行使助言会社であるISSジャパンの日本法人代表の石田猛行氏とグラスルイスのシニアディレクターである上野直子氏の企業の取締役会の多様性に対するコメント記事が掲載されていました。 議決権行使助言会社とは、株主総…