中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

最近のコーポレートガバナンスと資本市場の動向を踏まえ、上場企業実務の視点から中長期での企業価値向上に役立つ情報分析・発信をしていきます。個人投資家のコーポレートガバナンス力の向上による「意思のある投資」に役立つ情報発信もしています。また長期での割安株投資の情報も

SBIと新生銀行の攻防(第4回) ー 明日17日に新生銀行は取締役会を開催予定

明日は四季報の秋号の発売日です。四季報オンラインのデータも更新されるので更新され次第、明日と土曜日は銘柄確認の作業をする予定です。

さて、新生銀行ですが、本日、次のとおり公表しています。

https://www.shinseibank.com/corporate/news/pdf/pdf2021/210916_Announcement_j.pdf

ソニーホワイトナイトを打診中というような報道も昨日ありましたが、明日17日の取締役会でTOBへの意見表明を含めた議題について付議する方向のようですので、明日の取締役会の後に何らかの公表があるのでしょう。今回の公表文では、次のような記述もあります。

本公開買付けにかかるSBI  ホールディングスらからの公表内容においては、株主の皆様のご検討・判断に影響し得る主要な事実関係について、当行が認識している経緯に照らして不正確又は異なる内容が含まれているか、又は、重要な経緯が含まれていないことが判明しております。このようなことから、本公開買付けに関する当行の考え方に基づく当行の対応を現在検討しているところではありますが、現段階で判明いたしました主要な事実関係にかかる不正確・不十分な内容について、当行の認識を株主の皆様に本開示資料によりお知らせいたします

こんなことを書いている以上は、TOBに反対という意見表明をするであろうことは容易に想像できますが、恐らく、明日の取締役会では買収防衛策の発動を決議するのかなと思います。ソニー又は他の会社がホワイトナイトとなるのも簡単ではないでしょう。

SBIは40%のプレミムを乗せた価格でTOBをしているのであり、仮にソニーが対抗TOBをするとした場合、株主がソニーの提案に応募するには、ソニーは40%を上回るプレミアムを乗せるTOB価格とする必要があります。しかし、それはソニーの株主が簡単には許さないはずです。

ソニーは、過去にサードポイント等のアクティビストが色々と提案をした経緯もあり、物言う株主の怖さは十分に認識していると思います。高い価格で買収をする場合には、それに見合うリターンを自社の株主に説明し、理解を得ることが必要になります。明日、新生銀行が何らかの公表をした後、ブログでも記事を書きたいと思います。