中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

最近のコーポレートガバナンスと資本市場の動向を踏まえ、上場企業実務の視点から中長期での企業価値向上に役立つ情報分析・発信をしていきます。個人投資家のコーポレートガバナンス力の向上による「意思のある投資」に役立つ情報発信もしています。また長期での割安株投資の情報も

中長期株式投資の観点からの有価証券報告書の読み方

本日は、個人投資家の中長期でのファンダメンタル投資関連の情報を1つ紹介します。約3年前の金融庁の金融審議会の資料になりますが、みさき投資の説明資料「長期投資家の視点から見た有価証券報告書」になります。

https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/disclose_wg/siryou/20180123/08.pdf

中長期投資の観点からの有価証券報告書(以下「有報」といいます)の読み方が記載されています。有報で重点的に読むべき箇所がいくつか紹介されています。もっとも、資料だけだと分かりにくい点もあるので、議事録も一緒に読んだ方がよいと思います。議事録は次のとおりです。

金融審議会「ディスクロージャーワーキング・グループ」(第2回) 議事録:金融庁

個人投資家の方で有報を読まれている方はどの程度いらっしゃいますでしょうか?恐らくかなり少ないのではないでしょうか? 知ってはいるけども長い文章ですから、気が進まないという方も多いでしょう。

けど、中長期での株式投資において有報は結構重要です。

重要な財務情報は決算短信と決算説明会資料で足ると思いますが(特に決算説明会資料は最近充実している企業が負多いです。もっとも企業が自社に都合の悪いことはあまり書いてはいませんので注意も必要ですが)、数値以外の記述情報が有報ではしっかりと書かれており、これが投資家が読むべき箇所です。

株式投資をするに当たって、企業のことを知るために読むという使い方がありますが、それよりも重要なのが、投資をした後にその企業の有報の記述情報の変化点を見るという使い方が重要かなと個人的には思います。

そして、読んだ後に、疑問的は投資先企業のIR部門に何ら遠慮なく、どんどん質問することが大事です。もっとも形式的な記載しかしていない企業も結構多いのも事実ですので、その場合には、個人投資家が改善を促していくということも必要になるのかも知れませんね。