本日の日経新聞で「バリュー投資は生きている」という記事がありました。独立系運用会社のヴァレックス・パートナーズの代表である安治郎氏が紹介されています。
同氏はバリュー投資をメインにしているということですが、バリュー投資とは、現在の株価がその企業の利益水準や資産価値などから判断して割安にあると考えられる銘柄を買い付ける手法でPERやPBRなどを用いて判断します。バリュー投資と対比して言われるのがグロース投資です。
バリュー投資は、本来のあるべき株価である理論株価より割安な銘柄ですので、将来、市場株価の上昇が期待できるのですが、必ずしも、「割安=株価が将来上昇」というわけではありません。カタリストが必要になります。
このため、優良割安株と万年割安株の見分けが重要になりますが、この点について、同氏の考える視点が書かれています。
1つ目は、2桁の高成長でなくともよいので、収益成長の可能性があること、2つ目は目先が赤字になっても長期的な成長に向けて思い切った投資を決断できる経営者がいるということをあげています。このため、投資先銘柄は、「株主と利害が一致しやすいオーナー経営者が好み」ということだそうです。オーナー経営者は、数十万株以上の株式を保有しているので、株価低迷は自分の財布を痛めますが、サラリーマン経営者は、持っていても数万株程度の保有です。サラリーマン経営者は、株価が下落してもお給料は毎月定額貰え、また保有株数もその程度ですので、オーナー経営者に比べて株価向上の意欲が低いということは良く言われるところであり、そのことを同氏は言っています。ヴァレックス・パートナーズは、運用資金25億円から始め、現在は600億円まで拡大したということです。
中長期の投資では、企業の長期での成長が必要になりますが、そのためには企業が高い参入障壁を持ち、それを長期で維持できるかという点が投資の大きなポイントになるのだと思います。