「公正なM&Aの在り方に関する指針」はご存じでしょうか?2019年6月28日に経済産業省が制定した指針で、MBOや上場子会社の非公開化におけるベストプラクティスを提示したものになります。
https://www.meti.go.jp/press/2019/06/20190628004/20190628004_01.pdf
しかし、MBOや上場子会社の非公開化だけにとどまらず、利益相反構造等が問題となり得る様々な取引に応用可能とされており、日本のM&A取引に大きな影響を及ぼしております。望ましいM&Aであるためには、①企業価値向上に資するか否かを基準に判断されるべきであり、②公正な手続でなされ、一般株主が享受すべき利益が確保されるべきとされています。
対抗的なTOBの場合であれば、対抗提案が具体的であり、実現可能性がある真摯な提案である限り対象会社の取締役会は提案内容が企業価値、ひいては株主価値向上に資するか否かを真摯に検討すべきということになります。
今回のオーケーの関西スーパーに対する買収提案に関しても基本的にこの考えが該当するのだと思います。つまり、関西スーパーの取締役会・独立委員会は、オーケーによる買収提案が先に検討していた経営統合よりも、関西スーパーの株主にプラスとなるか否かを検討する必要があるのだと思います。好き嫌いかよりも、公正かつ客観的に判断することが求められます。