中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

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SBIと新生銀行の攻防(第14回) ー 新生銀行が取締役会評価期間を10月21日まで延長

新生銀行の取締役会はTOBに賛同するか反対するか、反対する場合に対抗措置を発動すべきかの評価をするための取締役会評価期間を9 月17日から10月18日と定め評価を行っている最中ですが、本日、次のとおり評価期間を延長する旨を公表しました。

https://www.shinseibank.com/corporate/news/pdf/pdf2021/211018_announcement_j.pdf

評価のための検討に時間を要することから、取締役会評価期間を10月21日まで3日間延長するようです。独立社外取締役協議会も並行して評価を進めているところです。新生銀行の買収防衛策スキームでは、取締役会評価期間については次のように規定されています。

当行取締役会による上記の評価・検討については、本日以降可及的速やかに実施しますが、評価・検討のため必要な資料の準備等に要する時間も考慮し、十分な検討ができるよう、30日程度の期間(以下「取締役会評価期間」といいます。)を見込んでおります。なお、当行取締役会が取締役会評価期間内に本公開買付けへの賛否及び対抗措置の発動又は不発動に関する決議に至らないことにつきやむを得ない事情がある場合、当行取締役会は、必要な範囲内で取締役会評価期間を最長 30日間(当初の取締役会評価期間の満了日の翌日から起算します。)延長することができるものとします(なお、当該延長は 1 度に限るものとします。)。当行取締役会が取締役会評価期間の延長を決議した場合、当該決議された具体的期間及びその具体的期間が必要とされる理由について、適時かつ適切に株主の皆様に情報開示を行います。

取締役会評価期間が延長でき、延長は1回に限るというのは買収防衛策を有するほとんどの企業のスキームですので、新生銀行の延長も何ら目新しいところではないです。独立社外取締役協議会は、決定内容を取締役会に対して勧告するのですが、同協議会の意見が纏まっていないことから、取締役会としても結論を決めかねているといったところでしょうか。

  • 9月 9日  SBI:株式公開買付(TOB)を公表
  • 9月 9日  新生 :TOBのお知らせを公表
  • 9月17日  新生 :取締役会決議で買収防衛策を導入
  • 9月17日  SBI:「新生銀行 に対するTOBに関して」を公表
  • 9月22日  新生 :新株予約権無償割当ての発行登録のお知らせ
  • 9月24日  SBITOB期間の延長要請に対する対応を公表
  • 9月27日  新生 :TOB期間延長要請に対するSBI回答状況のお知らせ 
  • 9月29日  SBITOB期間を延長(10月25日 ⇒ 12月8日)
  • 10月 1日 新生 :買収防衛策の発動を一時見送ることを公表
  • 10月 6日 新生 :独立社外取締役協議会組成のお知らせを公表
  • 10月18日 新生 :買収防衛策に係る取締役会評価期間の延長を決定