中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

最近のコーポレートガバナンスと資本市場の動向を踏まえ、上場企業実務の視点から中長期での企業価値向上に役立つ情報分析・発信をしていきます。個人投資家のコーポレートガバナンス力の向上による「意思のある投資」に役立つ情報発信もしています。また長期での割安株投資の情報も

低PBR企業は株価向上施策が東証から強く求められることになります ー 東証のフォローアップ会議資料より

昨日、東証の市場区分の見直しのフォローアップ会議の第7回会議が開催されました。

第6回会議において、低PBRの企業が株価向上に取り組むことが東証案として出ていましたが、この点について、昨日の第7回会議での東証案では1箇所修正されました。フォローアップ会議の該当資料に次のような記述があります。

経営陣や取締役会において、自社の資本コストや資本収益性を的確に把握し、その状況や株価・時価総額の評価を議論のうえ、必要に応じて改善に向けた方針や具体的な取組、その進捗状況などを開示することを要請(継続的にPBRが1倍を割れている会社には、開示を強く要請)

「進捗状況などを開示する」ということが第7回の修正案での変化点です。念のため資料は次のとおりです。

https://www.jpx.co.jp/equities/improvements/follow-up/nlsgeu000006gevo-att/fi1l5r0000000tc8.pdf 

企業は取組みを開示するだけでなく、それを実効あらしめるため、進捗まで開示せよということか求められているわけです。結構厳しいですね。そして、今回の東証案によれば、これはプライム企業だけでなく、スタンダード企業にも求められます。アクティビストにとっては、自分たちの行動を後押しする強力な材料ですね。

低PBR企業がいつまでたっても株価が向上しない場合、アクティビストが株価向上につながる大胆な施策を株主提案をしたような場合には、これに賛同する機関投資家が多くなるということです。企業はこれまで以上に株価向上に真剣に取り組むことになるわけですから、個人投資家にとっても、アクティビストが今後投資するような銘柄は投資候補先として考えてよいかも知れません。