コーポレートガバナンス、株式投資、企業価値、IRなどに関する投資家目線での実務ニュース ー 強い意志のある投資を目指して

コーポレートガバナンス、中長期での株式投資、企業分析、企業価値評価、IR等について、新聞記事を中心に投資銀行・東証1部事業会社での実務経験を通じて気づいた観点を踏まえて分かりやすく解説していきます

株主総会後に機関投資家との対話がスタートします ー 投資家との対話のすすめ

この2週間、毎日出社でしたので、今週は火曜日を在宅勤務にする予定で明日は諸々オフィスで雑務を済ませて、火曜日はじっくりと情報のインプットに時間を費やす予定です。保有銘柄の有価証券報告書の精読や株式投資情報の整理も在宅勤務の日に実施します。人の目がないので在宅は何をやってもよいので楽ですね。1週間に数日程度しか会社に来ない人も世の中、多いですが、40代~50代の中高年層のサラリーマンの多くは(勤務先で取締役にはなれず、部長や課長(人によっては係長)どまりで先が見えている層)、自宅では日中さぼっており、夕方頃になってからメールを打ち始める人も相当多いのだと聞いたことがあります。単にさぼるだけになると時間の無駄ですので、人の目のない在宅勤務で専門知識の充実に励み、副業の準備でも真剣にすればよいのにと思います。

私の場合、過去2回のコーポレートガバナンス・コードの改訂は実務でも主体的に深く関与しているのですが、2015年の制定時には別の部署にいたため、導入時の経緯の知識が少しかけており、このため、今週の在宅勤務の際には、コーポレートガバナンス・コードの制定のきっかけになった日本再興戦略や2015年3月に出されたコーポレートガバナンス・コードの序文などもしっかりと目を通したいと考えています。出来れば今後1~2年以内に副業を開始したく、その備えです。

さて、前置きが長くなりましたが、6月30日の日経新聞に次の記事がありました。

[社説]企業と株主は総会後も一段と深い対話を: 日本経済新聞

総会だけが株主との対話の場ではなく、上場企業は総会後も投資家との対話を継続すべきといった趣旨の記事です。全くその通りと思います。

通常の四半期決算後のIRの決算ミーティングを除いて機関投資家と対話をしている企業はどの程度あるでしょうか?株主総会の少し前に総会の議案について、機関投資家に説明する企業は多いかも知れませんが、それ以外の時期に対話をしているでしょうか? 

総会議案とは別に機関投資家と非財務情報の対話をすることは非常に重要と思います。今年の株主総会で企業不祥事を理由に経営トップへの賛成率が低かった企業、ROEが3期連続で低迷したため経営トップへの賛成率が低かった企業などは世の中、沢山あるかと思います。また、株主提案を受け、提案自体は否決されたものの、株主提案への相当の賛成票があった企業もかなり多いかと思います。

これらの結果について、機関投資家と対話をして、来年の株主総会に向けて意見交換をして改善するのが総会後です。例えば、企業不祥事があった企業であれば、再発防止策の現状について機関投資家と対話をする、ROEの低い企業であれば、今期及び来期のROEの改善施策について対話をするのです。そして、機関投資家から有用なアドバイスがあれば、それを社内検討するのです。

これを来年の2月、3月といったタイミングで実施しても来年の総会準備に入ってしまっており、機関投資家からの意見を検討しようとしても時間切れです。ということを考えると、今年の総会で議案の賛成率が低かった企業は、議案の賛否や他社の総会の結果を7月、8月にしっかりと整理して、秋頃から年内にかけて一度、機関投資家と対話をする必要があると思います。

これとは別に、年末や年明け早々にこの1年間の非財務情報全般の変化や今後の事業戦略等の対話をすることも重要です。機関投資家に来年の総会を意識してもらうためにも、このタイミングかなと思います。敵対的買収といった有事の場合や株主提案の場合に機関投資家を味方につけるためにも、こういう対話を平時の段階から実施しておくことが重要と考えます。普段は何らコミュニケ-ションがないのに、有事の際に機関投資家に助けを求めても投資家は助けてくれません。