コーポレートガバナンス、株式投資、企業価値、IRなどに関する投資家目線での実務ニュース ー 強い意志のある投資を目指して

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人権デューデリの指針策定 ー 欧米企業との取引の大きい企業は人権リスクに要注意

2月15日の日経新聞に「人権侵害防止 企業に指針」というタイトルで次の記事が掲載されています。

人権侵害防止、企業に指針: 日本経済新聞

内容は、政府は人権デューデリジェンス(人権DD)の指針を策定する予定とのことです。人権はESGの中のS(社会)の範疇に入ります。この2~3年で人権侵害リスクへの関心が高くなっています。2年前に機関投資家と会話した時に人権リスクを気にする投資家が増えてきたなと私は感じました。

この人権DDに注意すべき日本企業は、欧米、特に欧州の顧客との取引が大きい企業です。欧州では人権への関心が世界で一番高いので、そもそもESGなどを言い出したのが欧州ですが、サプライチェーンにある企業に人権侵害はないか等の細かい質問をしてきています。ので、日本企業としても自社の川上を遡り人権リスクを確認する必要があるというわけです。結構大変です。一次サプライヤーは把握できても、それより先となると困難です。

けど、そもそも人権リスクってどう考えるか難しいですね。よく東南アジアの児童労働が問題にあげられますが、一律に「児童労働をする東南アジアの企業は仕入先から除外せよ」となると東南アジアの貧しい国の児童自身は生きていけないわけですから。

ちなみに欧米企業との取引のない日本企業は人権リスクなどあまり気にする必要はないと思いますので、無駄なコストをかける必要はありません。人権リスクを煽るコンサル会社なども今後出てくると思いますが、煽られて無駄な出費をしないよう人権リスクをしっかりと理解するのが大事です。