コーポレートガバナンス、株式投資、企業価値、IRなどに関する投資家目線での実務ニュース ー 強い意志のある投資を目指して

コーポレートガバナンス、中長期での株式投資、企業分析、企業価値評価、IR等について、新聞記事を中心に投資銀行・東証1部事業会社での実務経験を通じて気づいた観点を踏まえて分かりやすく解説していきます

個人投資家の中長期投資のための有価証券報告書の読み方 ① ー はじめに

来週から3月期決算の上場企業各社の1Q決算発表が本格化しますね。前にブログで書いたとおり、私は保有銘柄の四半期決算を見た後に、この3ヵ月間のその企業の周辺関連情報を踏まえて、必ず投資先企業のIR部門に疑問的を結構細かく質問をして、株式保有の前提に大きな変化がないかを確認するようにしており、これは個人投資家に出来る重要な作業かと考えています。

これに加えて、この時期であれば、既に6月末に公表されている2021年度の有価証券報告書(以後、有報と略します)の分析も重要かなと思います。私は、社会人1年目から仕事で有報の作成に関与してきましたが、株式投資をするようになってからは、他社の有報なども興味深く見るようにしています。この2~3年で有報の記述情報の記載も拡充していますが、幸いにして実務に関わっているので、各社の有報のポイントも比較的容易に理解できます。

ツイッターにも書いたのですが、本日の日経新聞で次の記事がありました。有報が投資判断と重要な材料ということです。

有価証券報告書で投資判断: 日本経済新聞

個人投資家も2つに分類されるかと思いますが、短期投資をしている方には有報は読む必要はゼロですが、中長期投資をしている方には重要な投資の判断材料と思います。このほかに物言う株主的な行動をしたいと思っている方にとっても重要な情報です。特に有報で重要なのは、記述情報と言われる非財務情報です。

財務情報は通期決算短信や決算説明会資料で細かい開示がされますが、それ以外の情報が細かく開示されているのが有報です。大型株に該当する企業であれば、統合報告書やアニュアルレポートを作成しており、そちらの方がより充実した非財務情報が開示されていますので、有報よりそちらの方が価値がある場合も結構あります。けど、中小型銘柄の企業の場合、統合報告書を作成していない企業も多く、また作成していても極めてしょぼいケースが多いです。そういう企業の場合、非財務情報を知るには有報は貴重な情報になります。

機関投資家の方は、有報を非常に細かく分析されていますが(当然ですが)、個人投資家の方は見たこともないし、見ても何が記載されているのか全く分からないという方がほとんどではないでしょうか?上場企業で本社で財務・経理の実務を担当されている方は、詳しくかとは思いますが。ということで、今後、不定期にはなりますが、個人投資家の方が有報を読む上で重要と思われる視点をブログでも書いて行きたいと思います。