中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

最近のコーポレートガバナンスと資本市場の動向を踏まえ、上場企業実務の視点から中長期での企業価値向上に役立つ情報分析・発信をしていきます。個人投資家のコーポレートガバナンス力の向上による「意思のある投資」に役立つ情報発信もしています。また長期での割安株投資の情報も

PBR1倍割れ企業は株価向上施策の開示が今後求められます ー 東証が「論点整理を踏まえた今後の東証の対応」を公表

昨日は東京都内は雪が予想されたこともあり、オフィスは休日出勤のごとき閑散とした状況でした。そもそもリモートワークになってから金曜日のオフィスは、人がぱらぱらという程度なのですが(翌日が土曜日だからでしょうか?)、昨日は特に閑散としており、仕事がだいぶはかどりました。最近は人も増えており、騒がしい時もあるのですが、人がいないオフィスでの仕事は、インフラも整備されておりやはり快適です。

さて、前置きが長くなりましたが、東証が市場区分のフォローアップ会議を開催していることは前にブログでも紹介しましたが(参考までに記事を最後に再掲しております)、1月30日に「論点整理を踏まえた今後の東証の対応」を公表しています。

https://www.jpx.co.jp/equities/improvements/follow-up/nlsgeu000006gevo-att/fi1l5r00000011xo.pdf

「資本コストや株価への意識改革・リテラシー向上」としては次の記載があります。

経営陣や取締役会において、自社の資本コストや資本収益性を的確に把握し、その状況や株価・時価総額の評価を議論のうえ、必要に応じて改善に向けた方針や具体的な取組、その進捗状況などを開示することを要請( 継続的にPBRが1倍を割れている会社には、開示を強く要請)

実施時期は2023年春で、適用はプライム・スタンダード企業です。「投資者との対話の実効性向上」については、次の記載があります。

プライム市場において、経営陣と投資家の対話の実施状況やその内容等のコーポレート・ガバナンス報告書への記載を要請

こちらも春からの実施です。適用はプライム上場。いずれも春としか書かれていませんが、詳細な方針などが4月以降に公表されるはずです。どういう開示をすれば良いかのお作法が書かれた手順書かと思います。

PBR1倍割れ企業はこれは真剣に留意した方がよいです。前にもブログで書きましたが、この動きがアクティビストの活動の後押しになるわけですから、一刻も早い株価向上が確実に経営課題になります。

私の想像ですが、企業の決算説明会資料でも、今後は株価向上施策とその進捗のようなことの開示が資本市場から求められるかも知れませんね。決算説明会でもアナリストから質問も出ると思います。

個人投資家にとっては、株価の低い企業に色々と質問や提案が出来る環境になってきたということです。個人投資家の方もコーポレートガバナンスを深く理解して、企業との対話能力を向上させる機会です。ニーズと機会があれば、個人投資家向けのコーポレートガバナンスの勉強会などを開催したいなと個人的には思ったりしています。