コーポレートガバナンス、株式投資、企業価値、IRなどに関する投資家目線での実務ニュース ー 強い意志のある投資を目指して

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クニミネ工業(5388)が2020年度通期業績予想を上方修正

ベントナイトの国内トップ企業であるクニミネ工業(5388)が2020年度の通期業績見通しを本日上方修正しました。

当初通期予想と比較して、売上高は+6.3%(135億円)、営業利益は+131.5%(15億円)、経常利益は+107.2%(16億円)となっています。上方修正の理由は、次のとおりです。

「売上高は、主にベントナイト事業部門の鋳物関係において、国内自動車用途向けの販売が想定より好調に推移したこと等により、前回予想を上回る見込みです。利益面におきましては、売上高の増加に加えて、利益率の高い復興関連の売上比率が高まったこと、また、コロナ禍において働き方の見直しを行ったことによる経費の削減等が寄与したことにより、前回予想を上回る見込みです。」

クニミネ工業は株式時価総額160億円(本日の終値ベース)の小型銘柄で、ベントナイト部門、アグリ部門、化成品部門で構成されており、主力はベントナイト部門です。ベントナイト部門は、鋳物、土木建築、ペット関連の3部門に分かれ、鋳物の65%は自動車向けで、社長(オーナー)はQ1の決算説明会では当期の見通しは厳しく、「コロナの終息まで3年はかかる」「100年に1度のピンチ」と危機的状況であると言っていました。

Q1決算の数値が当初の通期業績予想で見ると進捗率が非常に高かったので、通期業績見通しは上方修正するであろうと確信していましたが、そのとおりとなりました。元々業績予想が保守的であると四季報でも書かれていましたのでサプライズ感はないですが、本日13時に見通しを開示して、本日の終値は昨日より+76円の1,119円となっています。

クニミネ工業は過去10年間において売上高は毎年増加しており、営業利益率も12%程度を維持しています。財務基盤はしっかりしており、株主資本比率は80%を超え、総資産に占めるネットキャッシュ比率は約30%となっています。クニミネ工業の過去10年分の財務は以前からエクセルで分析し、動向は注視していますが、健全経営の企業と思います。

2019年11月には日刊工業新聞山形大学との間でベントナイトの粒子の通電・蓄電勢を解明し、新たな電子デバイスの材料になることが期待できるとクニミネ工業に関する記事が掲載されました。

記事によれば、新しいタイプの蓄電デバイスの実現につながる可能性もあり、2023年の実用化に向けて開発に乗り出すということで、それまで株価が900円でしたが、記事の発表により1,400円まで株価が上がった経緯があります。

コロナの影響で3月19日時点で844円まで下げましたが、その後1,000円まで株価は戻しています。ちなみに「みん株」でのアナリスト(1名)予想株価は1,400円です。10月30日がQ2決算発表です。

使用済核燃料の処分でもベントナイトは使用されるようで、超長期の成長が期待できる銘柄かと思います。個人的には「強く買い推奨」銘柄と考えています。来年は出来れば定時株主総会に出席して社長に色々と質問をしたいと思っています。