コーポレートガバナンス、株式投資、企業価値、IRなどに関する投資家目線での実務ニュース ー 強い意志のある投資を目指して

コーポレートガバナンス、中長期での株式投資、企業分析、企業価値評価、IR等について、新聞記事を中心に投資銀行・東証1部事業会社での実務経験を通じて気づいた観点を踏まえて分かりやすく解説していきます

コーポレートガバナンス・コードで「人権」が規定 ー 物言う株主による企業の攻撃材料が1つ増えることになります

GWも明け本日から仕事開始の方が多いと思いますが、私は本日までが休みで明日から仕事です。本日から株式市場が始まるので、株価ウォッチの他、明日からの業務の準備をしたり、読書をして本日は過ごす予定ですが、昨日、「絶対に挫折しない日本史」(新潮新書)という本を購入しました。GW期間中に色々と考えるところがあり、人生有意義に過ごすには、今後は知識の幅と交流範囲を広げて行くことが大事と思い至りました。ということで、歴史、美術、音楽など今後はジャンルを問わず、読書をして、仕事以外の方との交流を広げて行きたいと考えています。

さて、前置きが長くなりましたが、5月5日の日経新聞の朝刊で、「統治指針に『人権』明記」との記事がありました。次のような内容です。

金融庁東京証券取引所は6月に施行する上場企業への「コーポレートガバナンス・コード」(企業統治指針)に人権を尊重するよう求める規定を盛り込む。中国のウイグル族の人権侵害で対中制裁に踏み切った欧米の投資家を中心に問題意識は高まっている。日本企業の人権意識が低いとみなされれば投資対象から外れるリスクがあり、指針を通じて自発的な対応を促す。東証は意見公募を経て6月に改定指針を施行する。東証が2022年4月に予定する市場再編で現在の市場1部に相当するプライム市場に上場する企業などを対象とする。具体的には指針の補充原則の中に、社会・環境問題をはじめとするサステナビリティー(持続可能性)を巡る課題の一つに「人権の尊重」を盛り込む。企業の取締役会は人権を重要な経営課題と認識し「(対応に)積極的・能動的に取り組むよう検討を深めるべきだ」とする方向だ。

3 月31日に金融庁のフォローアップ会議で公表された改訂コーポレートガバナンス・コード(案)では人権の記述はなかったので、その後に決まったことなのだと思います。改訂コーポレートガバナンス・コード案は明日5月7日までパブコメに付されていますが、5月中に金融庁フォローアップ会議が最後に1回開催され、そこで最終案が公表されるように思います。

今回の改訂コーポレートガバナンス・コードの改訂事項のポイントは、あらためてコードの最終版が出た時点で記事に纏める予定ですが、今回、人権が加わったということは物言う株主にとっては、企業の攻撃材料が1つ増えたことになります。人権は最近、頻繁に新聞でも報道されていますが、ESGの中で環境の次の重要テーマですが、日本企業の対応はかなり遅れていると言われています。

「環境アクティビズム」という言葉が前にありましたが、今後は、「人権アクティビズム」という言葉が現れ、より強力な活動に発展していくのではと想像しています。企業にとっては厄介です。企業はセクターによっては、環境への負荷と無縁の企業も多いと思いますが、人権は人が働いている企業全てに関連する事項です。また、憲法上も基本的人権の尊重を規定しているなど極めて根本的な事項でもあります。だからこそ、この「人権アクティビズム」は上場企業全てにとって根本的かつ重要な問題になってくると思います。

上場企業は、人権というテーマで、世の中の潮流をしっかりと理解する必要があります。物言う株主は企業の攻撃手段として、人権をどう材料にしようか検討していると思います。このブログでも今後は「人権」フォルダを作り、人権の記事を書いて行きたいと思いますので、関心のある方はご覧を頂ければと思います。日本の上場企業、物言う株主の双方の方の参考になればと思っておりますので、ご期待下さい。