中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

最近のコーポレートガバナンスと資本市場の動向を踏まえ、上場企業実務の視点から中長期での企業価値向上に役立つ情報分析・発信をしていきます。個人投資家のコーポレートガバナンス力の向上による「意思のある投資」に役立つ情報発信もしています。また長期での割安株投資の情報も

空間ディスプレイ関連銘柄の決算概況 – 私は強く「買い」推奨と考えます  

夏期休暇2日目ですが、この2日間は保有銘柄の有価証券報告書、直近の四半期決算短信と決算説明会資料などを丹念に見て、今後の保有継続の是非、買い増し等の分析作業をしていますが、本日は空間ディスプレイ銘柄について説明します。 

私は空間ディスプレイ関連銘柄では、新型コロナウィルスで株価が下落した時に丹青社(9743)を購入していますが、先週、空間ディスプレイ関連銘柄の直近の四半期決算が出そろいました。空間ディスプレイとは、商業施設、文化施設、公共施設、博覧会、展示制作などの企画・設計・制作、施工監理を行うことです。

この業界は、乃村工藝社(9716)、丹青社(9743)、スペース(9622)の3社があり、市場シェアもこの順になっています。決算期が異なりますが、直近の3ヵ月の損益の前年同期比較は、次のとおりです。

  • 乃村工藝社 3月~5月:売上 △17.4%、営業利益 △46.2%
  • 丹青社   2月~4月:売上 △ 6.1%、営業利益 + 4.4%
  • スペース  4月~6月:売上 △ 9.9% 営業利益 △46.1%

空間ディスプレイ銘柄は、東京五輪の開催が微妙な状況であり、小売、イベント等の銘柄の業績がボロボロのため、コロナが株式市場で意識され始めた1月21日以降は大きく株価は下げています。しかし、コロナのピンチは空間ディスプレイ業界には大きなチャンスになると考えています。人々が集まる様々な空間は、コロナを意識した設計に変えていくのだと思います。文化施設1つをとってもコロナを前提にした空間変更にいち早く対応できた企業が優位に立つなど、このように空間ディスプレイのニーズは今後ますます高まるはずと考えています。

スペース(9622)の決算が8月7日と一番直近のため、今後の見通しで何か記載があるか想像して発表発表を待っていたのですが、決算説明会資料の19ページに「新型コロナウィルス感染症が事業環境に与える影響」というページがあり、「当社グループの事業活動」として、次のことがあげられています。

  • 社会の変化に対応し顧客のニーズに応える提案型営業活動の強化
  • 収束後の社会変化を考慮した施設計画や次世代型SC計画、企画の要望が増加する可能性あり

私が丹青社株を購入した理由がまさしくここに書かれており、基本的に投資の方向性の読みはあっているように考えています。東京五輪の中止の発表で株価は一旦かなり下げると思いますので、東京五輪の中止(または万一、開催の場合はそこから株価上昇)の報道には注意して、しかるべくタイミングで丹青社を買い増して行きたいと思います。