本日、1ヵ月ぶりに自分の個人用PCが修理から戻ってきました。この1ヵ月はもう1台の自宅の家族用PCでブログの記事を書いていたのですが、かなり重く、またキーボードが非常に使い勝手が悪く、記事を書くのに悪戦苦闘していました。やはり慣れ親しんだ自分のPCが一番です。
さて、本題ですが、本日の日経新聞に金融庁が議論中の四半期開示に関して次の記事が掲載されていました。
四半期決算の開示の見直しが進んでいることはご存じの方も多いと思います。金融庁の審議会の資料はまだ見ていないので、詳細を把握しきれてはいないのですが、新聞報道によれば、①四半期報告書は廃止し、四半期決算短信に1本化する ②将来的には適時開示を拡充することを条件に、四半期開示の義務をなくす方向ということのようです。
①はこれまでも報道のとおりですが、②は今回初めて聞いたので、今回、突如として出てきた考えかと思います。四半期決算短信の開示を任意とし、開示をするしないは企業の判断に委ねるということですね。この金融庁の公表を受けて、新聞の社説では四半期決算開示の任意化について反対する意見がありましたが、多くの機関投資家も反対する意見が強いのかも知れません。
そもそも四半期決算開示が批判されているのは、伊藤レポートに記載されているように株式投資のショートターミズムを助長することになるというのが大きな理由です。つまり、3ヵ月の業績数値を見て、アナリストが企業を評価し、結果、企業の株価が乱高下します。サラリーマン社長はオーナー社長と違って任期が短いこともあり、短期の業績に強くこだわり、長期での成長に資する研究開発費、設備投資等の戦略を企業は打ち出せず、中長期でのイノベーションが出来ないということです。
言わんとすることは分かりますが、中長期投資を志向する機関投資家であっても企業の業績の進捗は把握したいところだと思いますので、四半期での業績の開示がなくなるというのはよろしくないのだろと私は思います。けど、最大の問題は、現状の四半期決算の開示があまりにしょぼいという点だと私は思います。これがショートターミズムを助長している最大の要因かなと。
どういうことかと言いますと、四半期決算短信の開示内容があまりに少ないのだと思います。四半期(累計期間)のPLとBSの数値が記載されているだけで、あとは直近の四半期決算短信とほぼ変わらない経営成績の文章がつらつらと書いてあるのが多くの上場企業の四半期決算短信です。
とすると、記述情報(=数値以外の情報)が少ない分、投資家は数値のみで企業を判断せざるを得なくなります。例えば、コストインフレの売価転嫁が下期に効果が現れるのであれば、それを文章で書かないと投資家には分からず、結果、上期の決算短信の数値が芳しくないとマイナス評価をすることになります。
ということを考えますと、四半期決算短信自体が問題なのではなく、現状の四半期決算短信の開示の内容がそもそも問題なのだと思います。では、どうすればよいでしょうか? 続きは次回になります。