コーポレートガバナンス、株式投資、企業価値、IRなどに関する投資家目線での実務ニュース ー 強い意志のある投資を目指して

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SBIと新生銀行の攻防(第20回) ー  株主意思確認総会の開催中止を公表

既に報道のとおりですが、新生銀行が明日開催予定の買収防衛策の株主意思確認総会を中止することを次のとおり公表しました。

https://www.shinseibank.com/corporate/news/pdf/pdf2021/211124_announcement_j.pdf

SBIHD による公開買付けはいまだに部分買付けであり、公開買付け価格も当初から変更がないことから、当行取締役会の反対意見表明において賛同要件として挙げていた、①買付け上限数の撤廃、②買付価格を本源的価値以上とすること、はいずれも達成されておらず、したがって、直ちに「賛同」とするべき状況には至ってはおりません。しかしながら、当行取締役会が反対意見とした主たる理由は、SBIHD による支配・経営下で企業価値や株主の共同の利益に毀損が生じる虞があることと相まって、いわゆる強圧性が生じることにあったところ、今般、SBIHD が当行グループの預金保険機構宛て回答書に記載の経営方針を尊重するとともに業務運営の安定性を考慮した経営体制の移行を行うことに同意し、双方で協調して当行の企業価値向上に努めることにより、企業価値や株主の共同の利益に毀損が生じるおそれが小さくなり、強圧性の度合いが下がったと評価できることから、当行取締役会としては、株主の共通の利益を保護するために大量買付行為自体を阻止することが必要な状況ではなくなったと判断いたしました。結果として、買収防衛策上の対抗措置を発動させることは必要なくなったことから、臨時株主総会の開催を中止いたします。また、個々の株主様が SBIHD の公開買付けに応ずるかどうかについては個々のご判断に委ねることが妥当であると考えられることから、本公開買付けに対して中立の意見を表明するものです

色々と書いてありますが、実際のところは預金保険機構が買収防衛策に反対を投じる可能性が高くなり、票読みの結果、過半数の賛成を得られないことが明らかになったので中止したということなのでしょう。 

新生銀行の株価はSBIの勝利を見越して11月11日から上昇していますが、これでSBITOBが成功する可能性は高くなったのだと思いますが、既に新生銀行の株式を保有するアクティビストが現在のTOB価格で応募するかどうかですね。アクティビストを退出させるためSBITOB価格を引き上げる可能性もあるかと思います。

しかし、株主総会の前日に中止するというのはどうなのでしょうかね。総会に出席するため準備を進めていた株主もいると思います。その責任をとるためか否かは分かりませんが、「新たな取締役が選任され次第、現取締役は退任する意向でおります」ともプレスリリースには記載されています。

  •  9月 9日 SBI:株式公開買付(TOB)を公表
  •  9月 9日 新生 :TOBのお知らせを公表
  •  9月17日 新生 :取締役会決議で買収防衛策を導入
  •  9月17日 SBI:「新生銀行に対するTOBに関して」を公表
  •  9月22日 新生 :新株予約権無償割当ての発行登録のお知らせ
  •  9月24日 SBITOB期間の延長要請に対する対応を公表
  •  9月27日 新生 :TOB期間延長要請に対するSBI 回答状況のお知らせ 
  •  9月29日 SBITOB期間を延長(10月25日 ⇒ 12月8日)
  • 10月 1日 新生 :買収防衛策の発動を一時見送ることを公表
  • 10月 6日 新生 :独立社外取締役協議会組成のお知らせを公表
  • 10月18日 新生 :買収防衛策に係る取締役会評価期間の延長を決定
  • 10月21日 新生 :TOB への条件付反対を公表
  • 10月21日 SBI新生銀行の反対に対して反論公表
  • 10月21日 新生 :株主意思確認総会の開催(11月25日)を公表
  • 11月 5日 新生 :グラスルイスが買収防衛策に賛成推奨である旨を公表
  • 11月 8日 新生 :ISSが買収防衛策に賛成推奨である旨を公表
  • 11月12日 SBITOBに関する機関投資家向け説明会を開催
  • 11月24日 新生 :株主意思確認総会の中止を公表