コーポレートガバナンス、株式投資、企業価値、IRなどに関する投資家目線での実務ニュース ー 強い意志のある投資を目指して

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第2四半期決算短信の読み方 ー 個人投資家のファンダメンタル投資の視点から

最近、アクティビスト、買収防衛策、コーポレートガバナンス関係の記事が続いていますが、本日は話題を大きく変えて、株式投資をする上での決算短信の読み方のポイントを記載します。機関投資家の方にはあまりにも初歩的過ぎることですが、個人投資家の方に参考になればと思います。

3月期決算企業は、第1四半期(1Q)発表も終わり、あと1~2ヵ月で第2四半期決算の発表がはじまり、第2四半期決算短信が開示されますが、個人投資家にとって読むべきポイントはどこかといいますと、大きくは2点かなと思います。

1点目は4-6月(1Q)、7-9月(2Q)の3ヵ月に分けての損益の分析です。四半期決算短信は累計の業績が開示されます。つまり、第2四半期決算短信であれば、損益は4-9月の6ヵ月の累計の損益(売上高、営業利益、経常利益など)です。この6ヵ月の数値で前年同期比で伸び率を見る方が多いかと思いますが、これは不十分で7-9月の3ヵ月の数値を見る必要があるかなと思います。

やり方は単純で第2四半期決算短信の累計数値から、第1四半期決算短信の数値を引き算をすればよいのです。これにより7-9月の3ヵ月の数値を出し、同様に前年の3ヵ月の数値も算出し伸び率を比較するのです。これにより、前年比較だけでなく、直近の四半期からの数値の変動を把握できます。企業によっては決算短信の最後のページに細かい数値を記載している場合もあるので、それを利用してもよいかと思います。

2つ目が今期の業績予想値から見た数値の進捗率の把握です。決算短信の最初のページの下のところに今期の業績予想が掲載されています。売上高、営業利益、経常利益などの数値です。企業が通期見通しを上方修正又は下方修正することで株価は大きく変動するかと思いますが、それに先立ち、四半期毎の進捗を計算して把握します。

つまり、1Qの3ヵ月の進捗率、6ヵ月の進捗率、9ヵ月の進捗率です。ただし、単年度の数値の進捗率を見てもあまり意味はありません。例えば、下期で利益が増える企業もあり、また、そうでない企業などもあるので、過去の進捗率と照らし合わせることが必要かと思います。

以上、個人投資家にとっては、四半期の3ヵ月毎の数値の分析と進捗率の分析が四半期決算短信を見る時のポイントですが、期間としては面倒ですが、過去10年分の数値をエクセルで四半期毎に纏めて分析することが望ましいと思います。そうすることで、その企業の伸び率も細かく分かるほか、進捗率のクセも分かります。それ以上に重要なのは、株主総会で議長に的確な質問をできますし、IR部門に問い合わせをする際にも鋭い質問が出来るかと思います。

私の場合、投資先が中小型銘柄のため、個人投資家向けの説明会を開催していないところがほとんどですので、遠慮なく投資先企業のIR部門にメール等で時々質問をすることもありますが(多分「面倒な奴」と思われているのかも知れませんが、失礼のないような丁寧な質問とすることは常に心がけています)、企業の担当者よりも深い分析をするなど「用意周到」「準備万端」が大事かなと思います。