コーポレートガバナンス、株式投資、企業価値、IRなどに関する投資家目線での実務ニュース ー 強い意志のある投資を目指して

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議決権行使助言会社への監視の強化 - 米国では2022年 総会シーズンから規制強化

今週、来週は連日業務多忙のため、気になる記事等を中心に簡潔に紹介したいと思います。1月11日の日経新聞に「『議決権行使助言』に監視の目」といいう記事がありました。

内容はこれまでも言われているところですが、議決権行使助言会社であるISS、グラスルイスへの監視の目が強まっているという内容です。助言会社の影響力が強まる中、助言会社の議決権行使推奨の内容に誤りがあるケースが多いということです。

このような背景の中、米国では助言会社への規制が導入され、2022年総会シーズンより規制対象になるようです。その内容が日経新聞に記載されていますが、次の3点ほどです。

  • 助言会社の推奨は証券取引規制の対象となる「勧誘」であると明確化された
  • 助言会社が推奨を投資家にわたす際には、対象企業にも送付するよう義務付け
  • 企業が反論や補足説明をした際には、投資家に速やかに伝えさせる

このような規制がされると会社提案議案に対して助言会社は反対推奨をすることに委縮する懸念もあるかも知れません。

今回の規制は米国の助言会社への規制のため、日本の基準の規制に適用はないですが、日本のISS、グラスルイスへの規制も今後強化される方向になるかも知れません。ちなみに、スチュワードシップ・コードの2020年3月改訂において、助言会社については、次のような規定が盛り込まれました。

8-2 議決権行使助言会社は、運用機関に対し、個々の企業に関する正確な情報に基づく助言を行うため、日本に拠点を設置することを含め十分かつ適切な人的・組織的体制を整備すべきであり、透明性を図るため、それを含む助言策定プロセスを具体的に公表すべきである

8-3 議決権行使助言会社は、企業の開示情報に基づくほか、必要に応じ、自ら企業と積極的に意見交換しつつ、助言を行うべきである。助言の対象となる企業から求められた場合に、当該企業に対して、前提となる情報に齟齬がないか等を確認する機会を与え、当該企業から出された意見も
合わせて顧客に提供することも、助言の前提となる情報の正確性や透明性の確保に資すると考えられる。

助言会社については、色々と深い論点があるのですが、本日のブログで詳細を記載する時間がないので、本日は簡単に紹介にとどめたいと思います。