中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

最近のコーポレートガバナンスと資本市場の動向を踏まえ、上場企業実務の視点から中長期での企業価値向上に役立つ情報分析・発信をしていきます。個人投資家のコーポレートガバナンス力の向上による「意思のある投資」に役立つ情報発信もしています。また長期での割安株投資の情報も

書籍紹介「ずば抜けた結果の投資のプロだけが気づいていること」(幻冬舎新書)

本日はごく簡単に書籍を紹介します。数ヵ月前に読んだ本ですが、「ずば抜けた結果の投資のプロだけが気づいていること」(幻冬舎新書)です。著者は苦瓜達郎氏(1990年東大経済学部卒)で、国内中小型株式部門で過去6年連続で優秀賞等を受賞した三井住友DSアセットマネジメントのファンドマネジャーの方です。

一言でいうと、内容は薄く、プロの機関投資家や財務分析をして株式投資を実践している方は、まず読む必要はないであろう株式投資の初心者向けの本です。要するに中小型株を長期で投資する際の極めて初歩的な注意事項等が書いてあります。株式投資において財務分析などをしたこともなく、チャートだけ見て投資している大多数の個人投資家の方には、参考になる書籍と言えるのかも知れません。ただ、何点か参考になる記述もありましたので、紹介します。

まず、情報源として著者は、会社四季報を薦めています。数値の箇所ではなく、「業績予想・材料記事」を時系列で読み進めることを推奨しています。四季報の記者には、会社の説明を鵜呑みにして記載している者もいるので完全に信頼は出来ないですが、中小型株ですとアナリストレポートが発行されていない場合もかなり多いので、企業について第三者の目線を知る手段として四季報は有用かと思います。

次に、大型株では株価が低い場合、これは割安に評価されているわけではないということです。大型株は多くの人から注目されているにもかかわらず、株価が低いということは市場参加者の総意として企業の評価が低いということです。逆に、中小型株の場合、市場参加者が少ないので株価が適正に評価されておらず、割安に放置されている場合も多いということです。