既に日経新聞でも報道のとおりですが、象印の筆頭株主である中国家電大手のギャランツが象印に取締役の選任の株主提案をしていましたが、2月17日開催の象印の株主総会で否決されました。
象印総会、中国家電ギャランツ創業家の株主提案を再否決: 日本経済新聞
ギャランツは社外取締役候補として、元知事と大学教授を提案しており、株主提案の議案は以下の招集通知の第6号議案に記載のとおりですが、お二人とも経歴は凄い方ですね。株式時価総額が数千億円程度の企業では、社外取締役にはまずいないであろう立派な経歴の方の印象を受けます。
https://www.zojirushi.co.jp/corp/ir/stock_info/pdf/syousyututi/2022tuti.pdf
けど、社外取締役には事業経験者やファイナンスの専門的な知識が求められるのが今のコーポレートガバナンス改革であり(ボード3.0では投資のプロが求められる)、ギャランツは象印にグローバル化を求めるのであれば、学問上の素養のある人物や役人などではなく、グローバルビジネスの経験のある企業経営経験者を候補者にしないと株主の賛同は得られないように思います。
もっとも、今回の株主総会で買収防衛策が可決されたことから、象印の株主構成は有価証券報告書では確認していませんが、象印の安定株主比率が高いということであるとしたら、どのような経歴の候補者を提案しても否決されたのかも知れませんが。
象印はプライム市場の上場維持基準に適合しているようですので、プライム選択に向けて今後、流通株式比率を増加させるなどの施策は必要ないかと思いますので、ギャランツとしては、象印の非安定株式数が増えない限り、今後また株主提案をしても達成は難しいのかも知れませんね。