コーポレートガバナンス、M&A、企業価値、IRなどに関する実務ニュース

コーポレートガバナンス、M&A、企業価値、IR等の新聞記事について、投資銀行・東証1部事業会社での実務経験を通じて気づいた観点を踏まえて分かりやすく解説していきます

書評「教養としての投資」(ダイヤモンド社 / 奥野一成)

本日は久しぶりに書籍について紹介します。中長期な株式投資をされている方はご存じかも知れませんが、中長期投資で有名な農林中金バリューインベストメンツのCIOの奥野一成氏の書いた書籍です。奥野氏は、京都大学法学部を卒業後、日本長期信用銀行に入行し、UBS証券等を経て、現在は農林中金バリューインベストメンツに勤務されています。

同氏は中長期株式投資を志向されており、株式投資の必要性、中長期投資の際の投資の考え方などが書かれている良書です。中長期の株式投資での投資基準は、強靭な構造を持つ会社を選ぶということで、①高い付加価値 ②高い参入障壁 ③長期潮流の3つをあげています。

新型コロナでの株価が下落しても、参入障壁を持った会社の株式に投資していれば、経済環境は一時的なショックから徐々に立ち直り、その過程で企業利益も改善され、株価も上昇するので、一時の株価の下落には一切狼狽する必要なしと言っています。

今回のコロナでの株価下落の局面では、絶好の投資チャンスと思い、私は株式投資を継続しましたが、奥野氏は「相対的に競争優位性をもっていて、それが損なわれないのであれば経済環境が悪くなっても先に沈むのは競合企業」、「経済環境が正常化した時には、競合企業は退場しているので生き残った投資先企業はさらに強くなっているはず」と書かれています。全くその通りであろうと思います。

会計や財務もわからずチャートを見て株式の売り買いをしている方(実は個人株主のほとんどはこの程度のレベルの方が多いのではと思います)には、中長期の株式投資など理解できるはずはないと思いますが、会計・財務の知識をもって株式投資をしている個人投資家の方には、一読されることをお薦めします。