中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

最近のコーポレートガバナンスと資本市場の動向を踏まえ、上場企業実務の視点から中長期での企業価値向上に役立つ情報分析・発信をしていきます。個人投資家のコーポレートガバナンス力の向上による「意思のある投資」に役立つ情報発信もしています。また長期での割安株投資の情報も

東証が上場区分の見直し検討を開始

昨年の12月21日付の日本経済新聞の記事ですが、東証が上場区分を見直すことを検討とありました。見た方も多いとは思いますが、色々と頭に入れておく意義のある数がありましたので、整理してみたいと思います。

上場企業数とPBR1倍以下の上場企業数ですが、次のとおりです。

<上場企業数>

東証1部    2100社
東証2部     500社
東証ジャスダック 700社
マザーズ     270社

日経平均株価TOPIXともに大きく下がっていますが、新聞記事では、東証1部の2100社の中、PBR1倍以下が954社で、このうち、4年連続で1倍を下回る会社数は600社とのことです。

PBR1倍以下とは、再三ブログでも記載しておりますが、時価総額が株主資本を下回るということですので、割安銘柄ということです。最近の株価低迷の状況下では、PBR1倍以下の企業数はもっと多いかと思います。

東証から上場企業に出されている通知の資料などを読みますと、時価総額500億円~1000億円のレンジでの基準を設けることを検討するということで、1部の上にさらに上位の市場を創設するなども検討するとのようです。1月末までのパブコメ募集もされています。

企業家の目標の1つが、株式上場かと思います。しかし、一旦上場した以上は、株価を気にしないオーナー経営者も少なくないように考えます。株価が低いと買収のリスクもあるのですが、中堅企業はオーナー一族の保有比率も高く、安定株主比率が高いのでそもそも買収リスクは小さくといえます。結果、株価など気にしないという方が多いのかも知れません。

今後、東証1部から降格した企業は、東証1部への再昇格を目指して企業価値向上に邁進することによる株式市場の活性化を東証は期待しているのかも知れません。