コーポレートガバナンス、株式投資、企業価値、IRなどに関する投資家目線での実務ニュース ー 強い意志のある投資を目指して

コーポレートガバナンス、中長期での株式投資、企業分析、企業価値評価、IR等について、新聞記事を中心に投資銀行・東証1部事業会社での実務経験を通じて気づいた観点を踏まえて分かりやすく解説していきます

取締役会の実効性評価の考えのポイントは理解しているでしょうか? ー 外部業者のカモにされないために①

少し前に社内外で取締役会の実効性評価(以下「実効性評価」)を担当している方々のある会議に呼ばれ、実効性評価について説明することになりました。その方々は外部の業者を起用して実効性評価をしているのですが、いずれの方も総務部、法務部、人事部といった出身の方々で機関投資家との対話などをした経験がゼロのようで、どうも実効性評価の真のポイントが分かっていないようでした。

業者から取締役宛の沢山なアンケート質問が来て、それを右から左に取締役に転送している事務局も少なくないようで、ある意味、業者にいいように使われているとも言えます。あらためて考えると、過去から実効性評価を毎年実施しているからという理由で、漫然と業者に毎年決して安くない金を払って、言われるがままに実効性を評価している会社は結構多いのではないかと思いました。

ということで、2回に分けて上場企業がコーポレートガバナンスコンサルタントといったような外部の業者のカモにされないためにも、実効性評価の大きな考えについて説明したいと思います。

まず、実効性評価は何で規定されているかはご存じでしょうか?コーポレートガバナンス・コードに次の記述があります。

4-11③ 取締役会は、毎年、各取締役の自己評価なども参考にしつつ、取締役会全体の実効性について分析・評価を行い、その結果の概要を開示すべきである。

この点は話をした社内外の担当の方々も一部の方を除いて理解されていました。2015年に制定されたコーポレートガバナンス・コードで、取締役会は、取締役会全体としての実効性に関する分析・評価を行うことなどにより、その機能の向上を図るべきであるとされています。取締役会の重要な機能は監督機能ですが、その監督督機が実効あるものかどうかという観点から評価が求められていると言えます。

となると、ここで外部業者から監督機能が十分に果たされているかどうかの沢山の質問がくることになります。そして、先に伝えましたように、この内容を何の疑問も感じることなく社内でそのまま転送している事務局がいます。ここが問題です。

ここで考えるべきは、この実効性評価ってそもそも誰が気にしているのかです。上場企業には多くのステールホルダーが存在します。では、ステークホルダーである顧客や仕入先は実効性評価を気にするでしょうか?従業員が気にするでしょうか? 

いずれも全く気にしませんよね。顧客は品質の高い製品やサービスが提供されるかどうか、仕入先は代金を払ってくるかどうか、従業員は毎月のお給料が入ってくるかどうかが最大の関心事項です。では、誰が実効性評価の内容を気にするかというと、株主、その中でも機関投資家しかいません。

まずはこの点をしっかりと理解する必要があります。とすると、どういう視点から実効性評価を実施すればよいでしょうか?ここは次回解説をしたいと思います。