中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

最近のコーポレートガバナンスと資本市場の動向を踏まえ、上場企業実務の視点から中長期での企業価値向上に役立つ情報分析・発信をしていきます。個人投資家のコーポレートガバナンス力の向上による「意思のある投資」に役立つ情報発信もしています。また長期での割安株投資の情報も

主要ゼネコンの2020年度通期予想 - 建設業界の長期見通しは?

ホームセンターのDCMホールディングスの島忠に対するTOB(島忠の取締役会の同意のある友好的TOB)に対して、先日、ニトリも島忠にTOBをする意向がある旨報道がありましたが、今度は、島忠株を旧村上ファンドが数パーセント取得し、島忠に色々と提案をしていることが報道されています。この数日間で面白い展開になってきましたが、本件は明日以降にブログで少し触れたいと思います。

さて、来週から企業の7-9月期の決算発表が本格し、その分析で私は忙殺されることになりますが、本日は主要ゼネコンの2020年度の通期業績見通しについて紹介したいと思います。前年度比較で、営利は営業利益、経常は経常利益の略です。

  • 大林組  売上高 △10.3%  営利 △22.1%  経常 △20.8%
  • 大成建設     △17.2%     △51.7%     △51.5%
  • 清水建設     △12.6%     △38.3%     △39.1%
  • 鹿島建設     △ 7.0%     △15.8%     △19.5%
  • 五洋建設     △14.1%     △16.9%     △16.9%
  • 戸田建設     △ 4.2%     △26.2%     △25.4%
  • 前田道路     △ 4.1%     △ 6.0%     △ 6.4%
  • 安藤ハザマ    △ 3.5%     △ 4.5%     △ 8.7%

ゼネコンは11月上旬から第2四半期決算発表が始まるので、業績予想が修正される可能性もあるので、またアップデートをしたいとは思いますが、建設業界の今後の見通しはどうでしょうか?

アナリストにより意見は違うかも知れませんが、長期的に見た場合、プラス成長が期待できるという意見が強い気がします。今後は老朽化したインフラや建物が更新期を迎え、公共工事は国土強靭化、民間工事は都心再開発等の大型プロジェクトもあるかと思います。

また、巣ごもり消費によるネット通販の増加による物流施設の増加、5G通信設備工事がプラス成長に寄与するという声も聞きます。東京五輪後は、しぼむのではという意見も前にはありましたが、決してそんなことはないように思います。Q2のゼネコンの決算は注意深く見て行きたいと思います。