コーポレートガバナンス、株式投資、企業価値、IRなどに関する投資家目線での実務ニュース ー 強い意志のある投資を目指して

コーポレートガバナンス、中長期での株式投資、企業分析、企業価値評価、IR等について、新聞記事を中心に投資銀行・東証1部事業会社での実務経験を通じて気づいた観点を踏まえて分かりやすく解説していきます

物言う株主(アクティビスト)の視点からのコーポレートガバナンス・コードの読み方(第8回) ー 非財務情報の開示。非財務の意義

これまでコーポレートガバナンス・コードの第1章の「株主の権利・平等性の確保」について、資本政策の基本方針、政策保有株式、買収防衛策、MBOについて個人投資家がアクティビストの視点から投資先企業を分析・提案するポイントを書いてきました。これら各事項は、投資ファンドであるアクティビストが株主提案をする際に頻繁に用いる重要視点ですので、個人投資家の方はしっかりと勉強されることをお薦めします。

本日は、コーポレートガバナンス・コードの「第3章 適切な情報開示と透明性の確保」について話をしたいと思います。

ここは第1章のように投資先企業を攻める細かい論点があるというわけではありません。ここは大きな観点から、会社が非財務情報の開示を行う際の基本的な考えが記載されています。従い、個人投資家の方は、第3章は企業に物申すためのピンポイントの武器とするのではなく、ベースにある考え方として理解することが大事になります。

まず非財務情報とは何でしょうか。反対用語は財務情報です。とすれば決算短信等に記載の決算に関する情報以外の情報が非財務情報とまずは言えます。次に、非財務情報の開示が何故重要になるのでしょうか?

ここは投資家のタイプに分けて考える必要があります。数ヵ月から1年程度といった短期間で株式の売買をする投資家にとっては、会社の四半期決算の数値が一番大事です。数値以外の情報は必要性ゼロと言ってもよいかと思います。こういう投資家にとっては非財務情報=価値ゼロとなります。

一方で、3〜5年といった中長期の期間で株式投資をする投資家にとっては、四半期決算情報は実は大きな意味がありません。だって企業の業績はその時々の状況によって良い時もあれば、悪い時があるのが普通です。今年度の1Qの決算数値が良くても、その後の2年後後の決算の数値が良いとは言えません。このように四半期決算を見ても3年後の業績は予測が出来ないのです。

それはそうですよね。将来、技術革新が起こるかも知れないし、競合他社が技術開発をしたり、またはM&Aで競争力を高めたりする可能性もり、また法規制が大きく変わる可能性もあります。それによって企業業績は大きな影響を受けます。

短期の好決算情報は数年後に好業績を約束してくれるものでないのです。ここで、3年~5年後の企業業績の大きな良し悪しを現時点で判断する情報として非財務情報が出てくるのです。つまり、短期の業績数値では企業の将来業績は分からず、このため、現時点においては数値化されていない情報に目を向けようというのが非財務情報です。

では、「非財務情報の概念は分かったが、具体的には何がこれに該当するのか?」という疑問が次に出てくるかと思います。少し長くなりますのでここからは次回、掲載したいと思います。